みんなの発狂 / cali≠gari | 安眠妨害水族館

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みんなの発狂/cali≠gari


1. みんなの発狂
2. みんなの発狂 ~ドキドキ!ワンニャンランド篇~
3. みんなの発狂 ~新宿2丁目新千鳥街地獄篇~
4. みんなの発狂 ~新世界篇~
5. みんなの発狂 ~あなたの発狂篇~
6. みんなの発狂 ~横浜 BAY HALL篇~
7. みんなの発狂 ~青森 Quarter篇~
8. みんなの発狂 ~仙台 MACANA篇~
9. みんなの発狂 ~梅田 AKASO篇~
10. みんなの発狂 ~HEAVEN’S ROCK 宇都宮編~
11. みんなの発狂 ~高崎 club FLEEZ篇~
12. みんなの発狂 ~岡山 IMAGE篇~
13. みんなの発狂 ~福岡 DRUM Be-1篇~
14. みんなの発狂 ~甲府 CONVICTION篇~
15. みんなの発狂 ~静岡 Sunash篇~
16. みんなの発狂 ~名古屋 BOTTOM LINE篇~
17. みんなの発狂 ~金沢 AZ篇~
18. みんなの発狂 ~札幌 mole篇~
19. みんなの発狂 ~札幌 ペニーレーン 24篇~
20. みんなの発狂 ~EXシアター六本木篇~
21. みんなのはっきょう

消費税込み1,000円ポッキリでリリースされたcali≠gariのシングル。
ライブ会場限定の"狂信盤"と、littleHEARTS.各店舗限定で販売された"売名盤"の2種類が発表されています。

「みんなの発狂」というタイトル同様に狂った仕様。
1,000円のシングルにも関わらず、21トラックも収録されているという。
更に、そのすべてが「みんなの発狂」なのだから、本当に頭がおかしくなりそうです。
ジャケットには、桜井青江さんが登場。
こちらもスペシャル感がありますよね。

内容としては、1分半を切るショートナンバー、「みんなの発狂」をベースに、バージョン違いやライブ音源など、約45分間発狂しっぱなし。
"横浜 BAY HALL篇"から"EXシアター六本木篇"までは、ツアー中に演奏された当該曲を切り取って横に並べたもので、ライブCDは数多くあれ、1曲だけを抜き出して各会場の演奏を聴き比べるなんて機会はそうそうない。
短い楽曲だからこそ可能になったわけだが、その点からも、面白い企画であると言えるでしょう。
ファン参加型の楽曲だからこそ、どこかの会場を特別扱いしなかったのも心象面で良かったのでは。

個の楽曲に話を移すと、「みんなの発狂」のオリジナルは、物販購入特典として配布されていた「みんなのはっきょう」に、あらゆる発狂ボイスを付加して完成させたもの。
とにかく激しくカオティックな演奏に、メンバーやファンが入り混じっての奇声が響き渡るというシュールな狂いっぷり。
ドヴォルザークの「新世界より」をモチーフにしたハミングに、不協和音が重なってラストの怒涛の畳みかけに繋がっていく展開もテンションが上がります。
100%勢いで押す楽曲に見せて、気が遠くなるようなバカテクベースが聴けるのもたまりませんな。
なお、デモ音源である「みんなのはっきょう」も本作の最後に収録されているので、聴き比べてみると狂気がどれだけ増したかわかるはず。

"ドキドキ!ワンニャンランド篇"は、犬猫の鳴き声も混ぜて、"新宿2丁目新千鳥街地獄篇"は、二丁目トークを背後に重ねて。
これだけ7分近くあるのは何故だろうと思ったら、曲のアレンジは変わらず、二丁目トークがダラダラ5分以上続いていくというナンセンスさも彼ららしいです。
"新世界篇"は、「新世界より」のハミングパートを長めにとった構成に。
"あなたの発狂篇"は、要するにカラオケバージョンということだろうか。

文字にすると伝わりにくいのだけれど、この楽曲を21トラック連続で聴く破壊力といったら。
なんだか色々なところが麻痺してきます。
メロディらしいメロディはないのに、ここまで聴かされるとキャッチーにさえ思えてきてしまう。
もちろん、そんなはずはないのだけれど。

ミニアルバム「憧憬、睡蓮と向日葵」で、コンセプチュアルに攻めたあとでこれなのだから、相変わらず予測ができないバンドである。
久しぶりにcali≠gariにしか実現できないであろう電波チューンが飛び出したものですよ。

<過去のcali≠gariに関するレビュー>
憧憬、睡蓮と向日葵
12
2
1
春の日
さよなら、スターダスト
11
ジュウイチジャナイ
続、冷たい雨
9-踏-編
「第2実験室」 改訂予告版
ブルーフィルム
君が咲く山
第5実験室