数回に渡って、子どもの気持ちに寄り添った語りかけについて書いてきましたが、

 

今日は、わたしも普段から意識しているテーマについて考えてみたいと思います。

 

4 Encouraging Autonomy(子どもの自立を養う方法)

 

How to Talk so Kids Will Listen and Listen so Kids Will Talk

How to Talk so Kids Will Listen and Listen so Kids Will Talk

 

 

これは、娘の通うプリスクールでも心がけている語りかけでもありますニコニコ

 

 

娘は親参加型のプリスクールに

通っているため、お当番の日はわたしも

多いときで10人くらいの子どもと

接する日があります。

 

年齢は2歳から6歳。

 

イヤイヤ期真っ只中の子もいれば、

やんちゃ盛りな子もいたり、

色んな子がいます。

 

そんな中で意識するのは、

その子が自立して、

自分の行動に責任を持てるようになること。

 

以下が、子どもの自立を養うときに意識するといいポイントだそうです。

 

丸ブルー Let children make choices

     (子どもに選ばせる)

丸ブルー Show respect for child’s struggle

     (子どもの頑張りに対して尊重する態度を見せる)

丸ブルー Don’t ask too many questions

     (質問をしすぎない)

丸ブルー Don’t rush to answer questions

     (子どもの質問に対してすぐ答えない)

丸ブルー Encourage children to use sources outside the home

     (家庭の外の情報源を利用するように子どもに勧める)

丸ブルー Don’t take away hope

     (子どもの希望を奪わない)

 

 

上のポイントの中でも最初の二つは

特に効果的だと感じるので

ここで共有したいと思います照れ

 

 

たとえば、プリスクールでよくあるこんな場面。

トイレトレーニングをしている子とのやりとりです。

 

ニコ L, let’s go potty.(トイレ行こうか)

真顔 I don’t want to.(いやだ)

ニコ Would you like to go now or after 5 minutes?(わかった。今行く?それとも5分後に行く?)

うーん Now.(今)

ニコ Okay, let’s go now.(うん、じゃあ今行こう)

 

 

不思議なもので、

トイレに行くことは前提なのですが

選択肢を与えることで

すんなり行ってくれることが多いです。

 

こちらも、同じ要領で、

公園に行く際に、

誘導ロープを持って歩こうとしない

子どもに対して使う言い方です。

 

車通りのある道なので、

安全のためロープを持って歩けるように

2歳から練習するのですが、

慣れない子は、一人で歩きたいと

泣き出す子もいます。

 

そんなときは

ロープを持つように強く言うのではなく、

子どもに選ばせることで

大体がすんなり持ってくれます。

 

ニコ Please hold the rope.(誘導ロープを持ってね)

うーん No!(やだ!)

ニコ Would you like to hold my hand or hold the handle?(わたしの手を持つ?それとも取っ手を持つ?)

真顔 《わたしの手を握る》

 

これでもイヤイヤで癇癪を起こす子には

手を繋いで歩いてくれるまで待ちます。

 

それでもダメなときは、

「手を繋いで公園まで歩く」か、

 

「公園に行かないでスクールで待つ」か

…で選ばせます。



大体の場合は これで解決することが

多い気がします。


 

そして2番目のポイント(Show respect for child's struggle)

 


2〜3歳の子は

靴を履くのにも一苦労。

 

それでも公園に行く時間が遅くなっても

あまり手を貸しません。

 

その代わり、

励ましの言葉をかけて

どうしたら上手く履けるか

手を貸しつつ、言葉で助けます。

 

ぐすん I can't do it!(出来ない!)

ニコ It sometimes takes time to put shoes on. 《子どもの手を誘導しながら》How about you hold the shoe with your left hand, put your right index finger in like this, and pull it above the ankle?(時間がかかるときもあるよね。左手で靴を持って、右の人差し指を靴に入れて かかとまで引き上げたら?)

ニコ I did it! (出来た!)

爆笑 Yes. You did it!(うん、履けたね!)

 


これも、子どもの性格や年齢によって

言い方を少し変える必要があるのかなと思います。

 

 

そういう意味で親も日々勉強なのかもしれませんニコニコ

 

 

 

 

 初めましての方はこちらもどうぞ♪

花 自己紹介

花 プロフィール

花 娘のバイリンガル育児の記録
 

前回の記事では、

 

2 Engaging Cooperation(子どもに協力してもらう方法)について書きましたが、

 

今日は、

3 Alternatives to Punishment(罰の代わりの解決策)について考えてみたいと思います。

 

英語圏でよく目にするのは time-out(子どもを一人にして冷静にさせる)ですが、言葉で叱る家庭も少なくないと思います。

 

今日は、そのように罰する代わりとなる解決策について書いてみたいと思います。

 

 

How to Talk so Kids Will Listen and Listen so Kids Will Talk

How to Talk so Kids Will Listen and Listen so Kids Will Talk

 

 

この章に書かれていることは

普段の生活で実践する機会がなかったのですが、

とても参考になったので

簡単にまとめてみたいと思いますニコニコ

 

シーン別に母親のセリフが書かれていたので

部分的に抜粋してみます。

 

あるお母さんがスーパーで

子どもに対して言った言葉です(一部省略)

 

Stop running up and down the aisles....

(通路をあちこち走らないの!)

Why are you touching everything?

(なんで全部触るの?)

Put those bananas back.

(それを戻しなさい)

No we're not buying them; we have plenty at home.

(それは買わないわよ.家にたくさんあるから)

You're running again. Do you want to fall?

(また走ってる。転ぶわよ)

・・・・・

Okay that does it!! Do you know you nearly knocked obver that lady?

(もうたくさん!そこの女性が転びそうになったでしょう?)

You are not going to have a single spoonful of this icecream I bought for tonight.

(今晩のために買ったアイスクリーム、少しもあげないわよ!)

 

お母さんが言った、赤字の部分が罰の言葉ですね。

 

この本で面白いのは、

自分がこのように言われたら 

どう感じるかを考えること。

 

子どもの立場になって考えてみるのです。

 

 

子どもによっては、このように罰することは

注意をそらすだけに過ぎず

 

 

同じことを繰り返したり、

もっとお母さんを困らせるようになる

可能性もあるのだとか。

 

そのため、罰する代わりに

子どもに「良くない行い」を

理解してもらうには

どのようにしたらいいのか?

 

 

丸ブルーPoint out a way to be helpful

  (子どもに役立ってもらう方法を教える)

丸ブルーExpress strong disapproval (without attacking character)

  (強い反対の意を示す(子ども自身を非難することなしに)

丸ブルーState your expectations

  (子どもの求めていることを言う)

丸ブルーShow the child how to make amends

  (どう埋め合わせをしたらいいか子どもに提示する)

丸ブルーOffer a choice

  (選択肢を与える)

丸ブルーTake action

  (行動に移す)

丸ブルーAllow the child to experience the consequences of his misbehavior

  (良くない行いの結果、どうなるかを子どもに経験させる)

 

 

たとえば、上のスーパーでの場面だったら、

 

ムキー Put those bananas back.

 

・・・と言う代わりに

 

ニコニコ Could you go get a carton of milk for me?(牛乳を一パック持ってきてくれる?)

      ←Point out a way to be helpful(子どもに役立ってもらう方法を教える)

 

 

ムキー You are not going to have a single spoonful of this icecream I bought for tonight.

 

・・・と言う代わりに

 

キョロキョロ I don't like what's going on! It's disturbing to shoppers when children run in the aisles!(本文より抜粋:今の状態好きじゃないわ。子どもが通路を走り回っていたら、迷惑でしょう?)

  ←Express strong disapproval (without attacking character)

    (強い反対の意を示す(子ども自身を非難することなしに)

 

キョロキョロ Here are your choices: you can walk or you can sit in the cart. You decide.(本文より抜粋:歩くかカートに座るかどちらか決めて)

  ←Offer a choice(選択肢を与える)

 

 

選択肢を与えても走り回っているのなら・・・

 

キョロキョロ I see you decided to sit in the cart.(本文より抜粋:カートに座るのね)

  ←Take action(行動に移す)

 

 

これ以外のアドバイスも、

 

子どもに責任のある行動を取ってもらうように促す声がけ。

 

その場限りの言葉ではないんですね。


 

ただ、言うが易く行うは難し。

昨日もアメリカ人の友人と

この本の話になり、

 

分かってはいるものの、

いざ その場面になったら

「頭から抜けてしまうね」と笑ったものです笑い泣き

 

 

上のように叱る場面ではないにしても

娘に対してよく使うのは、

 

丸ブルーPoint out a way to be helpful

丸ブルーOffer a choice

 

 

子どもの性格によっても

どの方法が効果があるかも変わってきます。

 

普段叱っているときの言葉を書き出してみて、

代わりとなる言い方を考えてみるのも

いいかもしれませんねニコニコ

 

 

 

 初めましての方はこちらもどうぞ♪

花 自己紹介

花 プロフィール

花 娘のバイリンガル育児の記録
 

 

 

前回の記事では、

子どもの気持ちに寄り添った

語りかけについて考えてみました

1Helping Children Deal with Their Feelingsに関する記事はコチラ


 

今日は次の章である、

 

2 Engaging Cooperation(子どもに協力してもらう方法)について考えてみたいと思います。

 

 

How to Talk so Kids Will Listen and Listen so Kids Will Talk

How to Talk so Kids Will Listen and Listen so Kids Will Talk

 

 

これは、子どもが自分で色々と出来るように

なってきたあたりから とても参考になる

内容なのではないか とニコニコ

 

 

この章では、日々の生活でお母さんが

 

下のように、

「〜しなさい」、「〜しちゃダメ」など

 

子どもに協力をしてもらうために言う言葉が

 

子どもの気持ちを否定し、傷つけている

可能性があるということが書かれています。

 

 

丸ブルー Blaming and Accusing

   (非難する:「何回言ったら分かるの?」など)

丸ブルー Name-Calling

   (中傷する:「こんなに散らかして動物みたいね!」など)

丸ブルー Threats

   (脅す:「もう一度したら、お仕置きするわよ!」など)

丸ブルー Commands

   (命令する:「今すぐ部屋を掃除しなさい!」など)

丸ブルー Lectueing and Moralizing

   (説教し、諭す:「そんな風に本を取り上げるのはいいこと?マナーは大切なのよ。人に親切にしてもらいたかったら、自分から親切に振る舞わないといけないのよ」など)

丸ブルー Warnings

   (警告する:「触ったら火傷しちゃうわよ!」など)

丸ブルー Comparisons

   (他の子と比 較する:「どうしてお兄ちゃんみたいに出来ないのかしら?お兄ちゃんはもっとちゃんとできたわよ」など)

丸ブルー Sarcasm

   (皮肉を言う:「明日、テストがあるって分かってるのに本を学校に忘れてきたの?なんて頭がいいのかしらね」など)

丸ブルー Prophecy

   (未来を予告する:「成績表のこと、嘘ついたでしょう?そんな風だったら、誰も信用しなくなるわよ」など)

 

 

・・・と何とも10項目笑い泣き

 

こういった語りかけは、

子どもの気持ちに寄り添ったものではなく、

親も非常にエネルギーを使うとのこと。

 

 

じゃあ、何度 言っても

言うことを聞いてくれない子どもに対して

 

叱らずに子どもの協力を得るには

どうしたらいいのか?

 


こんなアドバイスが載っていました。

 

丸レッド Describe what you see or describe the problem

  (目の前にあることや問題を描写する)

丸レッド Give information

  (情報を提供する)

丸レッド Say it with a word

  (一言で言う)

丸レッド Talk about your feelings

  (自分の感情について話す)

丸レッド Write a note

  (言葉で叱るのではなく、メモに書いて渡す)

 

 

上の3つに関しては、

今までも意識していて

プリスクールでもよく使う言い方です。

 


最後の2つは「なるほど」と納得。

感情的になるのではなく

 

客観的に、目の前の問題を描写することが

大事とのこと。

 


実際に、娘や

プリスクールの子ども達に対して

日常的に使っている表現を共有しながら、

一つ一つ考えてみたいと思います。


 

丸レッドDescribe what you see or describe the problem

 

ムキー 《服が脱ぎっぱなしで床に置いてあるのを発見》Please put away your clothes!(服を片付けて!)

 

・・・と言う代わりに

 

キョロキョロ I see your clothes on the rug.(服が絨毯の上にあるよ)

ニコ Oh, okay.《服を選択カゴに入れにいく》(分かった)

 



 

丸レッド Give information

 

ムキー 《おもちゃが床に散らかっているのを発見》Put away your toys!(おもちゃを片付けて!)

 

 

・・・と言う代わりに

 

キョロキョロ Somebody might step on the toy and get hurt.(誰かが踏んづけて足を怪我するかもしれないよ)

ニコ Oh, okay.《おもちゃを片付ける》

 


 

丸レッド Say it with a word

 

ムキー《上着が床に脱ぎっぱなしなのを発見》You're leaving your jacket on the floor again! How many times do I need to tell you to put it in the cubby?

(また上着を床に置いて!収納棚に仕舞いなさいって何回言えば分かるの?!)

 

・・・と言う代わりに

 

キョロキョロ Smile, your jacket.(Smile、上着)

ニコ Oh, I forgot to put it in the cubby.(あ、収納棚に入れるの忘れてた)



 

丸レッド Talk about your feelings

 

ムキー 《ドアを開けっ放しにする》You always leave the door open!(いつもドアが開けっ放しよ!)

 

 

・・・と言う代わりに

 

キョロキョロ It bothers me when the door is left open. I don't want cold air coming inside the room. (ドアが空いていると気になるのよ。冷たい空気が入って欲しくないの)

ニコ Oh, sorry.《ドアを閉めにいく》

 



 

丸レッド Write a note

これに関しては、まだ実行していないですが、

何度言っても聞かない場合に、

メモに書いて、子どもに読ませると

効果的だそうです。

 

文字がまだ読めない子に対しては、

なんて書いてあるのかを

親が読んであげるだけでも良いとか。

 

 



長くなってしまいましたが、

子どもに求めることは同じでも

 

言い方ひとつで

子どもの気持ちに寄り添った語りかけになるし、

 

親のストレスも格段に減る気がします。

 


お互いに気持ちよく毎日を過ごすために

親である わたしも日々 勉強ですニコニコ

 

 

 

 語りかけに関する記事花 語りかけ:英語とマナー①
花 語りかけ:英語とマナー②
花 語りかけ:Noを少なく
花 語りかけ:子どもの気持ちに寄り添う①

 

 

 

 

 初めましての方はこちらもどうぞ♪

花 自己紹介

花 プロフィール

花 娘のバイリンガル育児の記録
 

 

 

 

以前の記事で、否定形を少なくする

語りかけについて書きましたが、

 

今日は年齢と共に複雑になってくる

子どもの感情に寄り添った語りかけについて

考えてみたいと思います。

 

 

 語りかけに関する記事花 語りかけ:英語とマナー①
花 語りかけ:英語とマナー②
花 語りかけ:Noを少なく

 

 

5歳の娘に対する語りかけで

いま参考にしているのは、こちらの本。


アメリカ人の友人に勧められて

買ってみたのですが


分かっていたつもりでも

出来ていなかったことばかりで

とても勉強になる内容キョロキョロ

 

How to Talk so Kids Will Listen and Listen so Kids Will Talk

How to Talk so Kids Will Listen and Listen so Kids Will Talk

 

 

2−7歳向けの語りかけは

こちらの本が良さそうです。

 

How To Talk So Little Kids Will Listen: A Survival Guide to Life with Children Ages 2-7

How To Talk So Little Kids Will Listen

 

 

いくつかのテーマごとにまとめられているのですが、

 

今日はこちらのテーマを考えてみたいと思いますニコニコ

 

1 Helping Children Deal with Their Feelings

    (子どもが自分の感情をうまく処理できるように手助けする)

 

4歳以降になると 語彙や表現も増え、

感情も複雑になってきます。

 

駄々をこねたり、ワガママを言ったり、

悲しんだり、怒ったり・・・

 

 

そんな感情を子ども自身が

うまく処理できるようになるには

 

どんな言葉をかけたらいいのか。

 

 

この本では以下のアドバイスが挙げられていました。

 

丸ブルー Listen with full attention

     (片手間ではなくきちんと話を聞く)

丸ブルー Acknowledge their feelings

    (子どもの感情を認めてあげる)

丸ブルー Give their feelings a name

    (子どもの感情に名前を付ける)

丸ブルー Give them their wishes in fantasy

   (子どもの望みを空想で叶えてあげる)

 

 

上のアドバイスを何回か試してみて

とても効果的だったので、

実際にあった、娘とのやり取りを共有したいと思います。

 

 

 

5歳半の娘は小柄です。

 

本人も「小さいね」と言われるのが嫌な

負けず嫌いな性格なのですが、

 

下のやり取りは、

仲の良いお友達に言われた一言に

傷ついたときのもの。

 

ぐすん 《泣きそうになりながら》She said I was small.(Bちゃんがわたしのこと小さいって言った)

ニコニコ Oh.... Are you feeling hurt because she said like that?(そんな風に言われて傷ついたの?)

ぐすん Yeah. I want to be taller.(うん。もっと背が伸びてほしい)

ニコニコ Oh, you want to be taller.(もっと背が伸びてほしいのね)

ぐすん Yeah.(うん)

ニコニコ I wish I had a magic wand to turn you into a giant!(巨人になるように魔法の杖があったらいいのにな)

ニコ 《笑って》Hehehe.(えへへ)

 


この後、娘は傷ついた感情を引きずることもなく、お友達に対しても 今まで通り接していました。



以前のわたしだったら、慰めるために

"I don't think you're small(小さいと思わないよ)"と言っていたかもしれません。


この本の著者によると、

子どもの言ったことに対して

「そうじゃないよ」と言うよりも、


相づちを打って

受け止めてあげるだけでも

子どもは安心するのだとか照れ

 

 

今回、このやり取りで分かったのは、

娘の気持ちに寄り添うことで

 

娘が傷ついた感情を

自分自身でうまく処理できたということ。

 

 

わたしは、娘の感情に名前を付けて(hurt)

娘の感情を認めて(You want to be taller)

娘の望みを空想で叶えただけ(I wish I had a...)

 

 


毎回がうまくいくわけではありません。

それでも 子どもの感情を否定するのではなく、

 

認めてあげるだけで

親であるわたしも うんと楽になることが

分かりました。

 


今回は英語でのやり取りでしたが

日本語でも同じような効果があると思います音譜

 

 

 

記事が長くなってしまったので、次の項目でもある、

 

2 Engaging Cooperation(子どもに協力してもらう方法)については、次回 書いてみたいと思います照れ

 

 

 

 初めましての方はこちらもどうぞ♪

花 自己紹介

花 プロフィール

花 娘のバイリンガル育児の記録
 

 

 

数回に分けて、

語りかけで時制を教えることについて

書いてきましたが、

 

今日は、

 

2 子どもの発言に対して返答する際に、

 具体的な表現で描写してあげる

 

について考えてみたいと思います(『1 間違いを訂正する』に関してはコチラ

 

 

 

 語りかけで時制を教える花 語りかけ:時制を教える①
花 語りかけ:時制を教える②


 

これは、子ども特有の

「見て!見て!」に対して

時制の習得を促しつつ、

どう返答するかというもの。

 

 

小さい子どもがよく使いそうな表現を

例に挙げて考えてみたいと思います。

 

ニコ Mommy, look!(お母さん、見て!)

ニコ I did it!(出来たよ!)

 

これに対して、

 

ニコニコ Good job!(よく出来たね)

ニコニコ Wow. Did you draw a flower? Beautiful.(わぁ。花を描いたの?きれいね)

 

・・・のように答えると、

子どもが動詞の活用に触れる機会が

あまりないので、

 

 

褒めるというよりかは、

その時の様子を動詞を含めて

なるべく具体的に描写します。

 

 

たとえば、

 

ニコ Mommy, look!

ニコニコ Wow, I really like the yellow flower you drew.(わぁ。◯◯ちゃんが描いた黄色い花、本当にいいね)

ニコニコ You wrote a letter to your grandma? That's very sweet.(おばあちゃんにお手紙を書いたの?優しいね)

 

 

ニコ I did it!

ニコニコ You tied your shoe laces very quickly!(とっても速く靴ひもを結べたね)

ニコニコ You put away all the toys! That was quick!(おもちゃを全部片付けたの?速かったね)

 

 

こんな風に、

その時の子どもの動作を表した言葉

意識して返事に含めます。

 

そうすると、不規則動詞も規則動詞も、

インプットとして繰り返し与えることができます。

 

 

要は、時・場所・状況を変えて

繰り返し同じインプットを与え、

 

インプットの文法要素に気付かせるということ。

 

 

これは時制以外の文法要素にも使えます。

 

なるべく、具体的な描写をしてあげることで

特定な表現の習得も促すことができます音譜

 

たとえば進行形は下のような感じ ニコニコ

 

ニコ Mommy, look!

ニコニコ You are swinging nicely on the swing!(上手にブランコをこげているね)

ニコニコ You are holding chopsticks very nicely!(上手にお箸を持っているね)

 

もし どう描写していいか分からない場合は、

「あ。ここ、詳しく描写したいな」

と思ったときにメモを取っておいて、

 

あとでゆっくり英文に直すというのもいいと思うし、

 

習得させたい表現を

どのような場面で どのように表現できるかを

シミュレーションしてもいいと思います。

(たとえば、drawを習得させたいのなら、

お絵描きの時間にdrawを使った表現を

いくつか考えて用意しておく・・・など)

 

 

わたし自身、

「あの時、こう言えば良かったな」

と思うことも多々ありますキョロキョロ

 

そういう意味では、

親であるわたしも日々 勉強です花

 

 

 

語りかけの中で行うことなので、

 

子どもの性格や発達段階によっては

気が付くのに時間がかかったり

もしかしたら気が付かないこともあるかもしれません。

 

 

そういう場合は、もう少し直接的な方法を取るなど

工夫をしてみるのもいいと思いますニコニコ

 

 

 

 

 初めましての方はこちらもどうぞ♪

花 自己紹介

花 プロフィール

花 娘のバイリンガル育児の記録
 

 

前回の記事では、

子どもが発話をベースにして英語を習得する場合、

 

繰り返し繰り返し耳にするインプットにより

自分の中で文法ルールを見つけ出し、

 

時制だけでも

相当な時間をかけて習得すると書きました。

 

 

では、知識として体系立てて教えることなし

 

語りかけで時制を教えるとしたら、

どうしたらいいのでしょうかはてなマーク

 

英語のレッスンでは、

特定の文法ルールを習得するよう、

それに基づいてレッスンを組み立てますが、

 

 

バイリンガル育児では、

日々のやり取りで気付かせるのが効果的と感じますニコニコ

 

ここでは、効果がありそうな方法を2つ書いてみたいと思います。

 

 

1 間違いを訂正する

2 子どもの発言に対して返答する際に、具体的な表現で描写してあげる。

 

 

1の「訂正する」という方法は

大きく分けて6種類ほどあるそうですが、


よく使われそうなのはこの2種類じゃないでしょうか。

 

丸ブルー explicit correction(はっきりと訂正する)

丸ブルー recasts(間違った箇所のみを訂正して、子どもが言ったことを繰り返す)

 

 

たとえば、下のやり取り。

 

ニコ I goed to Disneyland yesterday.(昨日 ディズニーランドに行ったよ)

 

キョロキョロ You should use "went" not "goed." ("goed"じゃなくて"went"でしょ?)

 

 

これが、explicit correction

子どもにはっきりと「間違ってるよ」と伝えるやり方です。

 

子どもによっては、

間違える度に毎回 直されるのが嫌で

発話が減る可能性も出てくるかもしれませんあせる



特に発話が安定して出る前は、

子どもの「話したい!」という気持ちが大切。



子どもの性格や発話の様子を見ながら

直すか直さないかは決めると良いかもしれません。

 

 

そういう理由から、

わたしが娘に日常的に使うのは recasts。


上の方法よりも遠回しに言うので、

伝わらないことも多いです。

 


ただ、会話の流れを比較的止めないので

語りかけでは よく使っています。

 


子どもが 気が付けばとても効果的だと感じます。

 

 

たとえば、下のやり取り。

 

ニコ I goed to Disneyland yesterday.

 

ニコニコ I went to Disneyland yesterday?

 

ニコ I went to Disneyland yesterday.

 

ニコニコ Wow, lucky you! Did you have fun?(わ、よかったね!楽しかった?)

 

 

これは間違いだけを訂正し、

子どもが言ったことをそのまま繰り返してます。

 

"You went to Disneyland yesterday?"にしないのは、


より遠回しな recastになるので、

子どもが直されていることに気が付きにくいから笑い泣き

 

 

もし、全く訂正しない場合は、

下のような返答になると思いますニコニコ


 

ニコニコ Oh, you did? Lucky you!(そうなの?よかったね!)

 

 

このような返事は、

もう既に時制を正しく使えるときに意識して使うと 

 

疑問文の正しい答え方の習得に繋がるんじゃないでしょうか音譜

(例:親: Who called you yesterday?→ 子ども: Sam did.)

 

 

 

そして 1以上にインプットとして効果が高いと感じるのは、

 


2の「子どもの発言に対して返答する際に、具体的な表現で描写してあげる」こと。



これは、発話の間違いを訂正するのとは違い、


子どもの「見て!見て!」に対して

時制の習得を促しつつ、どう返すか 

というもの。


 

 

記事が長くなってしまったので、

これについてはまた次回 整理して書いてみたいと思います花

 

 

 

 

 初めましての方はこちらもどうぞ♪

花 自己紹介

花 プロフィール

花 娘のバイリンガル育児の記録
 

 

以前に言語習得の順序について書きましたが、

 

今日は動詞の時制の教え方について

考えてみたいと思います。

 

 

 言語習得の順序に関する記事花 言語習得の順序①:文法要素花 言語習得の順序②:質問文
花 言語習得の順序③:否定文

 

 

 

皆さんはどのようにして動詞の過去形を

習得されましたかはてなマーク

 

わたしが文法を習ったのは

中学校での英語教育が初めてだったので、

 

1 一般動詞の原形に -ed(-ied、-d)をつける

2 不規則変化をする動詞がある

 

というように覚えました。

 

特に2は、

  • put - put - put(A-A-A型)
  • run - ran - run(A-B-A型)
  • teach - taught - taught(A-B-B型)
  • see - saw- seen(A-B-C型)
というように、一覧表をひたすら声に出して覚えたものです笑い泣き
 
 
 
低年齢でバイリンガル育児をする場合、
当然、子どもは こういう風には習得しません
 
発話ベースで英語を習得する場合、
繰り返し繰り返し耳にするインプットにより
自分の中で文法ルールを見つけ出します。
 
そこが、年齢が高くなって、
文法を学習して習得する場合
大きく異なります。
 
 
娘や他の子ども達の発話を観察して
推測できるのは、子どもは、
 
時制によって動詞を
変化させているわけではないということ。
 
 
たとえば、
I see a flower.(花が見える)
 
I saw my grandma yesterday.(昨日、おばあちゃんに会いました)
 
という二つの文。
大人だったら、"saw"は "see"が変化したものとすぐに分かります。
 
でも文法を知識として教わる前の子どもは、
 
この"see"と"saw"は、
リンゴバナナのように
別の単語として捉えていると思われます。
 
動詞の原形を変化させている訳ではなく、
 

「今のことを話すときは、see

 

「ちょっと前のことを話すときは、saw

 

という風に、別単語として使い分けをしているのです。

 

 

なので、「"saw"は "see"の過去形なんだよ」

と年齢の低い子どもに教えてもピンと来ません笑い泣き

 

 

周りの英語話者から 繰り返し繰り返し、英語を聞き、

  • 現在のことを話しているのか
  • 未来のことを話しているのか
  • 過去のことを話しているのか

 

その状況によって、その子なりに文法解釈をし、

 

現在のことを話すときは see

過去のことを話すときは saw

・・・と何となく理解し、アウトプットで試し、

 

そして間違いを直され、

それで修正しながら習得していくと思われます。

 

そのため、発話ベースにバイリンガル育児をする場合、

 

 

正しい時制を使えるようになるのは、

時間の概念が分かってくる、

4〜5歳以降と考えられます。

 

 

「時間の概念が分かる」というのは

「時計が読める」ということではなく、

 

大まかに「ちょっと前」「昨日」「今日」「明日」「ちょっと先」が分かり、

 

過去・現在・未来が何となく分かっている状態ニコニコ

 

娘の場合は、時間・季節の感覚を身につけるために

 

3歳過ぎからカレンダーの取組みを続けていました。

 

 

 時間の感覚を身につける取組み花 カレンダー(曜日の歌)
花 カレンダーの取組み
花 カレンダーと序数
花 カレンダーの取組みと今
花 発話:時制の習得

 

そうやって、時間の概念が理解できてきたら

 

時制も習得しやすくなると考えていますニコニコ

 

そう考えると、

英語を「学習して」習得した場合と比べると

気の遠くなるような時間をかけて

時制を習得していることになりますねあせる

 

 

でも大きな利点としては、

「暗記」と違い、体得しているものなので

考えずに使えるということがあると思いますチュー

 

 

では、実際に語りかけで

 

知識として教えずに

過去形を教えるには

どうしたらいいのでしょうか?

 

次回はそのことについて考えてみたいと思います音譜

 

 

 

 初めましての方はこちらもどうぞ♪

花 自己紹介

花 プロフィール

花 娘のバイリンガル育児の記録
 

 

ペラペラな親ほど早期英語教育に"冷淡": 英語がダメな親ほど超必死?!

 

だいぶ前にインターネット上に出た記事です。

 

タイトルを見て、正直とても驚きましたびっくり

 

 

わたしもこの記事に関して

いくつか質問に答え、

 

回答に、娘へのバイリンガル育児の経験と

バイリンガル教育に関する見解を述べたのですが、

 

 

記事の内容は、想像していたものと かなり違うものだったからです。

 

回答した部分がところどころに一部分だけ

抜粋され、記事にまとめられていたため、

 

結果的に、わたしの意見は

「早期英語教育に反対」という主張の

サポートに含まれてしまったようです ガーン

 

 

筆者が言うには、

 

自身が日英バイリンガルの親は、

自分の子どもの英語教育に対して冷静とのこと。

 

理由としては、

 

丸ブルー 教えても子どもは成長過程で英語をすぐ忘れてしまう

丸ブルー 日本語も英語もダブルリミテッドになってしまう

丸ブルー 本人がやる気になれば英語は習得できる

丸ブルー 英語を話す仕事は人工知能にとって代わられる

丸ブルー マルチリンガルよりもマルチカルチュアルにしたい

 

ということだそうです。

 

わたしが回答に書いたのは、

 

丸レッド 子どもの言語成長に合ったインプットを与える必要がある。インタラクションのないインプットは、子どもがインプットの要素に気が付かなければ(noticing)、習得に繋がらない可能性もある。

 

丸レッド 言語はアイデンティティ形成にも深く関係しているため、言語面だけでなく、子どものアイデンティティも考慮して取組みをする必要がある

 

丸レッド 母語である日本語に触れさせず、どちらかの言語に偏りすぎた場合は、ダブルリミテッドになる可能性もあるため、両言語のバランスを見ながら取組みを進める必要がある

 

丸レッド 早期英語教育を取り入れるのか、それとも母語が確立してから英語を入れるかは、子どもが置かれている環境や、その子の性質を見て親が決めるといい

 

 

・・・というポイント。

 

 

つまり、バイリンガル教育は、

子どもの言語成長に合ったインプットを与え、

 

母語を大事にしつつ、

子どものアイデンティティも考慮しながら

工夫して進めることが求められる

というようなことを回答したのですが、

 

 

少し前にテレビで話題になった林先生と同様、

 

 

早期英語教育における注意点という論点が、

 

 

英語ができる親 vs. 英語ができない親

 

という論点に替わってしまっていて

読み手に偏った解釈を与えかねないと感じました。

 

 

ここで重要なのは、

早期英語教育において

どんな注意点が考えられるか

ということであって

 

 

「英語ができる親はこうである」

「英語ができない親はこうである」

 

と極端に一般化することも出来ないし、

 

両者を比較する必要性もないからです。

 

 

早期英語教育の利点は、

英語への心の壁を低くし、

 

英語を「勉強」ではなく、「言語」として

意味のある言葉として捉えやすい点。

 

 

6歳からのバイリンガル育児:目指す英語力は?』にも書きましたが、

 

 

どのような英語力を目指すかによっても

早期英語教育の必要の要否は

家庭それぞれで考え方が異なります。

 

丸レッド BICS(日常会話で使う能力)を重視するのか、

 

丸レッド CALP(論理的な思考力)を重視するのか、

 

丸レッド それとも両方を重視するのか

 


それによって、

 

早期英語教育に求めること、

必要なことは変わってくると感じます。

 

 

 林先生の『早期英語教育不要論』に関する記事花 英語教育とクリティカル・リテラシー

 

 

『早期英語教育』と言う言葉を記事内で何度か使っていますが、

 

個人的には、

 

5歳までのバイリンガル育児は

教育的要素は ほとんどなく

 

 

日々の生活で子どもと向き合う時間に

英語という要素が少し加わる・・・

そちらの方が大きいと思っていますニコニコ

 

 

もちろん、6歳以降もそれは変わりませんが、

徐々に教育的要素も入ってくるのかな と。
 

 

ただ、筆者が記事で述べているように、

 

日本で育つ子どもに対し、日本語と同じぐらいの分量の英語を使う環境を作ることは、非常に難しい」

 

という点は わたしも部分的に同意見です。

 


「日本語と同じくらいの分量」にする必要はないですが、

 

 

4〜5歳のバイリンガル育児』で書いたように

 

「母語あるいは第一言語が日本語」という環境では、

日々の英語の環境は

意図的に整える必要があると感じます。

 

 

英語に意味を持たせること

 

 

日本という環境では大変なことだし、

だからこそ親の工夫が必要になるのだと思います。

 

 

 

 

 初めましての方はこちらもどうぞ♪

花 自己紹介

花 プロフィール

花 娘のバイリンガル育児の記録
 

 

 

 

 

前回の記事で、

 

6歳からのバイリンガル育児は

小学校に入学するなど

環境が大きく変わったり、

生活リズムが変わったりするので

 

かなりの個人差が出ると書きました(関連記事:『6歳から始めるバイリンガル育児』)。

 

今回は、

 

2 6歳からのバイリンガル育児

 

について考えてみたいと思います。

 

 

これは、6歳より前から英語の取組みを始め、

ある程度の土台ができていて

日本の小学校に通うケースを考えてみたいと思います。

 

 

そして6歳以降(小学校、中学校、高校、大学など)、長期的に見た英語力について考えてみたいと思います。

 

 

これに関しては、

小学生以上のお子さんをお持ちの方たちが

様々な取組みをブログにて紹介

しているので ここでは割愛しますが、

 

 

これはもう、

 

どのように英語力を維持

忙しい毎日で英語の時間を確保するか

 

(そして可能であれば、どのようにして高めるか)

 

ということに尽きると思います。

 

丸ブルー 多読

丸ブルー ライティング

丸ブルー 領域テーマ学習

丸レッド オンライン・レッスン

丸レッド 英語(保持)教室

丸レッド 短期留学

丸レッド ホーム・スクーリング

丸レッド インターのアフタースクール

 

 

・・・と言った様々な取組み・方法が考えられますが、

 

 

英語力と言っても

人によって捉え方は様々。

 

 

皆さんが目標とする英語力

どのようなものなのでしょうか?目

 

 

英語力を測るときは次のようなものがあります。

 

丸ブルー 流暢さ(fluency)

丸ブルー 正確さ(accuracy)

丸ブルー 統語的複雑さ(syntactic complexity)

丸ブルー 語彙的複雑さ(lexical complexity)

 

 

日本では、発音に癖がなく、

流暢な英語を話すことが

英語力の高さとして評価されやすい気がしますが、

 

 

流暢な英語 = 高い英語力

 

なのかと言われれば、

必ずしも そうとは限りません。

 

 

たとえば、流暢に話さなくても

 

文法的に間違いが少なく(accuracy)、

洗練されたな文を生成することができ(syntactic complexity)、

語彙的にも洗練された表現が使えれば(lexical complexity)、

 

 

英語力が高いと言えるんじゃないでしょうか。

 

 

もちろん流暢さは英語力を判断する

要素の一つ

 

 

低年齢からバイリンガル育児を始める利点は

 

発音や流暢さを身に付けやすい

ということもあるかもしれない。

 

 

では、発音や流暢さだけでなく

 

総合的な英語力を上げたい場合は、

どうすればいいか?

 

 

6歳以降のバイリンガル育児では、

日常英会話以外の英語力

考え始めてもいいのかなと考えています。

 

 


 

ここで、言語学者カミンズ氏の提示した

BICS/ CALPという概念を用いて 

6歳以降のバイリンガル育児を考えてみたいと思います。

 

 

カミンズ氏は、言語能力を考えたときに

一つの要素だけでは決定づけられないと

主張しています。

 

発音や日常会話の流暢さといった能力は

早い段階で停滞期に達するのに比べて、

 

語彙力やその他の学習能力は

一生をかけて成長するものである

ということです。

 

 

そのため言語能力は、下の2つに分けて考えるべきだと述べています。

 

丸レッド BICS(Basic Interpersonal Communicative Skills/対人伝達言語能力)日常会話で使う能力

 

丸レッド CALP(Cognitive Academic Language Proficiency/認知・学習言語能力)論理的な思考力

 

 

これは海外からカナダに移住した

子ども達を対象にして

研究されたものですが、

 

 

この研究で分かったことは、

 

日常会話における流暢さ  論理的思考・学習能力の高さ

 

ということ。

 

 

 

つまり、日常英会話が流暢に話せたとしても、

 

 

読解力・作文力・語彙力・知識の面で

高い認知処理能力を持っているわけではないということです。

 

 

また興味深いことに、短い期間で

英語ネイティヴのような流暢さに達していたとしても、

 

 

 

英語での学習能力を習得するには

より長い時間がかかるということです。

 

※カミンズ氏の研究は、移民の子ども達を対象としています。母語が日本語である、日本に住むバイリンガルの子どもに全てが当てはまるわけではありません。ただ、参考にはなるかと思います。

 

 

こういったことを考えると、

 

 

英語の流暢さが比較的

身につきやすい幼児期

 

 

BICS(日常会話能力)を高め、

「日常会話能力」がある程度 身に付けやすい。

 

 

それ以降、年齢と共に読解力作文力語彙力論理的思考力いったCALP(認知・学習言語能力)が育ってくると共に、それに合わせて取組みも変えていくこともできる。

 

 

そして発話やライティングにおいて

 

下のような要素を意識すると

総合的に日常会話以上の英語力が身に付くと想像できます。

 

丸ブルー 正確さ(accuracy)

丸ブルー 統語的複雑さ(syntactic complexity)

丸ブルー 語彙的複雑さ(lexical complexity)

 

 

「正しい文法を使えているかな?」

 

「短い文だけでなく、複雑な文構造も作れるようになってきたかな?」

 

「知識として得た言葉を実際に使えているかな?」

 

 

もちろん、小学校低学年のうちは

論理的思考力というのは

必要とされないし、

 

日常会話を維持するだけでも大変

 

 

こういったCALPは、

中学年・高学年になるにつれて

日々の英語時間に取り入れるかどうか

家庭の方針で決めていったらいいのかなと思います。

 

 

日本における多くの学校での

教授言語は日本語。

 

 

6歳以降のバイリンガル育児は

学校生活で心地よく過ごせることも考えつつ

 

 

英語力の維持(必要であれば向上)を考えるので

幼児期のときよりも

親のさらなる工夫が求められる気がします。

 

 

 

 

 初めましての方はこちらもどうぞ♪

花 自己紹介

花 プロフィール

花 娘のバイリンガル育児の記録
 

 

 

 

 

 
 

 

6歳からのバイリンガル育児は

個人の資質や社会的要因が

大きく関わってくるため、

 

かなりの個人差が出てきます。

 

 

なのでここでは大きく2つに分けて考えてみたいと思います。

 

 

1 6歳から始めるバイリンガル育児

2 6歳からのバイリンガル育児

 

 

今日は1について考えてみたいと思います。

 

 

これは、6歳になるまで特に英語に触れてこなかった

 

あるいは触れる程度で発話がまだない

というケースを想定しています。

 

 

そして、日本の小学校に通い

自発的な発話を目標とする場合を考えてみたいと思います(多読や英検を目標をする場合は当てはまらないかもしれません)

 

 

この場合は、バイリンガル育児というよりも

英語教育の要素が強く入って来ると思います。

 

 

低年齢で始めるのと違い、

母語が 既にしっかり定着しているので、

 

 

英語は「第二言語」として

体系的に教え、習得を促す

必要があると考えるからです。

 

 

この場合、インプットの内容は、

下の『年齢別のバイリンガル育児』でに書いてきたものと 大して変わりません。

 

 

ただ、大きく違うことは、

6歳から本格的に始めるのであれば

 

 

家庭だけの取組みだけでは

親の負担がかなり大きくなり得るということあせる

 

 

英語の土台作りに必要な取組み(バイリンガル育児に必要な要素)を日々の忙しいスケジュールの中で考えなければならないというのと、

 

 

子どもの他言語に対する心の壁

取り除いていくことも必要になるからです。

 

 

 年齢別のバイリンガル育児花 0歳
花 1〜2歳
花 3歳
花 3歳:発話がない場合①
花 3歳:発話がない場合②
花 3歳:発話がある場合①
花 3歳:発話がある場合②
花 3歳:発話がある場合③
花 4〜5歳のバイリンガル育児

 

 

こういった点から、英語のプロに任せる

という選択肢をここでは考えてみたいと思います。

(2〜5歳の子でも英語のプロに任せることを考えている方は、参考になればと思います)

 

 

英語のプロ = 英語ネイティヴ とは限りません。

 

 

もちろん、他言語に対して壁のない低年齢の子や、

 

 

英語の発話が既に出ている子どもで、

さらに細やかな表現や、流暢さ、

深い知識を求めるのであれば、

 

 

英語ネイティヴの先生に

教わることはとても効果的ニコニコ

 

 

でも英語を始めたばかりの子にとって重要なのは、

 

 

限られた時間の中で、

いかにインプットを効率的に与えられ、

 

 

いかに子どもの発話を多く引き出し

 

 

さらには英語への壁を失くし、

意味のある時間を提供できるか

・・・ということ。

 

 

そういう意味で、

英語ネイティヴであっても

そうでなくても

 

 

英語という言語を体系立てて、

教えられる技術が

先生として不可欠と考えています

 

 

わたし自身、

子ども英語講師向けのトレーニングを受けてきましたが

 

 

レッスン時間の1分1秒も無駄にせず、

生徒から発話を引き出すトレーニングを受け、

 

 

「英語が話せるだけの先生では、

子どもをバイリンガルにはできない」

 

 

...ことを身にしみて感じました目

 

 

丸ブルー 言語習得の知識に基づいてカリキュラムが練られている

 

丸ブルー レッスン時間の1分1秒も無駄にせず、生徒から発話を促し 英語の定着を図っている

 

 

バイリンガル育児における親の役割、そしてイマージョン教育(インターナショナル・スクールといった、長時間 英語に囲まれた時間を提供する教育)における先生の役割と、

 

 

英語教室での先生の役割が大きく異なるのはこういった点です。

 

 

英語教室あるいは英語レッスンを選ぶときは、

下のような点を見るといいのではないでしょうか音譜

 

丸レッド 言語習得理論に基づいたカリキュラムがある

丸レッド レッスンが英語で行われている

丸レッド 無駄のないレッスンをしている(講師が一方的に話していないなど)

丸レッド 子どもが発話している

丸レッド 子どもが楽しんでいる

 

 

もちろん英語のプロに頼む場合でも

定着を促すために、

家庭でのサポートはとても大切ですニコニコ

 

 

 

2020年から小学校の英語教育も大きく変わりますね。

 

 

この英語教育改革の目指すところが

 

英語が使える人材の育成なのであれば、

 

 

言語習得の仕組みを理解し、

教える技術を持った先生の存在は

学校現場に不可欠だと感じます。

 

 

 

 

 初めましての方はこちらもどうぞ♪

花 自己紹介

花 プロフィール

花 娘のバイリンガル育児の記録