「カイジ動物世界」★★★～日本が知っているカイジではない

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2019』の掲載にあたって」

日本が知っているカイジではない ★★★

【　脚本・監督　】

ハン・イエン

【　原作　】

福本伸行

賭博破戒録カイジ全13巻完結コミックセット(ヤングマガジンコミックス)

7,488円

Amazon

【　出演　】リー・イーフォン
マイケル・ダグラス
チョウ・ドンユィ
ツァオ・ビンクン
ワン・ゴー

【あらすじ】

　定職に就かず自堕落な日々を過ごしていた青年カイジ。

　カイジはある日、友人に騙されて5300万円もの借金を背負うことになってしまう。そんな彼に、金貸しのアンダーソンが近づき、借金一括返済のチャンスを与える。それは、豪華客船・デスティニーで開催される、カード12枚を使った“限定ジャンケン”というゲームで勝つことだった。

　同じ負債者のそれぞれの思惑が交錯し、究極の頭脳戦が繰り広げられる―

【コメント】

　さて、今回TSUTAYAで手に取ったのは、「未体験ゾーンの映画たち2019」で公開された作品の一本で、なんとあの福本伸行原作の大人気漫画「カイジ」の中国版。

　本作は、福本先生本人も製作に関わっているとのことで、公開された時には非常に気になっていた作品で、早くレンタル開始しねーかなーと心待ちにしていたものです。

　今般めでたくDVD化ということで、すぐさま手に取り鑑賞した次第です。

　うーむ、そうきたか。まあ悪くはないし、海外向けのアレンジと考えれば致し方ない部分もあるんでしょうが、少なくとも我々日本人が知っているカイジではないのは確か。ほぼ別物と言ってもいいでしょう。

　ストーリーとしては、原作にある豪華客船エスポワール号で繰り広げられる“限定ジャンケン”がほぼ忠実に描かれています。しょっぱな、アイコで終わらせる話を持ち掛けられ裏切られる展開や、3人でチームを組んでグーを買い占める展開、カードのシャッフルや小部屋からの脱出の展開まで、ほぼ原作と同じ。下手なアレンジを加えて破綻するよりもこちらのほうが原作好きとしては安心して観られる。

　しかしながら、やっぱりカイジがね～。カイジというキャラクター設定をかなり弄っていて、どうもダメっぽさクズさが感じられないんですよね。自堕落な人間がギャンブルで窮地に追いやられて覚醒していく様が面白さのひとつなのに、最初から頭が切れそうな設定で、しかもベビーフェイスのイケメン。冒頭に登場するピエロのヒーローもどうにも違和感があって、なんか僕の知ってるカイジのキャラとはだいぶ異なるイメージ。加えて、ポジション的に利根川であろうマイケル・ダグラスも、簡単に銃で殺しちゃったりとかなり乱暴。まあ、個人的にはマイケル・ダグラスがカイジに参加しているのは凄いと思いますがね。