この雨に撃たれて/cali≠gari
DISC1
1. この雨に撃たれて
2. 冷たい雨
3. 続、冷たい雨
4. 続、冷たい雨~冷たい雨
5. この雨に撃たれて((特別教材1週間でマスター! ボーカリスト養成講座: 課題曲教材)
6. 冷たい雨 (特別教材1週間でマスター! ボーカリスト養成講座: 自由曲教材)
7. 続、冷たい雨 (特別教材1週間でマスター! ボーカリスト養成講座: 自由曲教材)
DISC2
1. ママゴトセンター
2. マッキーナ
3. 偶然嵐
4. -踏-
5. ハラショー!めくるめく倒錯
6. 月光ドライブ
7. 飛蝗者読誦
8. 混沌の猿
9. シャ.ナ.ナ
10. スクールゾーン
11. 電気睡蓮
結成25周年、復活10周年というタイミングでリリースされた、cali≠gariのEP。
10年前に発表された「10」のRebuild盤とセットになった"夕立盤"と、DVD等が付属する"秋雨盤"の2タイプでのドロップとなりました。
"雨、三部作"と銘打たれた本作。
「13」の頃から存在していたが、テーマ性や思い入れの関係上、アルバムには収録されてこなかった「この雨に撃たれて」がリードトラックとなります。
タイトなビートロック、ビートパンクに仕上がっていて、「14」で示した死生観と地続きになっているような1曲。
全体的に、暗さ、重さを含んでいるのですが、サビで疾走することによって吹っ切れた感覚を与えるところが上手いですね。
このカタルシスがあることによって、3分半の短い楽曲にドラマ性が生まれている。
歌詞の内容も相まって、濃厚としか言いようがありません。
「冷たい雨」、「続、冷たい雨」については、過去の楽曲のリメイク。
どちらもGt.桜井青さんによるフォーキーなメロディが活きた歌モノの代表曲で、「続、冷たい雨」においては配布CDだったこともあり、ようやく流通音源化したといったところでしょう。
諸々のレベルアップは当然見られるのですが、一番大きいのは、やはり経験値ということになるのかと。
4トラック目に収録された「続、冷たい雨~冷たい雨」が象徴するように、ライブでのアレンジが自然体で音源となった印象。
流れを止めずに次の曲に移行する連作だからこその工夫が、スタジオセッションにて再現されたのは嬉しい限りです。
これだけで、十分に聴きごたえのあるシングルなのですが、"夕立盤"には、更にフルアルバムが付属するという豪華っぷり。
全曲がリミックスされ、一部は新緑もされている「10」のRebuild盤は、10年前に聴いたときに比べて、だいぶ表情が違って見えます。
オリジナルが80年代風になるようにわざとぼかした音像を武器としていたのに対し、こちらは生身。
同期を強化している部分もあるにはありますが、リズムチームの存在感が増して、現代的なロックサウンドに昇華されていました。
特に変化がわかりやすいのは、シングルであった「-踏-」と「スクールゾーン」。
この2曲は、全般的にリテイクされており、ドラムのクレジットは当時のDr.武井誠さんではなく、現サポートの中西祐二さんとなっています。
再録版のほうが耳に馴染む気がするのは、この10年で、cali≠gariが表現したかったことが浸透してきたとも捉えられる。
ラストの「電気睡蓮」についても、ヴォーカルが録り直されて、キーが調整されているのかな。
もともとはオートチューンがかけられていたのだけれど、クリアな歌声でメロディの親しみやすさが増していました。
これぞ、10年越しに名盤であることを発見できる、良質なリミックスアルバム。
なお、発売元は古巣のビクター。
このタイミングでビクターからCDを出すというのが運命的というか、何というか。
⇒ この作品を聴いた人はこんな作品もおススメ!
梅雨盤2 / レインマン
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詳細なレビューは<こちら>
「春雨盤」に「梅雨盤」と、ネーミングセンスからしても本作と関連付けたくなるレインマンの流通シングル。
2013年にリリースされた「梅雨盤2」については、リードトラックがズバリ「冷たい雨」ときており、知名度はともかく親和性を認めざるを得ないでしょう。
フォーキーでレトロ、さらりと歌い上げるヴォーカルスタイルにも近いところがあるのかな。
雨モチーフのセツナポップが好きであれば、癖がなく聴きやすいバンドでした。
垢抜け切れずに解散に至ってしまった感はありますが、再びスポットライトをあてるとしたら今しかありません。
新品でもワンコインですので、見かけたら手に取ってみてほしい1枚。
<過去のcali≠gariに関するレビュー>
憧憬、睡蓮と向日葵
12
2
1
春の日
さよなら、スターダスト
11
ジュウイチジャナイ
続、冷たい雨
9-踏-編
「第2実験室」 改訂予告版