足利事件とDNA鑑定 冤罪と忘れ去られる真犯人 |         きんぱこ(^^)v  

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      砂坂を這う蟻  たそがれきんのすけ

*******足利事件*******

4,5歳の少女が、次々と変質者に連れ去られ

今だ行方不明や無残な殺され方をした事件で

絶対に忘れ去られてはならない事件です。


捜査の過程で菅谷さんが冤罪となり、犯人

未検挙と冤罪という二重の大問題を抱えた

大事件です。

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【栃木県警被害者遺族に謝罪】


 栃木県警察は4月20日に犯人を捕らえられなかった事について遺族に謝罪したそうです。

 松田真美ちゃん事件は1990年5月で、その時の公訴時効は15年でしたからほぼ5年前に時効が成立しています。

 しかし、もし横山ゆかりちゃんの事件(失踪:1996.7))も一連の足利事件と関係があるならばまだ可能性はあるはずです。

 それにしてもこの辺りは、未解決の殺人事件が多すぎます。しかし同一犯人だったならば理屈も通ります。

1979. 8 5歳、殺人・死体遺棄 福島万弥ちゃん(栃木足利)
1984.11 5歳、誘拐・殺人 長谷部有美ちゃん(栃木足利)
1985.10 3歳、行方不明 佐々木奈保子ちゃん(栃木日光)
1990. 5 4歳、誘拐・殺人 松田真実ちゃん(栃木足利)
1996. 7 4歳、誘拐事件 横山ゆかりちゃん(群馬太田) 足利事件関連
2002. 5 9歳、 行方不明 大川経香ちゃん(茨城取手) 足利事件関連?
2005.12 7歳、 殺人・死体遺棄 吉田有希ちゃん(栃木日光) 足利事件ではないかも 殺害方法が執拗過ぎて怨恨か?

 一連の事件が同一犯ならまだ可能性があります。しかし・・・(これらがすべて同一犯で、横山ゆかりちゃん事件のパチンコ屋で映っていた男だったなら、今は大体60~70歳でしょうか・・・)、犯人は時効のことなど何とも思ってはいないでしょうね。もう死んでいるでしょうか・・・。

 なんとか捕まってほしいものです。


【菅谷さんの再審公判】

(2010年4月 再審無罪の菅谷さんは選挙権も回復されました)


 宇都宮地裁で行われる菅谷さんの再審公判で問題になる部分を朝日新聞が取り上げていました。

  「検察側は当初、テープは足利事件とは別事件の取り調べのものだとして開示を拒んできた が・・・」

 これは、聞き捨てならない問題ですね。


 検察官がこんなことを言っていたとは驚きです。人間の持つ常識や先入観がいかに頼りないかを物語りますね。「菅谷さんが犯人に違いない」と思い込んでいたから、自分自身のプライド(恥)や審理の方向性を曲げたくない意識が検察官でさえこう言う判断をしてしまう恐ろしさ。


 やはり裁判員制度は必要かもしれませんね。

 この時点でテープが開示されて菅谷さんが無罪になっていたら、事件は振り出しに戻りますが、本当の犯人を検挙出来た可能性は上がっていたでしょうね。


 ・県警も菅谷さんも犯人に対して、マスコミを使って怒りを伝えてほしい。

 ・捜査は再開しているのでしょうか?


 足利事件は時効であったとしても、横山ゆかりちゃん事件はまだ時効ではないはずです。同一犯の可能性が高いから、細々との捜査ではなくて、マスコミが注目している今、犯人に対して強く伝えられるチャンスだと感じるのですが。


【「DNA鑑定」と捜査員のジレンマ】


 菅谷さんの釈放の件で、色々と風当たりがきつくなるのが捜査をした栃木県警。当時DNA鑑定という新しい証拠物が使えるようになって、県警の関係者はそれを信じた。

 しかし、当時のDNA鑑定が否定された。県警としては、一生懸命捜査してDNA鑑定を信じたのにこんなことになって、いわば県警関係者は「大恥」を世間に晒してしまう格好になったわけです。そうなると、担当者や関係者の心理は「やってられるか」という感じになってしまうのではないでしょうか。

 しかし、気持ちを切り替えてほしいです。

・当時と現在では、DNA鑑定の精度に雲泥の差がある。

 (当時の鑑定精度は1000分の一、現在は4兆7000億分の一)

・犯人はまだ捕まっていない。という事実。

・いまさら証拠がない?そうではない。

 このような結果では、県警の心理としては、DNA鑑定なんか信じれるか!と思っているはずです。しかし、逆なのです。


今でこそDNA鑑定が信用できて、今になっても頼れる証拠物件はDNA鑑定なのです


 被害者の衣服についた精液から犯人のDNAは確実に採取できている。

 だから犯人のDNAは見つかれば良い。

 ということは、栃木群馬近辺の軽犯罪を犯した人のDNAを徹底的に採取して洗い出す

 もちろんこれはこれで人権侵害などと言われるかもしれませんし、コストもかかるでしょう。しかしこれだけ社会問題になった事件です。国に言って予算を捻出してもらってやってみる価値はあるのではないでしょうか。国だってそれくらいのことは理解するはずです。


 ミトコンドリアDNAの採取は、何千年何万年前の物でも採取可能だと聞きます。(だから考古学でも使われ始めています)

 国、県や足利市、県警は、犯人に対してもっと怒りを露にして、ここまでやるぞと言うところを見せるべきです。

 何者かにメッタ刺しにされた吉田有希ちゃん(当時7歳)殺害事件だってわかるかもしれません。

 

 県警や市民は腰を上げて動いて欲しいです。


 なんとしても犯人を見つけて解決してほしい事件がこの足利事件です。


 4,5歳の女児を自己の性の処理に利用して、殺人を犯してきた真犯人。

 これほど許せない人間はいないのではないかとも思います。


 菅家利和受刑者(62)は弁護士の努力のおかげで今日釈放されるのでしょうね。

 20年近くも冤罪で人生を棒に振られて、周りから散々に言われてきた気持ちは大変辛いものだったと思います。この件はまだこれから。


 下記にも書きましたが、

・足利事件は警察が初めてDNA鑑定を証拠とした事件なのです。

 (当時は鑑定精度も甘かったはず)

・警察や検察は色々と言っていますが、犯人の精液がついた下着は規定では冷凍保存しなければいけないのに弁護士が何度注意しても常温で放りっぱなしだったそうです。


 警察官は捜査は間違っていないと言っていますが、この感覚で1996年の横山ゆかりちゃん事件も捜査しているとすれば、同一犯ではない前提での捜査だと思われます。ということは捜査方法や認識が全然違ったものになっているのではないでしょうか。

 ゆかりちゃん事件ももう一度同一犯であることを想定した捜査をやり直さないといけないはずです。

 無理にねつ造したならともかく、私は警察官も一生懸命やったことは認めます。しかしDNA鑑定のミスというちょっとした証拠の相違から、捜査する警察官の意識が大きく歪む。先入観というのは恐ろしいですね。

 横山ゆかりちゃんの再捜査も含めて、頭を切り替えて頑張ってほしいです。


 菅谷さんが釈放されて、犯人がまた動き出す可能性がありますね。

 将来ある人間の人生を何人も奪って、その両親や関係者の幸せや人生も奪った犯人よ。

 自分が人間である以上自主してほしい


【DNA鑑定】


DNAが発見されてから、まだたったの140年
そして遺伝子の本体がDNAだとわかり立体構造のモデルが作られたのは今からたったの58年前です。


ここではDNAについては詳しくは述べませんが、人の細胞が成人で大体60兆個。その一つのヒト細胞(ヒト細胞はニ個一なので、ヒト細胞の半分=ヒトゲノム)には30億個のDNAがあるそうです。(連なっているので30億塩基対)
さらにこの中に同じパターンのDNAが繰り返して存在する(縦列反復配列)場所があるそうなんです。
この繰り返しの数が人によって違うそうで、DNA鑑定はここの繰返し数を数えるのだそうです。

沢山のサンプルからヒトゲノムの採取をするのですが、サンプルが少ないと駄目なんだそうです。

髪の毛の場合は、毛根にはヒトDNAがありますが毛髪には無いそうです。その場合は、人間の細胞にはミトコンドリアという大切な・・・なんでしょう・・・細胞の中にいる細胞?がいます。これも独自のDNAを持っていて、このミトコンドリアDNAを調べるそうです。


要するに。

・DNA鑑定が本格的に始まったのはほんの20年程前だということ。
・DNAのデーターベースは2004年以降だからまだ最近で数も少ないこと。
・鑑定には出来るだけ多くのサンプルが必要なこと。
DNA鑑定精度は1990年は血液型と合わせて1000万人(6/8訂正 1000人→1000万人)に一人だったが今は4兆7000億人に一人と言われていること。
 (DNAは同じ物が無いとは言い切れないので注意)


 警察や検察がDNA鑑定を始めたのは1988年からです。本格的に捜査に使うようになったのは1992年からです。


【足利事件概要】


 [変質者による少女誘拐殺害事件]は群馬県と栃木県の県境で、警察の管轄が交錯している場所ばかりで行われたようです。

 最初は1979年、次は1983年、86年88年そして90年と犯行の間隔も短くなってエスカレート。

 そんな中で、犯人捜査の強力な武器としてDNA鑑定が用いられはじめました。


 1990年の、当時4歳の真美ちゃんも他の事件と同様県境近くのパチンコ屋で誘われて、(恐らくは)自転車で連れ去られて殺害されました。そして別の場所で死体遺棄。裸のまま心のかけらもないような遺棄の有様で、着ていた服は40m離れた河原の泥に埋もれていたそうですね。その時の下着には二度も射精した跡があったと聞きます。

 犯人は90年に犯行を行うまで4年3年2年とエスカレートしていた、しかし90年に自分以外の誰かが捕まった。そうなると逆にその後の犯行を我慢するしかなくなる。しばらく様子を見てそろそろ我慢が出来なくなってきた6年後にとあるニュースを見る。

「足利連続少女殺人事件、第二審の高等裁判所で有罪、無期懲役の判決」

 それを見た真犯人は安心しただろう。

 それから二ヵ月後の七夕の日、昼下がりの県境にあるパチンコ屋。

 犯行は再び行われた。

 ところが、パチンコ屋の防犯カメラに映ってしまった。


 その後、あなたならどうしますか?

 私が犯人なら、この場所でこれ以上犯行は行えないです。どこかに引っ越しして、しかし依存症は簡単には治らないでしょう。店に映ったビデオがよほど堪えたならその後の犯行はやめているかもしれません。

 依存症は自分で冷めてやめない限り絶対に治らないはずです。


 4歳といえば一番かわいい時。


 自分の快楽のために人まで殺す。

 犯人よ、もう自分でもいやになってるでしょう。しかし依存症は止められない。

 自分で止められないなら、犯行しそうな時に警察に連絡してほしい

 

 依存症って、自分ではいやになってもやめられないはず。依存の対象が変わる事はあっても依存癖はなかなか無くならないでしょうね。

 

  こんな事件は、もうやめてほしい。





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