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『今使っている化粧品に○○という成分が入っています。インターネットなどで調べるとあまり良い成分ではないというのを見かけて不安に思っています。このまま使い続けても大丈夫でしょうか?』
これはよくある質問で、
現在使っている化粧品に例えばあまり肌に良くない(と言われている)成分が入っていることに気づいて
今後も使い続けるかどうか悩んでいる…という方がよくいらっしゃいます。
この質問タイプには大きく分けて、
- 本当に肌に刺激のある成分が無視できないレベルで入っているケース
- 敏感肌だと肌への負担が懸念される成分が多めに入っているケース
- 確かに高濃度だと肌に良くないけど無視できる量しか入っていないケース
- 実際には安全な成分だがネット上では評判が悪い成分が入っているケース
そしてこのうち、大抵の質問は2,3,4のケースだったりします。
◎ 1.「肌に刺激のある成分が無視できないレベルで入っているケース」について
実際のところ、
国内のほとんどの化粧品はかなりの安全性基準を守って作られているため
使って直ちに悪影響のある成分が高濃度で加えられている商品というのはほとんどありません。
そんなものがあった場合は使った時に明らかな刺激を感じたり、
少なくとも何らかのお肌の不調として現れるはずです。
そうであればもちろん直ちに使用を控えなければなりません。
なので基本的にこういった質問ではこの1番のケースというのはかなり稀で、
今まで多数似たような質問を頂いてきましたが
「それはヤバいです」とお答えしたことは1回か2回か…
というくらいしかありません。
まぁ僕が「それはやめましょう」とすぐ答える有名な成分と言えば
例えば「ハイドロキノン」とか、角質溶解させる強アルカリ剤(水酸化Naなど)が高濃度の商品とか、
スキンケア製品なのに強力な陰イオン界面活性剤や陽イオン界面活性剤が主成分に入っているとか、
「グリコール酸」「サリチル酸」などのαヒドロキシ酸やβヒドロキシ酸が多く入っている製品とか…、
その辺になるかと思います。
普通に化粧品を選んでいればまず手にすることはない製品になると思いますが(^^;)
謎の海外製品か、怪しい通販商品などにあることが多いです。
◎ 2.「敏感肌だと肌への負担が懸念される成分が多めに入っているケース」について
あとは清涼効果や成分の浸透性を上げるために「エタノール」が多く配合されている製品とか、
防腐剤無添加の処方にするために抗菌性を持つやや刺激的な保湿剤が高濃度で配合されているスキンケア製品とか、
(例えば「ヘキサンジオール」とか「ペンチレングリコール」など」)
洗剤類だと「ラウリル硫酸Na」「ラウレス硫酸Na」「オレフィンスルホン酸Na」などなど、
肌が強ければ無視できるけど、
敏感肌だと肌刺激になる懸念のある製品というものもあります。
主に化粧品の全成分表示を見て1番目~4番目くらいにこれらの成分が記載されている場合は無視できない量入っていることが多いですね。
僕の場合はアトピーなのでこういったものも出来れば避けていくのですが、
そうでもない肌質の方の場合は
こればかりはお肌との相談になるので
『使っていて不調を感じるようであればやめた方が良いでしょう』
という回答をすることが多いです。
ただ質問をしている時点で刺激や不調を感じるというような自覚症状があまりないケースがほとんどで、
そうなってくると少し判断が難しくなります。
基本的には
「不調を感じていなかったのであればそのまま使い続ければ良いのでは」
とお答えするのですが、
ちょっとでも刺激の懸念があるのであれば、
『敏感肌でなくても使い続けるのはどうなのかしら…』
と不安に感じる気持ちは凄く分かります。
そうなってくると、
そもそも化粧品というのは『気持ちよく使える』ことが大前提ですので…(^^;)
少しでも不安を抱えながら使い続けるくらいなら使わない方が良い
と僕は思います。
「敏感肌でなければ問題ないですよ!」
という回答に安心できれば使い続けるのが良し、
この回答に逆に不安を抱くのであれば使うのはやめましょう。
後者の場合は成分的にも使用感的にも絶対の信頼を置ける製品を探すと良いと思います!
◎ 3.「確かに高濃度だと肌に良くないけど無視できる量しか入っていないケース」
これはかなり質問率が多いケースで、
確かに高濃度で入っているなら問題になるけど、無視出来る量しか入っていない場合です。
例えば1番や2番で説明したような成分でも、
成分表示を見て主成分ではなく明らかに少量や微量配合になっている場合は
(一概には言い切れませんが大体2行目以下だと1%以下配合です)
成分単体であれば刺激があったとしてもほぼ無視出来てしまうものが多いです。
エタノールとかαヒドロキシ酸とか強アルカリ剤とか、
単なる原料由来の成分が微量に混ざってしまっただけだったり
使用感やpH調整的に微量配合してあったりするケースだと
これらの成分も無視してOKです。
たとえ敏感肌であっても殆ど影響がない場合が大半です。
またよくあるのは「防腐剤」とか「酸化安定剤」「キレート剤」「pH調整剤」のような製品安定のために入っている成分で、
- パラベン類(メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベンなど)
- フェノキシエタノール
- BHT
- EDTA
などなどの成分がよく知られていますが
これらは製品安定のために微量に入っている成分ですので
実際の刺激などは敏感肌であってもほぼ無視できます。
(アレルギー等があれば考慮する必要があります)
各成分単品で毒性試験を行えば、
化粧品に配合するよりも圧倒的に高濃度で試験をしていたりするので
その場合は刺激や毒性が出ていたりはしますが
濃度が全然違いますし、化粧品に配合できる濃度を安全係数をかけて算出しているので
普通に化粧品として使用する分には刺激などを懸念する必要はないと言い切れます。
こういった成分であれば全く問題ないので安心して使い続けて良いと思います!
◎ 4.「実際には安全な成分だがネット上では評判が悪い成分が入っているケース」について
これも結構多いのですが、
例えば『タルク』とかは、コスメの主成分としてよく配合されている成分なのですが
以前韓国のタルクにアスベストが混入していたという事件があり
それからネット上ではタルク全般が良くないと言われることが多くなりました…。
ただこれはあくまで当時の韓国の事例で、現在では既にそのようなことはなくなっていますし、
韓国産以外の原料を使っているのが基本です。
タルクそのものはとても安全性の高い成分で安心して使えますので
高濃度で入っていた場合であっても全く刺激や毒性などを懸念する必要はありません。
また「ミネラルオイル(鉱物油)」とか「シリコーン」とか「合成界面活性剤」はネット上ではとても評判が悪いです。
「ミネラルオイル」は成分そのものはとても低刺激でかつ安全性も高い成分です。
化粧品のクリームとして配合される場合が多いですが、
ミネラルオイルが入っているからと言って刺激の懸念はありません。
クレンジングオイルなどの主成分になると脱脂力の強いものが多いので、クレンジングだけは気にした方がいいですが、
スキンケア製品では最も安全性の高い成分の一つと言えます。
「シリコーン」も以前ほどの嫌われ方はしなくなっていますが、
(「ジメチコン」「シクロペンタシロキサン」など)
それでもシリコンは嫌だ!という人はまだ多いですね。
メイクアップ製品やトリートメントには汎用されていて、
これもミネラルオイル同様に肌への刺激は基本的にありませんし、
刺激性や毒性という意味ではこれも最も安心出来る素材です。
ただコーティング作用による弊害は色々ありますのでその辺は気にした方が良いですが
肌に付けた時の毒性を懸念する必要はありません。
「合成界面活性剤」も、界面活性剤には色々種類があるので
全ての成分が安全で刺激もないと言い切ることは出来ないのですが…
スキンケア製品の乳化剤として配合されている『非イオン界面活性剤』などは
肌への刺激や毒性がありませんのでこれも無視して良い成分です。
ただこういった非イオン系界面活性剤は
「テトラオレイン酸ソルベス-30」とか「トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル」とか「ステアリン酸グリセリル」みたいに
カタカナがずらずら羅列したような成分名になっているので
それだけで嫌われがちです。
とても安全性は高い成分なのですけどね…;;
これらのように別に成分自体は全く刺激等懸念しなくてもいい物にもかかわらず
ネット上の評判だけが謎に低い成分が結構あります。
こういったものについては安心して使い続けてOKですので、
行き過ぎた情報には惑わされないようにしましょう!
以上、
「○○という成分が入っているのですが使い続けても大丈夫でしょうか?」
の質問4パターンについて解説しました。
上で例示した成分以外にもいくつか同様の扱いの成分がありますので
確かな情報を選んで自分で判断できるようになれると良いと思います!(^_^)ゞ
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