昨日、こんな記事をあげたので
この記事
を再アップしたくなりました。
を再アップしたくなりました。加害者のケアについて。
人は、そのときの自分の行動を自由に選べると思われていますが
実は、そんな自由はないんだと感じています。
切羽詰まってなにかの行動に至ってしまうとき
そこには自由に何かを決めたり選択するような余地はありません。
思わず子どもを怒ってしまったり、
誰かに家族を侮辱されてカッとなったり。
そんなときに自由な意思で行動を決めた！
とは言えませんよね。
すごく悲しくて怒ってしまったり、
めちゃくちゃ腹が立って暴言に至ってしまったり。
そこには、その人にとっての
「そうせざるを得なかった事情」が存在しているんです。
間違ってはいけないのは、
「そうせざるを得なかった事情」があったからといって、
暴力や暴言や犯罪が許されるわけではない、ということです。
なにを言いたいかというと
許されない行為に至ってしまった人も
「そうせざるを得なかった事情」を言葉にする余地が
あるということ。
犯罪レベルの話だけではなく、
子どものケンカ、親子間の衝突でも同じですよね。
許されない行為に至ってしまった人に
謝罪を求めるとき
私たちが求めているのは「謝罪」という形式・儀式ではなく
その人の中に謝罪の気持ちが現れること
だと思います。
たしかに私は「謝ります」と言う。しかし、実際には、私が謝るのではない。私のなかに、私の心のなかに、謝る気持ちが現れることこそが本質的なのである。
國分功一郎『中動態の世界 意志と責任の考古学』
自分の「そうせざるを得なかった事情」を
言葉にする余地をもらえることで、
はじめて自分の行為と向き合うことができます。
どうしようもなかった
自分だって苦しかった
大切なものを守るにはほかに方法がなかった
そんな話をすることができて
誰かが受けとめてくれたら、
そこではじめて
それでも自分の行為は良くなかった
というところにたどり着けるんだと思います。
つまり、そこではじめて謝る気持ちが現れるということ。
罪を犯した人、
誰かを傷つけた人が
そこに至った事情を言葉にすることは
「言い訳するな」と断罪されて
たいていちゃんと聴いてもらえません。
だけど、この「そうせざるを得なかった事情」を
言葉にすることで
謝罪という次のステップに行ける。
形だけの謝罪でなく本質的な謝罪のためには
このステップを踏むことはとても大切だと思っています。
自分の事情をちゃんと聴いてもらうことができてはじめて
自分と向き合うことができるのです。
必要以上に子どもを怒ってしまう
いつも夫婦喧嘩になってしまう
頭では悪いとわかるのにどうしても謝罪する気になれない
そんなときは心の中で
聴いてもらえていない事情が
悲鳴をあげているのかもしれません。
自分の事情を聴いてもらう機会がない方は、
ぜひカウンセリングをご利用ください。
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