食べるときの視野について語るなら、友人のスジャータ女史はどうだ。

この女はお店でメニューを隅から隅まで熟読し、壁に貼ってある限定メニューも釘を刺すようにひとつひとつ確かめたうえで店員さんを呼ぶ。注文するのかと思いきや、「このランチメニューは今できないんですか?」「あ、それはディナータイムはやってないんです」「じゃあこの定食のこれは単品にできますか?」「はい」「いくらですか?」「〇〇円です」といったやり取りをしたあと、「ちょっと考えます」といって、ここから本当のシンキング・タイムに突入するのです。どうすれば一番原価率が高くて自分が得する組み合わせになるかと…。

永遠の時間が過ぎ、やっと料理が運ばれてきたと思ったら、それをスマホでさまざまな角度から撮影したのち、料理と自分をいっしょに撮ってくれと早く食べたがっている私に頼み、それが終わってからものすごい勢いで食べ始めます。

その食べっぷりがまたすごい。テーブル上のあらゆる調味料を定食のあらゆる皿にかけ合わせ、さまざまな味覚を考えうる限りのパターンで味わい尽くしながら食べるので、超忙しい。般若顔の千手観音みたいになってます。
1000円の料理を1500円分食べる食の錬金術師、それがスジャータ。

食の視野が広い…っていうか、大変そうなのでこんな人間にはなりたくありません。し、私みたいに狭いのもあれなので、人生はバランスが大事だと思う。


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●スジャータ女史まとめ2015↓





















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