今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。
2018年ももうすぐ終わりということで、今年聴いたコンサートのうち、とりわけ印象に残ったものを挙げたいと思う。
なお、アマチュア音楽家によるコンサートや、ミュージカル・演劇・展覧会などは、今回の選定からは除外する。
オペラ、バレー、コンクール、マスタークラスは含むこととする。
あと、聴けなかったプログラムがあったり、印象に残った曲とそれほどではない曲があったりした場合、演奏曲目の一部しか記載していないこともある。
なお、昨年(2017年)の印象深いコンサートについてはこちら。
まず、行ったコンサートの数。
1月 6回
2月 10回
3月 9回
4月 7回
5月 10回
6月 7回
7月 6回
8月 4回
9月 4回
10月 6回
11月 6回
12月 1回
計 76回
昨年に比べると、大幅に減らすことができた。
それでも、一般的にはかなり多いほうだと思うけれど。
来年は、さらにもっと減らせたらと(一応は)考えている。
次に、印象に残るコンサート20選(順序は時系列)。
●1月21日 チョ・ソンジン(Pf) ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8、30番、ドビュッシー:映像第1集、ショパン:ピアノ・ソナタ第3番
●2月10日 パーヴォ・ヤルヴィ指揮 NHK交響楽団 マーラー:交響曲第7番「夜の歌」
●2月12日 鯛中卓也(Pf) シューマン:ユーゲントアルバムより抜粋、ドビュッシー:2つのアラベスク、ショパン:前奏曲op.45、3つのマズルカop.59、バラード第3番、ノクターン第16番
●2月17日 ニコライ・ルガンスキー(Pf) シューマン:子供の情景、ショパン:舟歌、バラード第4番、ラフマニノフ:前奏曲集より抜粋
●2月18日 デヴィッド・ロバート・コールマン指揮 東京交響楽団 細川俊夫:「松風」 ※日本初演
●3月4日 沼尻竜典 指揮 京都市交響楽団 ヴァーグナー:「ヴァルキューレ」
●3月24日 古海行子(Pf) 大友直人 指揮 瀬戸フィルハーモニー交響楽団 リスト:ピアノ協奏曲第1番
●4月14日 シルヴァン・カンブルラン指揮 読売日本交響楽団 モーツァルト:クラリネット協奏曲、ドビュッシー:第1狂詩曲(ポール・メイエ(Cl))、ストラヴィンスキー:春の祭典
●4月20日 シルヴァン・カンブルラン指揮 読売日本交響楽団 アイヴズ:ニューイングランドの3つの場所、マーラー:交響曲第9番
●7月21日 石井楓子(Pf) ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第22、29番、チェロ・ソナタ第4番(佐藤晴真(Vc))、シューマン:暁の歌
●8月26日 石井楓子(Pf) ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ(北川千紗(Vn))、シューマン:幻想曲op.131(小川恭子(Vn))、ダヴィッド同盟舞曲集より第2巻
●9月12日 田中玲奈(Fl) 秋山滋(Rec) 秋山麻子(Cemb) 大阪フィルメンバー J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲第6番、テレマン:リコーダーとフルート、弦楽と通奏低音の協奏曲TWV52:e1
●9月21日 西本智実 指揮 ロシア国立交響楽団 チャイコフスキー:「エフゲニー・オネーギン」よりポロネーズ、ヴァイオリン協奏曲(川畠成道(Vn))、交響曲第6番「悲愴」
●10月6日 沼尻竜典 指揮 日本センチュリー交響楽団 モーツァルト:「魔笛」
●11月11日 ニコライ・ルガンスキー(Pf) ニコライ・アレクセーエフ指揮 サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
●12月6日 山本貴志、佐藤卓史(Pf) モーツァルト&プーランク:2台のピアノのためのソナタ、シューベルト:幻想曲ヘ短調D940、サン=サーンス:死の舞踏
なるべく奏者が重複しないように選んだつもりだが、どうしても外せなくて重複してしまっている場合もある。
ピアノが多いのは、最近日本人に超一流のピアニストが多く、海外アーティストの来日を待たずとも近場で手軽に超一流の演奏が聴けるためだろう(他楽器の場合、あるいは指揮者や歌手の場合は必ずしもそうでない、と私は考えている)。
さて、上記の20選から、さらに無理やり5選まで選ぶとすると、下記のようになる(順序は時系列)。
●4月20日 シルヴァン・カンブルラン指揮 読売日本交響楽団 アイヴズ:ニューイングランドの3つの場所、マーラー:交響曲第9番
●8月26日 石井楓子(Pf) ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ(北川千紗(Vn))、シューマン:幻想曲op.131(小川恭子(Vn))、ダヴィッド同盟舞曲集より第2巻
●9月21日 西本智実 指揮 ロシア国立交響楽団 チャイコフスキー:「エフゲニー・オネーギン」よりポロネーズ、ヴァイオリン協奏曲(川畠成道(Vn))、交響曲第6番「悲愴」
この5公演は、いずれも私の中での「その曲の理想的な表現」とでも言うべき名演が含まれていた公演である。
これ以上に絞るのは大変難しいけれど、それでもあえて今年のMVPを選ぶとすると、
●4月20日 シルヴァン・カンブルラン指揮 読売日本交響楽団 アイヴズ:ニューイングランドの3つの場所、マーラー:交響曲第9番
ということになる。
この公演は、マーラーの交響曲第5番に始まり、ベルリオーズやストラヴィンスキー、メシアン等にわたる私のカンブルラン巡りの、一つの頂点とも言える聴体験であった。
ワルターのような「激動」とも、アバドのような「軽み」とも違う、ブーレーズ風のクリアで理知的な、それでいてもっと柔らかで優しく、かつ曲を外側からでなく内側から捉えたような、カンブルランの解釈。
それは、もう二度とは体験できないような、瞬間の結晶のように感じられた。
この公演のライヴ録音のCD化を心から願っているけれど、それがもし叶ったとしても、このときの感動を再体験するのはどだい無理なことかもしれない。
皆様、本年もこのような独りよがりのマニアックなブログにお付き合い下さり、誠にありがとうございました。
もしよろしければ、来年もどうぞよろしくお願いいたします。
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