「最高の人生の見つけ方」 ★★★☆～2大女優だからこそ間が持った映画

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2019』の掲載にあたって」

２大女優だからこそ間が持った映画 ★★★☆

（2019年／日本／115分） 【　監督　】 犬童一心【　原案　】ジャスティン・ザッカム

【　出演　】吉永小百合天海祐希満島ひかり前川清ムロツヨシ賀来賢人ももいろクローバーＺ

【あらすじ】

　家庭のために人生を捧げてきた専業主婦の幸枝と、大手ホテルの社長として仕事に人生を捧げてきた女社長のマ子。がんに侵され余命宣告を受けてしまった二人は、ひょんなことから同じ病院で知り合うことに。

　ある時、幸枝は病院で出会った12歳の少女が落としていった“死ぬまでにやりたいことリスト”を手にし、少女のためにリストを実行しようと決意する。そのアイデアに乗ったマ子は幸枝と行動を共にし、残りの人生を謳歌していく。

　そして、二人は次第に人生の本当に大事なものを見つけ出していく―

【コメント】

　さて、巨大台風が過ぎてもグズグズな天気で肌寒い連休最終日、前々からちょっと気になっていた映画を鑑賞。2007年のアメリカ映画でジャック・ニコルソン＆モーガン・フリーマンという２大スターが共演した同名作品の日本版リメイクである本作、「リメイクはベテラン俳優しか認めん！」というワーナーからの指令があったようで、吉永小百合＆天海祐希というビッグネームで製作された経緯があります。

　当初劇場で観ようか否か悩んだんですが、ハリウッド版がなかなか良かった作品だったし、そんな条件下で、どう日本流にリメイクしたのか気になったこともあって、「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。いや、観客がじいさんばあさんばっかりでしたな。

　うむ、なるほど。ベタと言えばベタな作品、元の映画をうまく料理しているかと言えば微妙な感じはします。これはですね、内容とかリメイク云々というよりも、吉永小百合と天海祐希という２大女優がいたからこそ成り立った作品だと思いますね。正直、ちょっと泣いちゃいましたもん。思わず泣いてしまった要因、これは言わずもがな二人の力演があったからこそだと僕は感じます。

　全体的にみると、やっぱりどうにも邦画特有の浅さ安っぽさが目立っていて、それこそTVドラマでやってろ的な仕上がりではあるんですが、そこらへんをかろうじて吉永小百合と天海祐希が大きくカバーしている作品だなーと。気弱な主婦の吉永と、男に負けるかと勝ち気で威勢のいい女社長の天海、この全く正反対の人間の奇妙な友情展開は、ベタながらもやっぱり観ていて面白い。ほんと、天海祐希はこの手の役柄ピッタリですな。個人的には天海祐希が一番輝いていたように見えました。あと、出番は少なかったけど、満島ひかりも良かったね。

　展開的なところを言えば、後半ダラダラと蛇足な部分が多かった気もするし、そもそも引きこもりの息子必要だったか？とか、糖尿病の女の子生きてたのか？とかいろいろとツッコみたい部分はあるんですが、その脆弱な個所の何もかも吉永＆天海の演技でカバーして成立している作品だと思いましたね。