【ボイジャーの太陽系脱出を確認!】
今日のニュースでNASAが、ボイジャー1号の太陽系脱出のニュース を流していました。
ブログでもずっと追い続けていたボイジャーが、昨年の夏に太陽系を完全に脱出していたことを確認したそうです。
地球からなんと187億キロ。
時速6万キロ。
宇宙だからこそ出せるスピードですが、目の前を通り過ぎると早すぎて気づかないかもしれませんね。
私が生きている内に太陽系を脱出できるとは思っていませんでした。
これからは未知数だし、原子力電池ものこり少ないけれど、がんばって宇宙人に出会うまで壊れないで飛んでほしいです。
追伸)
原子力電池の寿命はボイジャーで理論ではなく現実に実証されていますね。
今で35年
です。またわずかにあるそうですが、節約して使っているので原子力の寿命は35年と見て間違いなさそうですね。
核燃料棒は核分裂を始めると止まらないので、焼却には35年以上かかると言うことでしょう。
【がんばれボイジャー 人間の文明の限界を背負った探査機】
ボイジャーの情報がリアルタイムに記載されるNASAサイト
1977年に打ち上げられたボイジャー1号と2号。
2013年の現在は、ヘリオポーズという太陽系の境界線を越えようと頑張って飛んでいるはずです。
太陽系の境界というのは要するに太陽風が届かなくなる境界ということだそうです。
福島では大惨事だった原子力も、30年は使えると言われる原子力電池を3個搭載したボイジャーには大事な電力源で、現在は節約しながら使っているために2020年くらいまで稼働できそうだといことです。
初めて撮られた海王星はきれいでしたね。海王星は太陽の熱だけではなく自らも熱を放射していることがわかりました。
そして太陽風が急激に弱くなる末端衝撃波面を超えたのが、2004年とも2007年とも言われています。学者によって意見が別れているそうです。
末端衝撃波面を超えると弱い太陽風のエリアになります(ヘリオシーズ)。ここでは初めて地球からは絶対に採取できないライマンα線という紫外線も観測されているみたいです。
他には、空間のゆがみがあることがわかっているそうです。
物理的な空間の歪みなのか、時間軸の歪みなのか・・・とても興味がありますね。
太陽系の外と言っても、太陽風が届かないところと言うだけで、「何もない空間」なのでしょうか。
それとも、太陽の加護が及ばない大嵐なのでしょうか。
ボイジャー1号は今年中に太陽系を完全に脱出する予定です。
今の飛行速度は大体時速62000キロ。先日ロシアに落下した隕石はニュースでご存知だと思いますが、あの隕石の落下速度は時速約54000キロ。
わかりやすく言えば地球が一周40000キロなのでボイジャーは一時間に地球を一周半も回るスピードになります。
テレビで見た隕石落下の映像や夜空に飛ぶ流れ星よりももう少し早いスピードになるのですね。
今後のボイジャーで心配なのは、原子力電池よりも太陽の方向にアンテナを向けるのが難しくなるということなのだそうです。
この位置から太陽を見ると、想像ですがおそらく私たちが木星や土星を肉眼で見ているような感じなのではないでしょうか。
ボイジャーの情報が地球に到達するのに13時間かかるみたいですが、よく信号をとらえ続けられるものだと感心します。
乗ってみたいなぁ・・・
なんて思いますが、そのうちミイラにでもなっているのでしょうか。
あまりにも退屈で気がくるっているでしょうか?
いや・・・宇宙では年を取らないそうなので、200歳ほどは生きているかも。
ひょっとして、時空の歪みがあるということなので、何かの拍子に地球に戻っていたりして・・・
そして・・・砂に埋もれた自由の女神を発見する!
「猿の惑星」は真実だった!
なんてね。
---以下は2009年に書いた記事です---
【太陽系の果てに向かう探査衛星たちを考えて】
最近は騒がれていませんが、ボイジャーという探査衛星はご存知でしょう。
ほかにもパイオニアという探査衛星もいましたね。
【パイオニア10号】 1972年3月2日打ち上げ 1973年12月に木星 1983年6月13日には海王星の軌道を横断 おうし座のアルデバランの方向へ向かって飛行中。アルデバランに到着するとしても約200万年かかります。
2003年1月22日の信号を最後に受信が途絶えた。
【パイオニア11号】 1973年4月6日打ち上げ 1974年12月4日に木星 1979年9月1日に土星 1995年末に太陽から44.7天文単位 (AU) の位置で運用が停止。 2009年には太陽から約79AU(AU=地球と太陽との平均的な距離である
【ボイジャー1号】 1977年9月5日打ち上げ 2009年現在も運用 現在信号が管制センターに届くまでには13時間強かかります。 1979年3月5日に木星 土星は1980年11月12日
【ボイジャー2号】 1977年8月20日打ち上げ 1979年7月9日に木星 土星は1981年8月25日 もともと土星探査機でしたが、予算の追加承認を経て 天王星への最接近は1986年1月24日 海王星への最接近は1989年8月25日 2009年2月9日現在、ボイジャー2号は太陽から約132.3億km ボイジャー2号との通信は2020年頃まで。
【ニュー・ホライズンズ】 2006年1月19日打ち上げ 2015年7月14日予定 (冥王星) 2007年2月28日:木星に2,304,541kmまで接近 2007年7月以降:Venetia(微粒子カウンター)以外のほとんどの機器を休眠状態中 2015年6月初旬:全ての観測機器が常時観測体制に入る。 2015年7月14日:冥王星をフライバイ(接近通過)し、冥王星と衛星カロンを撮影。
ざっとこんな感じです。太陽系を脱出できる探査衛星はアメリカの独断場で、上記の5機になります。
上のイラストはNASAの資料を基に私が描いたものです。(クリックで拡大)
太陽は銀河系の周りを回っていて、上のイラストでは向かって左方向に進んでいます。ですからパイオニア11号とボイジャーの二機は太陽が進む速度よりも速い速度で、太陽から逃げている格好になります。パイオニア10号だけは他の探査衛星とは全く逆の方向に飛んでいます。
太陽系の外はどんなになっているのでしょうか。
太陽は太陽風というものを噴出しています(写真のブルーの部分)。太陽系の外には星間物質(ガス)というものがあるらしく(オレンジの部分)、これが地球にやってくると地球の生き物はあっという間に死滅するそうです。
2003年から2004年に駆けて、ボイジャー1号が観測していた太陽風の速度が時速112万キロから16万キロ以下に極端に下がりました。いよいよ太陽系の端に来たわけです。太陽風と星間ガスがぶつかっている場所に来たので太陽風の速度が落ちたと言われています。この境界は末端衝撃波面と言われ、その外はヘリオシースと呼ばれています(写真の薄いブルーの所で太陽風と星間ガスが混在している所)。そして完全に太陽風がなくなる所、つまり太陽系の境界をヘリオポーズと言うそうです。
ボイジャー2号が見た海王星。海王星の大気はメタンの他に、地球には存在しない化学物質が含まれているといわれています。写真に見えるように、この時に見えていた青い大斑紋は数年後には跡形もなく消えていたそうです。
ボイジャーの電池は(プルトニウム原子力電池ですが)あと10年からよくもって20年だそうです。それまでに太陽系を脱出できるかどうかは、微妙なんだそうです。
太陽系を出る時に、星間ガスを思い切り浴びて爆発か崩壊するかもしれません。星間ガスが何者かわからないからです。
すでにヘリオシースの中に居て、空間の歪みのようなものも検出されているとも聞きます。
けれど、なんとか信号が途絶える前に太陽系を脱出して欲しいですね。