【技術士対策75】消防水利 | 技術士を目指す人の会

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2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

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水道対策 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

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下水道 - 国土交通省 (mlit.go.jp)

この他、ヤフーニュース等から、技術士に関連しそうなものをピックアップしていきます。

 

今回は、消防水利についてです。

 

●消防水利の基準改正

厚生労働省は、「消防水利の基準の一部改正について」を通知しました。

内容は、以下のとおりです。

001182902.pdf (mhlw.go.jp)

001183686.pdf (mhlw.go.jp)

今回は、消防水利について説明した上で、この通知の内容を解説したいと思います。

 

 

●消防水利とはどんなものか

消防水利は、消防署が消火活動のする際に利用する水源です。

消防庁が策定した「消防水利の基準」には、以下の9種類の消防水利が示されています。

1 消火栓
2 私設消火栓
3 防火水槽
4 プール
5 河川、溝等
6 濠、池等
7 海、湖
8 井戸
9 下水道


また、量的な基準も定められています。

以下の通りです。

①常時40㎥以上貯水されていること

②毎分1㎥以上、連続40分以上取水できること(合計で40㎥)


①は、防火水槽等の容量を決定する際のものです。

②は、消火栓とこれを設置する水道管に関するものです。

 

消火栓と水道管に関する基準は、以下の通りです。

消火栓は、口径65mm。

消火栓を設置する水道管は、口径150mm以上。

 

ただし、水道管の口径を必ず150mm以上にする義務を課したものではありません。

管網を形成しているのであれば、口径150mm以上確保しなくても、毎分1㎥以上を引き抜くことができるからです。

「消防水利の基準」には、管網の条件として一辺180m以下、減径の下限として口径75mmという基準を設けています。

 

ちなみに、水道法には、以下のような規定があります。

第二十四条 水道事業者は、当該水道に公共の消防のための消火栓を設置しなければならない。

 

つまり、水道事業体は、「水道法」により、配水管に消火栓を設置することを義務化され、「消防水利の基準」により、配水管の口径は基本的にφ150以上を採用し、管網を形成している場合はφ75やφ100を採用しているわけです。

 

もちろんですが、防火水槽、河川等の消防水利が確保されている場合、φ50の配水管を使用することができます。

 

 

●通知の内容

厚生労働省が通知した「消防水利の基準の一部改正について」は、「消防水利の基準」が改正されたことを示すものです。

「消防水利の基準」の改正は、第3条第3項が追加されたものです。

改正前の基準は、管網の一辺が180mであれば、口径75mmまで減径できるという内容に留まっていました。

改正により、水道管の減径を行う際は解析・実測を行い、毎分1㎥以上確保できることを確認する必要があるという内容が、追加されました。
要するに、事前に管網解析を行った上で減径することを義務化したわけです。

 

改正後の「消防水利の基準」の第3条は、以下の通りです。

 

第三条 消防水利は、常時貯水量が四十立方メートル以上又は取水可能水量が毎分一立方メートル以上で、かつ、連続四十分以上の給水能力を有するものでなければならない。

2 消火栓は、呼称六十五の口径を有するもので、直径百五十ミリメートル以上の管に取り付けられていなければならない。ただし、管網の一辺が百八十メートル以下となるように配管されている場合は、管網の管の直径を七十五ミリメートル以上とすることができる。

3 前項の規定にかかわらず、解析及び実測により、取水可能水量が毎分一立方メートル以上であると認められるときは、管の直径を七十五ミリメートル以上とすることができる。この場合おいて、消火栓の位置その他の消防水利の状況を勘案し、地域の実情に応じた消火活動に必要な水量の供給に支障のないように留意しなければならない。


 

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