≪鳩山首相≫米軍普天間飛行場移設問題へ「ゼロベース」を強調 | RE:SUKI

RE:SUKI

考えましょう

「ゼロベース」というと聞こえは良いですが、「ゼロ」とは「0」であり、過去の実績や経験、既存の枠組みに捉われることなく、白紙からのスタートにするという意味です。


年末に答えを出す「はず」であった普天間基地移設問題は、現在も白紙の状態から検討を行っていると、今日、鳩山首相は伝えました。



■首相、改めて普天間「ゼロベース」強調 官房長官発言撤回には触れず

 鳩山由紀夫首相は26日午前、沖縄県名護市長選で米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の移設受け入れ反対派の候補が当選したことを受けた移設先の検討作業について「ゼロベースで移設先を決めていくことに変わりはない」と述べ、名護市辺野古に移設する現行案を選択肢から除外しない考えを重ねて強調した。首相公邸前で記者団に語った。  平野博文官房長官が、市長選結果をめぐり「自治体の反対を斟酌(しんしやく)していたら何もできなくなる」と発言したことに地元などが反発していることについては、首相は「当然、結果は一つの民意の表れだと受け止めている」と述べるにとどめた。(1月26日10時11分配信 産経新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100126-00000509-san-pol



「ゼロベース」と伝える首相の言葉と裏腹に、1つの結果が出ました。


■普天間移設受け入れ反対 「首相に伝える」・・・稲嶺氏

 沖縄県名護市長選から一夜明けた25日、初当選を果たした稲嶺進氏は米軍普天間飛行場(宜野湾市)の同市への移設に反対する考えを重ねて示した。一方、平野官房長官は、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部に移設する現行計画を排除せずに移設先を検討する考えを表明した。米政府は依然、現行計画実現を求める姿勢で、今後の調整が難航するのは確実だ。  鳩山首相は首相公邸前で記者団に、市長選の結果について、「市民の一つの民意の表れだ」と述べた。(2010年1月25日 読売新聞より一部)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/okinawa/news/20100126-OYT8T00292.htm



民主制の中において、多数決の存在が重要なことは、私が説明するまでもなくみなさんご存知とは思いますが、キャンプ・シュワブ沿岸への移設へ反対をする方が多いということが、選挙の結果に出ています。


ただし、投票結果をご覧になった方は気付いたと思いますが、名護市長選の結果は「民意」と呼ぶには微妙な感じがすることも事実。


・稲嶺進氏 1万7千950票

・島袋吉和 1万6千362票

全ての方が基地問題をベースに投票を行っているわけではありませんが、双方に多くの支持者がいることが分かります。鳩山首相及び民主政権が「ゼロベース」と考える要因の1つには、この数字も関係しているのかもしれません。


沖縄の米軍基地は、全国にある在日米軍基地と比較すると、土地だけで全体の74%を占めています。それだけ、アメリカの軍事拠点として重要な場所が沖縄です。そして、「世界で一番危険な飛行場」と言われる普天間飛行場は、その中の1つです。


近隣で過去に、米軍のジェット戦闘機やヘリコプターなどの墜落事故が発生し、小学生の子供などが複数亡くなっているように、現在も住民は危険な状況にあります。飛行場を離れたほうが安全面では良いのですが、生活をする上で米軍頼りになっている方も多いようです。


様々な理由で、約50%(6:4?)くらいの方が、反対と賛成に分かれているという話をどこかで見ましたが、選挙の結果からも、同じような印象を私は受けました。


大不況と呼ばれる現在の世の中で暮らすためには、生きていくためには仕事をしなければなりません。基地が出来れば生活が楽に…と考える方もいるのでしょう。個人的には、珊瑚のある美しい海を軍事目的で潰すことに賛成はしていませんが、生きていくためにこの道を選んだ約半数の人々を責める気にはなれません。


住民の安全と生活を守り、そして外交上で問題を起こさない動きを取る必要があります。年々軍事力を高めつつある中国の真横にある日本は、これから何をすれば良いのでしょう?



名護市長選挙の結果は、市民からの1つの結論です。これをベースに、辺野古移設と国外への移設、もしくは現状維持(島への移設はないと思っています)が、アメリカとの間で話し合われることになるでしょう。


さて、アメリカからの脱却とも思える民主政権の人々の考えに対し、米軍関係者1万7千人を国外へ移すということを、アメリカ政府が認めるのでしょうか?5月には現在の問題を含め、結論を出さなければなりません。


(現在の問題)

・日米地位協定(アメリカ主導体制への疑問)

・米兵による犯罪(ひき逃げ・強姦など)

・米軍の演習による実弾の流れ弾被害

・ジェット機やヘリコプターなどの墜落・騒音問題


問題のクリアへと、選択肢が狭まったようにも見える普天間飛行場移設問題ですが、いまだ「ゼロベース」と結論の出せない民主政権が、どのような考えを国民に示すのか非常に興味があります。「ゼロベース」の真意を私は知りたいのです。


普天間で事故が起こったら先延ばし政権の責任も問われそうな予感



■鳩山総理、普天間移設はあくまでも「ゼロベース」で