過日、友人のスジャータ女史と、東京都現代美術館で開催されていた『山口小夜子 未来を着る人』を観に行ってきました。

清澄白河で人生で初めて下車し、美術館までの道を歩く。佃煮屋さんをのぞいたり、ティーショップをのぞいたり、古本屋さんをのぞいたり。そうこうしているうちに、駅から徒歩5分以上歩けないという体質セレブなスジャータ女史が般若のような不機嫌顔に…。

そんな彼女の表情が、曲がり角でパッと明るく輝きました。ふと見ると、そこには『出世不動尊』なるお寺が。出世して不動の座を築くのか、はたまた微動だにしないまま出世するのか。解釈は人それぞれだと思いますが、そんなもん確認せずとも私たちはご利益を求めてむしゃぶりつき、しゃにむに祈願してきました。

ここらへんでもう何かを達成した気になっていましたが、なんで来たんだっけ?とよくわからなくなりながら、がんばって惰性で美術館まで歩く私たち。そしてスジャータ女史は展示を5分だけ見て、「見た」と言い残し、帰ってゆきました。楽しかったです。


50年後、私たちが来た道を振り返るとき、本来の目的以外のことだけで人生がぜんぶ埋め尽くされているような予感がしてなりません。そのとき、もはや寄り道は人生のメインディッシュです。


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