前回の記事では、
英語を習得する場合、
習得順序にはパターンがあり、
多くの場合はこのパターンに沿って習得していくと書きました。
習得順序を大きく3つに分け、
前回は 文法要素について書きましたが、
今日はの質問文について考えてみたいと思います
文法要素
質問文
否定文
質問文の習得順序は、
比較的 パターンを予測しやすいようです
考えられる理由としては、
子どもの発話を促そうと
大人がたくさん質問をするから
インプットとして入りやすい
…ということがあります。
なので下のように
概念的にも理解しやすい疑問詞(よく使う疑問詞)は
習得順序も先です。
- what(よく大人がする質問→"What's this?")
- where(よく大人がする質問→"Where's daddy?)
- who("Who's this?")
反対に、why/ when/ howと言った
概念的に理解しづらい疑問詞は
習得順序も後にくると考えられます
下が質問文の発達順序です。
- 1語、または2、3語の文で語尾を上げる(Cookie? Mommy book?)
- WhatやWhereを使った質問(What’s that? Where’s daddy?)*ただしチャンクとして使っている
- 平叙文で語尾を上げる(You like this? I have some? Why you catch it?)
- Can〜?/ Is〜?/ Why〜?を使って質問文を作る(Can I go? Is that mine?)*ただし語順が変わることは認識していない(Why you don’t have one?)
- 主語と助動詞の倒置し、Doを用いる(Do you like ice cream?)*ただし、Where使って質問できても、倒置はできない(Where I can draw them?)
- 大体の質問文は作れる*ただし、従属節で疑問詞が出てきても、平叙文の語順に直せない (I don’t know why can’t he go out.)
(Lightbown, P.M. & Spada, N. (2000) How Languages are Learned. New York: Oxford Press)
①〜③は、
比較的 スムーズに習得できそうなイメージですが、
難しいのは⑤と⑥あたりでしょうか
娘もここ一年くらいで ようやく語順を間違えずに言えるようになりました。
②の赤字で書かれている「チャンク(chunk)」について少し補足説明を。
チャンクとは、意味のある語句のかたまりのこと。
たとえば、大人が子どもに、"What's this?(これ何?)"と聞くとします。
その時、子どもは意味は理解していても
下のように"what"を単独では認識していません。
what + is + this
その代わりに、上の質問文を
一つの音のかたまりとして捉えています。
/wazðis/(ワッツディス)= 「これ何?」
こうやって、耳から
英語を習得する場合は、
初めは チャンク(意味のある語句のかたまり)
として英語を理解します。
それが、段々と語彙が増え、
認知能力が上がってくることで
"what"の意味を理解し、
語句一つ一つを理解できるようになるのです
そうやって、複雑な文章を作れるようになる。
その過程では、もちろん繰り返しインプットが与えられる必要があります。
そしてそのインプットに気が付き、
間違いをたくさんします。
そうやって、間違いをたくさんしながら
習得に至るのですね
『言語習得の順序③:否定文』につづく