吉田修一さんのデビュー作。文學界新人賞。
描かれている登場人物がことごとくチャーミングすぎて、もう反則だろーと思ってしまった。
オカマに養ってもらっているという、社会的にはクズ同然みたいなヒモ男だって、内側から見ればこんなにキュートなのです。
ジャズミュージシャンの菊地成孔さんがラジオで、自らのヒモ時代を振り返り、「ヒモというのは、ご主人さまのために毎日毎日、料理洗濯掃除または性行為などをしてさしあげる仕事である」という内容のことをしゃべっていたけど、この小説を読んでそのレベルの高いサービス業の内実がわかってちょっと尊敬した。
それで女だてらにヒモを養っていたことがある友人のスジャータ女史に、「ヒモはすごい。ヒモは働き者だ」と話したら、「あたしが働いてんだよ!」とマジギレされて怖かったです。
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