科学の系譜〜ミオくんと科探隊セレクション | ひろじの物理ブログ ミオくんとなんでも科学探究隊

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 科探隊セレクション、今回は「科学の系譜」です。

 自然科学史を科探隊が探るお話をまとめました。冒頭のイラストは、プトレマイオス(アメリカではトレミーという名の方が有名)の天動説宇宙モデル。惑星の複雑な運動をなんとか説明するために数学的に作られたモデルなので、周転円(周天球)という、惑星を載せて回転しつつ地球のまわりを回る謎のものを仮定しています。

 

 「科学革命」は、まず、天動説を地動説が打ち破ることから始まりました。この歴史を書いたのが「地動説の系譜」です。

 ガリレオの宗教裁判で法律上は地動説は間違ったものと認定されましたが、この宗教裁判後、じわじわと地動説の正しさが知識人の間に広まっていくことになります。

 なお、ケプラーの惑星モデルが地動説の最終形態なのですが、意外なことに、ガリレオの宗教裁判はケプラーが惑星モデルを完成させた10年以上後に行われています。また、ガリレオはケプラーとは古くから親交があったにもかかわらず、自分の著書でケプラーの惑星モデルについては触れていません。

 天動説と地動説の戦いは、宗教的世界観と科学的世界観の戦いでもありました。

 

 一方、宗教裁判後のガリレオの「新科学対話」以降の「科学革命」は、魔法的世界観と科学的世界観の戦いです。その初期の内容をまとめたのが「物理学の系譜」です。

 今後、他の記事も追加する予定です。

 

地動説の系譜その1 コペルニクス

 1543年に出版されたコペルニクスの『天体の回転について』こそ、キリスト教的世界観を打ち砕く「コペルニクス的転回」でした。しかし、コペルニクスは牧師。教会の反対に合うことをおそれ、死ぬ間際まで本を出版していません。コペルニクスの地動説の謎について、科探隊が調査します。

 

地動説の系譜その2 プトレマイオス

 古代ギリシャのアリストテレスの宇宙像からプトレマイオスに至る、天動説の進化の歴史について、科探隊が調査します。プトレマイオスのモデルは宗教的なものではなく、実用的なものでした。地動説が古代ギリシャ時代にすでに提唱されていたことにも触れています。

 

地動説の系譜その3 ガリレオ1

 ガリレオの『星界の報告』の謎を科探隊が調査します。ガリレオとケプラーの関係にも触れました。『星界の報告』でガリレオが「月は鏡のような表面ではない」という議論について、詳しく書いています。

 

地動説の系譜4 ガリレオ2

 宗教裁判後のガリレオを科探隊が訪ねます。『天文対話』で最後の最後に大失敗した「海の潮汐の謎」についても書きました。「地動説の系譜」と「物理学の系譜」をつなぐ内容です。

 

物理学の系譜〜その1ガリレオの相対性原理

 ガリレオの「相対性原理」こそ、物理学の重要な出発点。科探隊がガリレオの相対性原理に挑みます。

 相対性と慣性については、ガリレオは初期の研究で気がついていて、『天文対話』にも天動説の主張に対抗する手段として、その成果を十二分に用いています。宗教裁判後の軟禁生活でしたためた『新科学対話』こそ、「科学革命」の第一歩といえます。ガリレオは宗教裁判で地動説を二度と唱えないと誓わされましたが、その代償として『新科学対話』を生み出しました。宗教裁判の敗北がなければ、ひょっとすると『新科学対話』は生まれず、世界の科学の進歩はもっと遅れていたかもしれません。

 

物理学の系譜〜その2ケプラーと惑星の法則

 本来は「地動説の系譜」に入れるべきないようなのでしょうが、ケプラーは観測データと理論をどう結びつけるかということを実現した最初の人。物理学の実験と理論の関係をもっとも厳しい形で示した人ですから、「物理学の系譜」の方に入れました。科探隊が、ケプラーの厳しい研究姿勢の謎に迫ります。

 

物理学の系譜〜その3ニュートン1

 最初の「科学革命」はガリレオに始まり、ニュートンで結実しました。そのニュートンの『プリンキピア』の謎について、2回にわたって、科探隊が挑みます。1回目は運動の3法則や、フック、ハレーとの関係が中心です。微積分を使って研究しながら、なぜ『プリンキピア』では幾何学を用いて説明しているのか、その謎も。

 

物理学の系譜〜その4ニュートン2

 『プリンキピア』の謎の第2回め。万有引力をどうやってニュートンが発見したのか、その謎に科探隊が迫ります。万有引力の法則とケプラーの法則との関係も。

 なお、万有引力については、以下の記事にも詳しく書かれていますので、興味のある方はそちらもご覧ください。

 

なぜ逆2乗法則なのか〜『マンガで冒険』第3話「がらんどう星」の裏話1

なぜ「万有引力」なのか?〜『マンガで冒険』第3話裏話2

 

物理学の系譜〜その5トムソン

 ウィリアム・トムソンよりケルヴィン卿という名の方が知られています。マクスウェルの兄貴分といった天才科学者。エネルギー保存則の発見者といえば、科学史ではマイヤー、ジュール、ヘルムホルツの3人の名が上がりますが、エネルギーという名称と概念を広めたのはトムソン。また、一介の科学マニアにすぎなかったジュールの発表の重要さに気づき、皆に広めたのもトムソンです。案外知られていないトムソンの業績について、科探隊が調査します。

 

失われた科学〜科学の断絶

 中世の長いキリスト教支配の歴史の中で、科学は衰退しました。古代のほうが科学的な知識や思考が豊かだったことを書きました。

 

単位の起源〜シカ部な人おおいに語る
 自然科学の世界でもっとも重要ともいえる単位の歴史について、書きました。

 

 

時は時計なり〜シカ部おおいに語る

 自然科学の計測にとって重要な時間の計測についての歴史をひもとくと、人類の時間に対する感覚が昔と今でずいぶん変化していることがわかります。

 

 

コロンブスの卵〜シカ部おおいに語る

 科学の系譜を語る上で、歴史上有名なのがコロンブスによるアメリカ大陸の発見。古代に生まれ、紆余曲折した地球球体説の歴史について書きました。

 

 

※「失われた科学」〜「コロンブスの卵」の記事を追加しました。(2024.3.10)

 

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