こんにちは。
かわのみどりです。
9月後半に入っても、
まだまた暑い日が続きますね。
さて、
「楽しみにしてるから、本の紹介、またしてね!」と
言ってくださった方がいるので、
(ありがとう♡)
今日は最近読んだ本の中でも、
ずしりと読みごたえがあって
余韻が残っている本を三冊、まとめてご紹介しますね。
一冊目は、
美しく独特の文体や、
深く鋭い視点にいつもハッとさせられる
川上未映子さんの「黄色い家」
主人公の花は、ある日、ネット記事で、
若い女性を監禁した被告として、
ずっと忘れていた黄美子さんの名前を見つける。
そこから、花は、
母親から逃れるように黄美子と暮らした
10代の日々のことを思い出す。
黄美子と花は水商売をはじめ、同世代の少女
2人も加えた共同生活をしていた。
4人は貧困の連鎖から抜け出そうと懸命に働くが、
徐々に犯罪に巻き込まれていき…というお話。
もう一冊は、タイトルに惹かれ、
手に取った中島京子さんの「やさしい猫」
主人公であり語り手は、少女マヤ。
シングルマザーだったマヤの母ミユキは、
災害ボランティアで訪れた東北で、
スリランカ出身のクマさんと出会い、
やさしいクマさんの存在は、
ミユキとマヤにとって、
かけがえのないものになっていき
やがて3人は家族になる。
しかし、ある日、クマさんは、
入管施設に収容され、
母国への強制送還を命じられてしまい…そんなお話。
三冊目は、
ずっと気になりつつ
読むのを後回しにしていたのだけど、
やっぱり読んでみようと手にとった、
荻原浩さんの「明日の記憶」
ストーリーは、
若年性認知症になった
50歳になる働き盛りの佐伯は、
物忘れが気になり、病院に行ったところ、
若年性アルツハイマーと診断される
というところからはじまります。
徐々に失われていく記憶の中で、
起きるいろんな出来事や、
周りの人との関わり、
内面の葛藤や不安が、
主人公の目と感覚を通して、
リアルに、でもあたたかく 描かれていきます。
3冊の共通点は、
それぞれ重いテーマで、
読みながら辛くなったり、
無力感を感じたりもするんだけど、
それでも、やっぱり、読めてよかった…。
この人たちに会えてよかった。
この話を書いてくださってありがとう!
そんな感覚にすごくなったこと。
このことが、もしニュースや記事になっていたなら、
「家出少女が、騙されて犯罪をした」
「ビザが切れてた外国人が、収監された」
「認知症になったら、大変だ」
なんて表現されるかもしれないけれど、
1つ1つの出来事の奥には、
そんなことばでは、
とてもくくり切れない
その人だけの大切な日々や歴史があり、
その人にしか分からない
思いや事情があったり…
国や社会や時代、
人にはどうしようもできない
大きな流れも関わっていたりで、
誰がいいとか悪いとか
こうすべきとかしたらだめとか、
簡単に言えないんだよなぁ…
そんなことをしみじみ思いました。
その流れでいうと、
こちらの映画も、すごく考えさせられたな。
辛い苦しい状況の中でも、
光を探しながら進む人の姿
不器用でも、上手くいかなくても、
もがきながら生きる人の姿
そして、そういう人の近くで、
胸を痛め、祈り、
葛藤している人の姿に、心打たれます。
どれも、きっと、わたしであり、あなたでもあるから。
秋の夜長、
もし興味を感じたものがあれば、
読んで(観て)みてくださいね。
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