ここ数回に分けて
英語の習得順序について
書いてきましたが、
今日はの否定文について考えてみたいと思います
文法要素
質問文
否定文
質問文も分かり易い順序で習得すると書きましたが、
否定の言葉(negation)も同じように、
幼児期の早い段階から見られるそうです。
子どものイヤイヤを経験されている方は
想像しやすいかと思いますが
この時期は、親も否定語を使うことが多いというのも理由の一つ。
危ないことをしたり、
注意する行動が多くなる時期でもありますよね(過去の記事『語りかけ:Noを少なく』)
早い子は1歳半ごろから始まり
長い場合は4歳ごろまで続くようですが、
イヤイヤ期の突入と同時に、
一気に否定(拒否する、反対する)の言葉を習得するようです。
下が否定の言葉の習得順序です。
- “no”単体か、言葉の頭に”no”を付ける(No go. No cookie. No comb hair.)
- 文が長くなり、主語が含まれ、動詞の前に否定語(Daddy no comb hair.)
- “can’t”や”don’t”など、”no”以外の否定語を使う(I can’t do it. He don’t want it.)*ただし、主語や時制による否定語の変化はまだない
- 主語や時制に合わせて、正しく否定語を変えられる(You didn’t have supper. She doesn’t want it.)*ただし、否定の重複など、まだ習得しづらいものもある(I don’t have no more candies.)
(Lightbown, P.M. & Spada, N. (2000) How Languages are Learned. New York: Oxford Press)
上の習得順序は、英語を母語とした子のもの
ですが、第二言語として英語を学習する場合も、
ほとんど同じようなパターンを辿るようです。
ただ、第一言語の影響を受けて、
一つのステージに長く留まることもあるようです
④は、娘も何度も何度も間違えて
少し前にやっと言えるようになった部分。
I don't have any books now.
というように一致できるようになったのは
5歳になる前あたりでした。
それでも、「否定 + any」という文法は考えていないと思います。
繰り返し 繰り返し 色んな文脈で似た表現を耳にすることで、
「気付き(noticing)」が起こり、自分の中で「ルール化」していくのです