冷えの原因を東洋医学でみると | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます ニコニコ


「西洋医学でも「冷えは万病のもと」?」 から始めた「冷え」についてのシリーズ、昨日は、西洋医学的な観点から、「冷えの原因を解剖生理学でみると」 をお届けしました。今日は、東洋医学的にみていくことにしましょう。


からだに冷えをもたらすものには、大きく分けてふたつあります。ひとつは外から入ってくるもの、もうひとつはからだの中で生じるもの。


外から来るものは、六淫寒邪 で、これを外感寒邪、略して外寒(がいかん)と言います。 気の温煦作用 (からだを温める作用)が弱いために、からだの中で生じるのは、内生寒邪 、略して内寒(ないかん)です。


そう、外寒だろうと内寒だろうと、冷えを起こすのは寒邪ですから、病証 はまとめてしまえば寒証となります。いたってシンプルな考え方で、わかりやすいでしょ? 


でも、寒邪がどこで何をするかによって出てくる症状は違うし、長く冷えを抱えることによって症状は変わるし、もともとの体質や環境、気候、食事などの影響も受けるし…。冷えの出かたも異なります。


1 外寒の原因


① 冬の厳しい寒さや急な冷え込みに当たる

② 水や汗にぬれたからだで風に当たる

③ 雪や雨に打たれる

③ エアコンの冷気に当たる

などで、体表をまもる衛気 の流れが阻害されると、からだに冷えを生じます。


衛気は陽気なので、からだを温める働きを持っていて、その流れがどこで阻害されるかによって、冷える場所が異なってきます。場合によっては、臓腑に直接入ってあれこれと悪さをすることもあります。


体表面だけですんでいれば、さむけを感じる程度ですが、これを放置すれば、あるいは寒邪の勢いが強ければ、筋や骨に痛みを生じさせたり、関節の動きを悪くしたり、経絡 に入り込んで血・津液 の流れを阻害したりするようになります。


冬に流行るカゼやインフルエンザは、風邪 が寒邪を連れてきたもの。そのあたりのことは、「外邪はコンビでやってくる」シリーズの風寒邪 をご覧くださいね。また、寒湿邪 のほうもご参考にどうぞ。


2 内寒の原因


① 陽虚 体質

② 気虚 体質で、疲れをためたり、無理をしたり、ストレスを受けたりした

③ 生ものや冷たいもの、寒涼性の飲食物の摂り過ぎ

④ 薬が寒涼性に偏っている

などで、陽気を損なうと内寒を生じます。また、お血気滞痰飲 があって、気の流れが阻害されると、気の温煦作用がとどかない部位に冷えを感じるようになります。


内寒が起こりやすいのは、脾陽虚腎陽虚 。脾陽虚の場合は、おもにおなかの冷えを起こします。腎陽虚では、最初は下腹部や足腰が冷えますが、「腎は五臓の本」であり、腎陽は体内すべての陽気の根源ですから、やがてからだ全体が冷えて、いわば低体温の状態に陥ります。


七情内傷 もまた、出かたによっては、陽虚につながることもあります。お血や気滞、痰飲の原因までみていけば、いろんなことが間接的な冷えの原因になると考えられます。そこまでやると、ちょっとややこしいことになっちゃうので、ここでの考察はやめておきますが、要するに未病のうちに手当てすればいいんです。


日常的には、気虚・陽虚体質の人はとくに、生もの・冷たいもの・寒涼性のものを摂り過ぎないように、ストレスをためないように、気をつけましょうね。


一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


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