A.B.C.（キャバレー盤）/cali≠gari
1. A.B.C.
2. 誘蛾燈 -2018 Outtake-
3. 夜陰に乗じて
4. 東京ロゼヲモンド倶楽部 -2022 Brand-New-
5. そのまんま、KISS
<ライヴ音源>
「キャバレーカリ≠ガリ」Live at 味園ユニバース, 大阪, 20220730
1. オープニング
2. わずらい
3. 禁色
4. ちぎられたロマンス
5. 僕は子宮
6. 痩せゆく社会
7. 誘蛾燈
8. そのまんま、KISS
9. さよなら、スターダスト
10. 君が咲く山
11. 月光ドライブ
12. ポラロイド遊戯
13. フィラメント
14. 三文情死エキストラ
15. 汚れた夜
16. 紅麗死異愛羅武勇
17. まほらば憂愁
18. マッキーナ
19. 東京ロゼヲモンド倶楽部
20. ゼリー
21. グッド・バイ
22. マグロ
23. エロトピア
2022年にリリースされた、cali≠gariのEP。
アダルト、ボーイズ、キャバレーということで、結果的に、それぞれ会場限定盤、流通盤、データ版となりました。
A盤は、「桃色吐息」のカヴァーを収録した8cmCDが付属する２枚組仕様。
B盤は、いつもであれば良心盤と呼ばれるCDのみで価格を抑えたパッケージ。
遅れて年末にリリースされたC版は、DL販売の"精神ver."と、mp3データを収録したCD-R"物質ver."に分けられており、味園ユニバースでのライブ音源とセットになっています。
なお、サブスクリプションサービスで公開され、後にCDへの逆輸入もされている「忙しい人のためのA.B.C.」は、Busy ver.としてショートアレンジに、"カリ≠ガリのコマーシャル"を追加するという内容。
物販特典として、カラオケヴァージョンが収録されたK盤も存在しており、コアなファンは全部揃えていたりするのでしょうか。
C版を待っていたので、ようやくフルで聴けたといったところなのですが、第一印象は、３つのキーワードのうち、"アダルト"と"キャバレー"の色が強いな、と。
ジャズテイストで仕上げたセルフカヴァーアルバム「４」の路線を、今のcali≠gariで作り上げた新曲も含めてアップデートしたといったところですね。
表題曲の「A.B.C.」は、ジャズセッションのようなアプローチを用いてはいますが、"ボーイズ"の弾けた要素も感じ取れます。
本作なりに勢いをつけていますが、「４」のアウトテイクとなった「誘蛾燈」で、早くもディープな大人の世界に迷い込んだ感が。
じっとりとした質感を纏いつつ、新曲となった「夜陰に乗じて」でドリーミーな雰囲気を上乗せ。
誤解を恐れずに言えば、若い頃だったらスキップしていただろうな、というスローテンポの楽曲なのですが、ドラマ性を際立たせるプログレッシヴかつ夢見がちな展開は、渋みを増した大人が演奏して、枯れ感も出てきた大人が聴くからこそ、深く刺さるのですよ。
「東京ロゼヲモンド倶楽部」は、そりゃここに馴染むよね、という安定感。
キャバレー感がマシマシになって夜が更けたところで、本編ラストの「そのまんま、KISS」へ。
先行シングルを聴いた段階では、本作と毛色が違うかなと思っていたのですが、これはブラフでした。
ちゃんと、アダルト、ボーイズ、キャバレーの顔をしていて、はじめから、この形が見えていたのだろうな、と感心してしまう変貌っぷり。
先行して発表されていたからこそ、驚きが大きいのです。
ライブ音源については、本作の世界観を、単独公演サイズに膨らませたもの。
サックスやピアノを交えて、お洒落に大人びたジャズ調のアレンジで、cali≠gariの楽曲が繰り広げられています。
序盤は良い意味で入眠を促すようなムーディーさが、後半はその中でライブ感が出てくるギャップの面白さが聴きどころとなっていて、レベルの高さを痛感。
DL販売とはいえ、これで2,400円というパッケージ価格は安すぎるのでは。
どの仕様を買おうか迷うのも、また一興。
個人的には、A盤の通販期間が終わる前に、C版の情報を出してほしかったな、とだけ言っておきます。
＜過去のcali≠gariに関するレビュー＞
憧憬、睡蓮と向日葵
12
2
1
春の日
さよなら、スターダスト
11
ジュウイチジャナイ
続、冷たい雨
9-踏-編
「第2実験室」 改訂予告版