そのまんま、KISS/cali≠gari
1. そのまんま、KISS(シングルver.)
2. みんなの発狂 -ハードハミング篇-
3. クソバカゴミゲロ -ハードハミング篇-
ライブ会場とlittleHEARTS.限定で緊急リリースされたcali≠gariのシングル。
"真夏のハートフルシングル"というコピーがついた本作。
即日完売となっていましたが、後に通販でも購入が可能となりました。
EP「A.B.C.」の先行シングルの位置づけにもなりますでしょうか。
ブラインドジャケット仕様となっており、帯の役割を担うダミージャケットに隠れて、ひでみver. / オルガver. / マダム研ver. のランダム3種のメインジャケットが仕込まれています。
表題曲となる「そのまんま、KISS」は、なんだか不思議な質感。
打ち込みのリズムトラックに、アイディアをそのまま詰め込んでみたかのように音を散りばめた、素材を味わう音楽とでも言えば良いのでしょうか。
もっとシングルっぽく加工する余地はいくらでもあっただろうに、あえて調整をせずに出してみたといったところ。
前衛的にも聴こえるし、一方で源流的なノスタルジーも感じてしまう。
どこまで変わっているのかも含めて、EPのヴァージョンとの聴き比べるのが楽しみになる1曲ですね。
カップリングは「みんなの発狂」、「クソバカゴミゲロ」と、彼らのナンセンス性を炸裂させた楽曲群の"ハードハミング"ヴァージョン。
"ハートフルシングル"と煽られていたことが先入観に、"ハートウォーミング"と読み違えさせる狙いがあると思われ、マイルドになるかと想像していると、別ベクトルの狂気性が発揮されているから面白いのです。
ハードなハミング、なるほど、そういうことか。
守りに入らず、今もなお実験作、あるいは問題作と言ってもよさそうな作品を送り込んでくるcali≠gariの貪欲さに感服。
求められる音楽をビジネスライクに作るモードに入っても良さそうな立ち位置にはなってきましたが、口では色々言いながらも、ヴィジュアル系バンドの矜持を失わないのがcali≠gariなのですよ。
ちなみに、ジャケットはオルガさんでした。
<過去のcali≠gariに関するレビュー>
憧憬、睡蓮と向日葵
12
2
1
春の日
さよなら、スターダスト
11
ジュウイチジャナイ
続、冷たい雨
9-踏-編
「第2実験室」 改訂予告版