ボイストレーニングレッスンを効果的に受けるコツや音楽活動を続けるためのヒント、声にまつわるコラムを書いています。自分自身の声をどんどん解放して、毎日移り変わる自分の心と体をリセットしていけたら素敵ですね。
こんにちは、ボイストレーナーのみきです。最近、新しい生徒さんが増えたので、基礎からボイトレを教える機会が増えています。まず、取り組んでもらうのは、姿勢のこと。月並みではありますが、身体の土台が整ってからでないと、迫力のある声は出ないようです。①立ったときに、くるぶし〜膝〜腰〜肩〜耳の点を結ぶと一直線になる、その姿勢が基本です。これができてるようで、できていないケースが多い。私もまだまだキープするには精進しなければ、という状態ですが、とにかくこの姿勢を目指してもらいます。そのヒントとなるのが、1.足の裏、土踏まずはどうなっているか2.ひざはどうなっているか3.骨盤の傾斜はどうか4.肩の状態はどうか5.首は前に出てないかこの中で、とくに大事だと考えているのが、骨盤の向きです。骨盤の向きを整えると、連動して他の部位の状態が良くなるように思ってます。続きはまた明日!
今日のTipsは裏声を出すこと。最近、ブログを休んでいたのですが、その間に自分の声もイマイチうまくいかないことかま多くなってきてました。このブログを書きながら自分の中でも勇気づけられたり、頭の中を整理出来ていたのかな、と思います。さっきまで練習してましたが、うまくいかない。地声に声が偏りすぎてるのかと、以前録音させてもらったある先生の裏声デモンストレーションを聴くと、一発で改善されました。やはり裏声は大事だと、痛感しました。さて、デモンストレーションですが、純度の高い裏声、純度の高い地声の分離が出来ている人の声を聞くべきです。よくネットでボイトレ動画が上がっていますが、大抵のデモンストレーションは地声と裏声が混交状態のものがほとんどです。気をつけて選んでください。ですが、動画ではどうしても音質が落ちます。やはり生でライブを聞いたりレッスンを受けるのは大事です。とりあえず、パラドクスのようですが、純度の裏声を出すには、純粋な地声が出せるようにやってみてくださいね。
最近雨が多いからか、景色がクリアに綺麗に見える気がします。今日はコラム的な投稿です。人間の性格や能力は、半分くらいが遺伝によるものだそうです。わたしはよく、自分の能力が足りないからだ、とか、自分の性格が至らないからだ、と思うことがあります。だからもっと努力しなくちゃ、と思うのですが、それがもしかしたら遺伝が原因だとしたら。それは仕方ないよね、と前向きな意味で諦めることができるし、必要以上に自分を責めることも少なくなりそうです。全て遺伝のせいにしてはいけないと思いますが、自分はどこまでが限界なのか。それを知った上で、効率的に仕事を進めていくことが自分のためでも世の為でもあるようです。「配られたカードで勝負するっきゃないのさ、それがどうゆう意味であれ。」は、スヌーピーに出てくる名言ですが、自分に配られたカードがショボくても、他の人のカードが羨ましく感じても、しょうがない。それにたとえショボくても、生きている限り、手元に何かのカードがあるわけです。そのカードの力の限界かまどこまでなのか、は動いてみなければわからない。どこまでが限界かを知って、有効に使おう。そんな、勇気をもらえる言葉のような気がします。自分が出来ることなんてそんなに多くはない。それを理解していることって、結構大事。
今日はなんとなく雑記のようなことを。なんでボイストレーナーをやってるんだろう、と思うことが実は結構あります。ずっと、生徒さんの発声に力をいれていますが、そうすると必然的に歌唱指導をする時間がなくなる。曲がしあがらなければ達成感も低く、発表会でピッチやリズムが整っている歌を歌うところまでいけず結果を残させてあげることができない。でも、表面上整った歌は、感動を伝える歌ではない。わたしのもとにきたからには、絶対にその人の感情とダイレクトに繋がっている声を手に入れてもらう、本当の感情をこもった歌を歌う人になってもらう。その信念を曲げることはできない。ただ、感謝される感じはあまりない。報われないなあ。わたしの熱量がたりないのだろうか。。。そんな風に思っていた今日この頃ですが、今日のレッスンの一コマ。5年ほどレッスンに通ってくれている50代後半の女性の生徒さんが、レッスンがたのしみで、楽しみすぎて、先週間違えてきてしまったと言われてびっくり。(レッスンは二週間に一度。)この方のレッスンを始めた頃は本当に手探り状態で、満足してもらえているか、不安でした。だから、そんなに楽しみにしてくださってるとは思いもよらなかった。それだけでも自分の存在意義を確認することができました。少しは役に立てているかなあ。と。そういう手応えを感じることができるのも生徒さんのおかげだなあ、そしてご縁だなあ。と感じています。そして、今日のレッスンでは、今までに聞いたことがないくらい、感情のこもったを歌をうたわれました。「感情をこめて歌って」という言葉を投げかけるだけでは、生徒さんは具体的にどんな風に歌ったらいいのかわからないですよね。それに感情を込めようにも、声の出し方をマスターしていなければ、こういう風に歌いたいと思っても、できない。声という土台ができて、初めて表現ができると考えていますが、そこまでの道のりは時間のかかるものです。習い事なんて、1年くらいやったらやめて、また新しいことをしようと思う人も多いでしょうし、なかなかたどり着ける道ではないように思います。そんな中、こういう風に歌って、と少し助言するだけで、すぐできる。声が整っていると、指導されたことを難なくできたりします。今日のアドバイスを紹介するとアーティストの歌をよく聞くこと。聞くポイントは、息の流れがどんな風になっているか。気持ちがとぎれることなく歌っていれば、息が止まることがない。母音をしっかり鳴らすこと。音が下がるようなフレーズでは、逆に音が上がるくらいのイメージで歌うこと。声の立ち上がりが遅い事で、ピッチが悪く聞こえる。メトロノームで練習する事。など。そのなかでも、いままで平坦になりがちだった歌に息の流れをイメージする事で、ぐっと切迫感や、切なさ、熱さが加わったことは大きな変化でした。歌を歌う上で、1番大事なこと、感情のこもった歌を歌うこと。それが出来るようになられたと思います。そういう歌を聴けたことが、嬉しく思いました。この瞬間のためにこの仕事をしているんだなあ。自分がボイストレーナーをやっているのは、生徒さんの感動的な歌を聞くこと、それを一緒に喜ぶことができるからなんだと、感じました。
みなさんは、どんな媒体で音楽を聴きますか?スマホ?iPod?PC?わたしはここ5〜6年くらいでしょうか、音楽はiPhoneで聴いています。ところが、最近、久しぶりにレコードを聴いてみると、驚くほど音がマイルド!そして滑らか!スピードやピッチを調節できるアプリがあったり、外出中に聴くのが便利で、ずっとスマホばかり使っていましたが、どんな音質で聴くべきかを見直さないと、と思う瞬間でした。ある研究では、デジタル音源は人の心をイライラさせる作用がある、と言います。レコードを聞いていると、胸に音がスーッと入って来て、落ち着く気がしますが、そういった意味で、ヒトにとってはアナログ音源の方が自然なのかもしれないですね。日常的にレコードを聴く人はもういないでしょうし、そもそもレコードプレーヤーなんて家にないことがほとんどだと思います。とはいえデジタルでも出来るだけ音質が滑らかなものを聴く方が、精神衛生上、良いのかもしれないですね。
今日は洋楽、主に英語の曲を歌うときのTipsをシェアしていきたいと思います。生徒さんにするアドバイスを箇条書きにまとめてみました。◯単語の終わりが子音の場合は、舌や唇などの形をその子音にするだけ。たとえば、Backなら「バック」と言いたくなりますが、発音のイメージは、「バッk」という風な感じです。語尾は舌の奥を持ち上げる形を作るだけで、「KU」とは言わない方がいいです。そういう子音の口の形を作る事で、息の流れが変化し、洋楽のリズム感が出たりします。◯ちょっとやり過ぎぐらいの方がちょうどいい。くさいかな、イキってる感じがするかな、くらいでも、聞いている側からするとちょうどよかったりします。恥ずかしがらず、ちょっと大げさに発音してみてください。◯一音に文字がいっぱいでも怯まない一つの音にたくさんの文字が割り当てられる事がほとんどです。例えば、一つの音に対して“Stand”が割り当てられているとします。日本語的に発音すると「スタンド」と4文字になってしまい、当然1音に収まりません。強調すべき母音は限られているので、standなら真ん中のaだけを強調して他は子音の口の形を作るだけ、「stあんd」のようなイメージで発音してみてください。母音「あ」を中心に1音にまとまりやすくなります。くれぐれも「すうたんどお」とならないように。◯リンキング次の単語が母音で始まるときは、前の単語の語尾とつなげて発音します。stand upならdとuがつながって「スタンドアップ」ではなく「スタンダップ」に聞こえますよね。そういうやつです。洋楽はリンキングの嵐です。よく出て来るパターンのものは、たくさん聞いてるとわかってきますよ。○聞こえたように、カタカナで書いちゃう意味や単語は一旦置いておいて、何度も何度も聞いて、聞こえたようにカタカナで書き出してみる。そのあと、歌詞と照らし合わせて、この単語はこういう風に聞こえるんだ、逆に言えば、こんな風に発音すると原曲らしく歌えるんだ、ということがわかります。○“喉の奥の方で発音する”イメージで歌う英語では、日本語にはない母音があります。なんか原曲と違うなあ、なんか響きが浅いなあ、滑らかさがないなあ、と感じることがありませんか?これはわたし個人の感覚ですが、母音をのどの奥の方で形作るイメージを持つとうまくいくことがあります。喉や口、舌の構え方をどんな風にすると原曲のような響きが出るのか、研究してみてください。○意外とアールは舌を巻かない?英語は会話では「R」の発音は舌を巻きますが、ネイティブスピーカーのアーティストは、歌の中では、そんなに舌を巻かないそうです。(専門学校時代の先生からの情報です。)○“t”は“r”ぽく聞こえるネイティブの人におこられるかもしれませんが、ざっくりいうと、tが重なったり、tのあとに母音が来たりすると“r”ぽくなります。例えばgottaなら「ガラ」、littleなら「リル」、get away なら「ゲラウェイ」など。○メロディ抜きで、ラップのように歌詞だけをアクセントをつけて声に出してみるこれはわたしが本当によく使う方法です。どこにアクセントが来るかがよくわかります。そして符割の確認になります。そして、なんといっても、これをやった後は確実にかっこよく歌えます!○そもそも一音一音に子音がいっぱいありすぎて、音源を聞いてもなんていってるかわからない!そんな時はテンポを馬鹿馬鹿しいくらいに落として原曲を聴き込むに限ります。あまりに難しい時はわたしは50パーセントくらいテンポを落として聞き込みます。時間がかかりますが、やっておくときっと財産になりますよ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーわたしは子供の頃、海外や英語に強烈に憧れていました!憧れの外タレの曲を歌いたくて、カタカナのルビがふってある歌詞カードを頼りにしたり、ローマ字しか読めないけどなんか似てるところを手がかりにしたりして、なんとなくそれっぽく歌ったりしてた時期があります。なんちゃってでも、かっこよく歌えたら嬉しくて、その作業が楽しかったことを思い出しました。まずは自分にとっての洋楽の神ボーカルを見つけるのが、1番のコツかもしれませんね。
今日もボイストレーニングに役立つTipsをシェアしていきたいと思います。「音痴」と言われて、そう思い込んでいる人って結構います。器質的な疾患がない限り、「音痴」というものはありません。音程の概念が無かったり、訓練したことがないだけだったりします。ここ数回のレッスンで、音程を取りにくい方がいらっしゃいましたが、共通した原因が、「歌詞」とメロディーの「音程」、「符割り(リズム)」が一緒くたになっていることでした。試しに、歌詞ではなく、ラララで歌ってみてもらうと、それが意外にできない。また、音程を付けず、符割りだけでやる、たとえば音程なしに、喋る音の高さで、音の長さだけを保って声を出す、これが難しかったりする。このように、歌詞と「音程」「符割り」それぞれをきちんと把握できていないから音痴に聞こえるのだと思います。逆に言えば、それぞれを分けて練習をすれば取れるようになります。できないことがあるとき、冷静になって、細分化して取り組んでいくと、必ず前進します。音痴だから、と諦めず、言い訳にせず、細分化細分化して1ミリでもいい、馬鹿馬鹿しいくらいにちょっとだけでもいいので、手をつけてみてくださいね。
今日は少し考え込んだその内容を。最近は、スマホ頼みの生活をしている私です。でも、なんだかつまらない。つまらないのです。その原因が少しわかったような。情報のリサーチ力がないと、質の高い情報が入って来にくい。使い古された言葉ですが、メディアリテラシーがないと嘘の情報をつかまされることもある。情報が多く、情報をふるいにかけるのが上手ければ、人生を変えるくらいの価値のある情報を手に入れることができる。鉱山に眠るダイアモンドにたどり着けるガッツや、スキル、もしくはダイアモンドを分けてくれる人脈があれば、そこに到達できる。だけどあまりの情報過多に、吐き下しの状態になっている人もいる。私もそのうちのひとりだと思う。ダイヤモンドの鉱山の麓の街で売られている、もしくは配られている、純度の低いガラクタにも似た石ばかりを集めて、ダイヤを買った気になっている。もちろん、ここで投稿しているリソースは専門書から得た知識や経験、信頼のおける先生方から学んで身につけて来たスキル、過去の体験なので、ニセモノは一切ないのでご安心ください。ネットを開くと、「誰でも簡単に、短時間でできる」ハウツー的な内容が跋扈しています。誰だって、手っ取り早く身につけられるものなら身につけたいです。ただ、そういう内容のものはあくまでも一時的なものにすぎない。短期間で成果が出るものは、それだけの価値しかない。恩師の言葉ですが、その意味が少し、わかりかけてきました。ファストフードは美味しいし、簡単に手に入る、もちろん価値あるものです。ですが、それだけで栄養価を補うことはできるでしょうか。毎日そればかりで体を維持し、心を維持することはできるでしょうか。やはり、インスタントなものは、インスタントな要求にしか応えることしかできない。インスタントが悪いというわけではないですが、それだけでは危険です。近頃感じているつまらなさは、そういうインスタントな情報に辟易していることも原因かもしれません。ネットを開けば、これでもか、というほど、あなたにおすすめの情報がおしつけられてきます。もちろん興味のある内容に違いないのですが、その内容の厚みがなんと薄いことか。そして、それに踊らされてしまっている自分がいる。そんな日常の薄っぺらさから、少し距離がほしい。やっぱり、骨太な論文や、長文を読むのには労力が要ります。苦手です。でもほんとうに価値あるダイヤモンドのような、そういうものを手にしなければ、心も体もカスカスになってしまう気がします。最近感じるつまらなさはそういうことなのかもしれないと思います。手軽に安く、もしくはただで手に入るし、それなりに見えるからこれでいっか。今の自分はインスタントで武装して中身のない人間になっているのではないか。いま携わっているすべてのことに対して、誇りが持てるか。ほんとうに誰かの役に立てているか。及第点が取れたらおっけー、になってるんじゃないか。そこでは精神的な満足感は得られないかもしれない。わたしはレッスンに関して、その時間に来てくれている生徒さんに対して、いまわたしがその方に教えられるすべてを渡しているつもりです。それに関してだけは、誰にも負けないつもりです。だから一時間のレッスンでの集中力は半端ないです。その方の声を、歌を、おそらく相当な集中力で聞いていると思います。1分もその方から気持ちを外していることはない、と思います。そういった意味で、純度の高いダイヤモンドのようなレッスンを提供できていると信じています。でも、まだまだできることがあるはず、とも思います。声の本質迫ることを追求するのは、時代錯誤かもしれません。時流にあっていないのかもしれない。でも、そこまでやるか、と思わせるくらいのことを、まだまだやる余地があるかもしれない。話が脱線しましたが、わたしもブログでは簡単に取り組んでもらえるような情報のほうが、読んでもらいやすいかと考えて、すぐにできるコツを紹介したりしていますが、わたしの伝えたいことは、もっと深層部にあるのかもしれません。レッスンでは、直接言葉にしませんが、心と声は密接に繋がっていて、その人の本来のすがた、虚飾や思い込みによって隠れているんでいるその人の、あるい「仏」の部分を、声を解放することによって、彫り出したい、そんな風に思っています。歌は、自分の喜怒哀楽を押し付けるものであって欲しくない。ひとを幸せにするものであってほしい。うまい、とか、すごい、とかを見せつけるものであってほしくない。また、自分の怨念や、欲望のようなドス黒い思いを歌に込めて、世の中に垂れ流して欲しくない。そっちで処理してくれ。と正直なところ思います。そういうものを芸術と呼ぶ向きもあるでしょう。でも、わたしは、それを聞く人のことを考えてしまいます。自分の歌を聞いて気分が良くなってほしいです。それはさておき、仏教でいう「即身成仏」という言葉をご存知でしょうか。煩悩を捨て、悟りを開けば、生きながらにして仏になれる、という意味だったと記憶しています。その人の中にはそもそも仏が内在して、修行をしてそれを覆い隠している煩悩をすてることで仏が現れる 、ということだと思います。それと同じかはわかりませんが、わたしはそういうイメージをしています。その人の仏の部分が現れるようにしたい。そういう歌をもっと聞きたいのです。歌で演技をしたり、ファッション的に歌手をやったり、怨念を込めたり。嘘や軽薄さ、呪い。インスタントや濃度の高い毒と同じ。その辺りを履き違えている人のなんと多いことか。また、インスタントなものをあたえておけばいいや、という姿勢の人の多いことか。そういうのってほんとにつまらない。ここしばらく、正しいか正しくないかより、向かい合っていることに対してエネルギーをどれだけ注げているかの方が大事、という考えでいましたが、やっぱりそんなことはない。自分の向けているエネルギーの矛先が間違っていないか、というのはとても大事です。無知は罪という言葉があるように、エネルギーの矛先を間違えると、戦争のような悲劇を生むことだってあり得る。自分がやっていることが、エゴではなく、誠実であるか、正しいか、そんなことを大事にしないとつまらない。
ボイストレーナーさんのブログを見ていたら、ドキッとするタイトルが。最近はカラオケかカバーか、という概念さえ遠のいたなあと反省。ぜひ読んでみてくださいね。アーティストに喜んでもらえるようなカバーができてるか、という観点、大事にしたいと思いました。
こんにちは。みなさんは、音楽でプロになりたいと考えておられますか?プロになるには?それはずばり、「プロになるまでやめないこと。」です。わたしが専門学校生だった時、ギターの先生が、この問いにこう答えておられて、なるほどと思ったのを覚えています。ですので、命がけでプロになりたい人は「辞めないこと」がプロになるコツの一つだといえます。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーとはいえ、続けることの障害は多いもので、専門学校を卒業してずいぶん経った今、同期だった人達の大半が音楽以外の仕事に就いています。でもみんな幸せそうです。命がけでプロになりたい、というわけでないのなら、続けなくったっていいんです。「プロになること」=「幸せになること」とは限りません。どういう状態が自分にとって幸せなのか。一生音楽とともにあること、が幸せなのであれば、プロにこだわらなくていいかもしれない。プロになって、何がしたいのか。手段が目的にならないように。自分がどういう風に在れたらいいのかを見失わないようにしたいですね。
こんにちは。以前にのびのびと歌えないときの対処法として、新聞紙を破りながら歌う、というのをご紹介しました。https://ameblo.jp/essentiarythm/entry-12479219629.html先日のレッスンにて、生徒さんにやって頂いたところ、不思議なほど力みが消えました。とくに破る方に意識を向けてもらうと、その方には効果的だったようです。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーのびのびと歌えない方と出会うたび、わたしに認められるためにレッスンに来てるんじゃないかなあ、と心配になります。わたしの命令に添わなければ、という思いが緊張を生んでいるんじゃないか。わたしの言ったことができなくて、謝ってしまう人も、やっぱり心配です。レッスンでは、声の自由度が高くなるための技術を身に付けてもらえるようにアドバイスしますし、このブログではボイストレーニングに役立ててもらえそうなことを記事にしてアップしています。ですが、技術を高めること以上に、声で、歌で何をするか、何がしたいか、がとても大事です。何を成し遂げたいか。そのために伴走するのがボイストレーナーだと思っています。ボイストレーナーの意に沿うようにするのが目的ではなく、同じ方向を向いて、なりたい未来に近づいて行く、そんな風に在りたいと思っています。今、レッスンを受けている人は、少し先の未来に、声で、歌で、どんなことが出来るようになっているかを常にイメージしていてください。そのイメージに向かって、一緒に頑張っていきましょう!
こんにちは。今日もボイストレーニングにまつわるTips(ちょっとしたコツやアイデア)をシェアしていきたいと思います。今日は録音についてです。録音をすることは歌の上達に欠かせないことだと思います。まず、ボイストレーニングのレッスンではできるだけ録音することをお奨めします。わたしのレッスンでは生徒さんに委ねていますが、録音をする方とそうでない方とでは、やはり内容の定着具合が随分違います。レッスンで録音が認められていない場合は、しかたないのですが(そのあたりは必ず確認してくださいね)OKな場合は、歌以外の部分も含めてレッスン全てを録りっぱなしにしておく方がいいですね。先生がぽろっといった一言に大きなヒントがあったりするからです。また、ライブなど、発表の場でも録音をしておくと、自分のステージのいけてるところ、いまいちなところが浮き彫りになり、今後の発表の準備につながります。動画なら尚よし。ちなみに、わたしの音楽学校時代にお世話になったボイストレーナーのMISUMI先生は、ブログの中で「ライブでの録音は、当日はテンションが上がったりして、冷静に聴けないため翌日聴くようにする。」ということをおっしゃっています。これは、わたしの経験上からも、頷ける話で、当日は必要以上に、うまくかなかった部分だけにフォーカスして聴いてしまったりします。その日の発表がどうだったか、気になることかと思いますが、一晩寝かせてからの方が、健康的な聞き方ができるはずです。発表が終わったら、ちょこっと呑んで、さっさとおやすみなさ〜い、がわたしの中での正解です。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーさて、昨日はわたしの母が主宰するピアノ教室の発表会でした。母はICレコーダーで、通しで録音していたようです。いらない部分もたくさんあり、そういう部分をカットしてトラックわけしたものがほしい、と言われ、夜な夜な作業しておりました。ちなみに、ライブなどを録音したものって、皆さんどうされてますか?これは、わたしも忙しいとかを言い訳に、放置してしまうことがあります。ですが、これは早いうちに、形にして整理しておくべきです。容量を圧迫する動画などは撮ったらさっさとYouTubeなどにアップロードしてしまうのも一つの手です。これは、演奏のお仕事をいただく際にも使えたり、いつでも引き出せるので、かなり便利です。レッスン内容であれば、この発声練習を自主練したい、とか、先生のデモを何度も聞きたい、ということも多いと思います。その部分だけすぐに聴けるようトリミングなどの作業をすぐにしておくべきです。面倒でもやっておくと、自主練の質が上がり、次のレッスンで吸収できることが格段に増えますよ。自分に必要な発声練習のデモなどを、練習のツールとしていつで引き出せるように管理しておくことも上達のコツですね。録音を最大限に活かせる方法を、みなさんも自分なりに工夫してみてくださいね。
こんにちは。昨日はボイストレーナーの先輩でプライベートでも懇意にして頂いている大浦志先生に、交換レッスンをして頂きました。交換レッスンはそれぞれのレッスンのやり方を互いに公開して、知識やノウハウを共有するような内容です。わたしは特に歌の指導について教えて頂いたのですが、経験豊富な大浦先生のアドバイスは、本当に実践的且つ示唆に富んだ内容、意義深い時間を過ごさせて頂きました!「なるほど〜!」とレッスンですぐにでもフィードバックしていきたいと思うようなやり方も教えて頂けたので、生徒の皆さんは楽しみにしていてくださいね。大浦先生はLa tua voce studiohttps://latuavoce-cocostudio.jimdo.com/を主宰されています。発声時の身体の使い方にも造詣が深い先生で、声を使う方たちが、声をこわさず、何年も歌い続けられるように、と尽力されています。ご興味のある方は是非、門を叩いてみてくださいね。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー「発声教師」と「歌唱指導者」は全く違います。わたしは歌唱指導者ではなく、発声教師なりたい、発声訓練のエキスパートになりたいと思ってボイストレーニングに向き合ってきました。ですが、歌唱指導を受けたい方も多くいらっしゃいます。また、せっかく訓練をして発声を培ったとしても歌に活かせなければ意味がない。発声訓練から歌唱へ、うまく繋げていけるように、レッスンで提供できることを増やしていきたいと考えています。
こんにちは。今日も歌が上達する為のTips(=アイデアやヒント、コツ)をシェアしていきます。ステージでの見せ方がうまい人、それはずばり体でリズムを感じられている人です。バラードではそこまでではないにせよ、ポピュラー音楽の場合は、リズムにのれてるか、が体にあらわれます。体でリズムが取れていると、単純にかっこいいですし、観ている人にもその曲のノリが伝わりやすく、ステージでの見せ方につながります。自然に体が動く人もいますが、苦手な方は、ぜひダンスを習ってみてください。アップのり、ダウンのりと呼ばれる「リズム取り」は押さえとくべき!です。ストリート系の、例えばヒップホップとか、ジャズでもストリートジャズなどのレッスンではアップ、ダウンのリズム取りは基本のキ、なので必ずやります。ちなみにYouTubeなどで動画があがっていたりもするのですが、正直なところ、あまりおススメできる動画は見つけられませんでした。教室にもよりますが、一回だけ受講、などが可能なところもあるので、先生のかっこいいリズムの取り方を一度でもいいので直に見て、体感してみてください。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーさて、先日、Little Glee Mosterさんの「世界はあなたに笑いかけている」を4人で軽い振りをつけて動画を撮る機会がありました。リトグリのリズムの取り方はバージョンはまさにアップのり。メンバーは、ボイストレーナーの大先輩にあたる方ばかり。動画で撮ってみると、アップかダウンかなど打ち合わせていなくても、みなさんノリがアップのりで、自然にステップを踏んでおられて、さすが、と思いました。(わたしはダンスをやっていなかったら、ついていけなかったと思います…)余談ですが、4人のリーダーで、ボイストレーナーの大先輩の先生は、鏡を見ながらどうすれば自分がかっこよく見えるか、どの角度が体が長く見えるか、などを徹底的に研究した時期があったそうです。ナルシストのように感じられて、ステージングの練習に抵抗のある人もいると思います。ですが、観てくれる人のために、見せ方にまで配慮を行き届かせる、というのはマナーでもあるように思います。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー歌うだけでなく、体の動きがあると、観ている人もきっと楽しい。リズムに乗って、ステージが華やかになるといいですね。
こんにちは。今日も歌が上達する為のTips(=アイデアやヒント、コツ)をシェアしていきます。みなさんは人前で歌うときに、緊張するでしょうか。最近になって気づいたのですが、わたし自身は、他の人に比べてはるかに緊張の度合いが高いタイプのようです。緊張しないコツは、ずばり、慣れることです。上達には「板の数(=ステージに上がる数)」が必要と言われるように、経験値を高める以外にありません。もちろん、日頃からしっかり練習したり、心を落ち着ける訓練をする、ということは大事です。ですが苦手を克服するには、荒療治でも、滝を浴びるかのように、苦手なものに晒される時期が必要のように思います。わたしは緊張に慣れるために2年ほどジャムセッション(その場にいる楽器の人達といきなり合わせて演奏します。)に通ったのですが、そのおかげでずいぶん上がらずに済むようになってきました。苦手を克服するには慣れるしかない。そしてそのときにジャッジしないことがコツです。今日はうまくいった、いかなかった、楽しかった、楽しくなかった、というレッテルを貼るのではなく、その時、自分の出来る事がとれだけ増やせるか。それを積み重ねる事だけに集中してみて下さい。失敗してもいいんです。現実維持よりはるかに得るものがあるはずです。失敗してもすぐに受け流して経験値を上げていく、そんなマインドがでいられると素敵ですね。
こんにちは。今日は、身体についての投稿です。先日、声はどこから出るようにイメージしたらいいですか?という質問があり、少し考えていました。わたし自身は、身体的にどこから出ているかイメージする、という概念がありませんでした。(強いていうならば心から、という風にわたしは思っています。)ですが、お腹から出る、とか声帯から出る、とか足から、など諸説紛々なのが現状です。生徒さんには、人それぞれイメージしてしやすいところで、という風に伝えてきました。でも、そうではなくて、身体の部分には便宜上名前が付いているけれど、部分部分を切り離して考えるからおかしなことになる、という考え方を知り、なるほど、と思わざるを得ませんでした。(姿勢学術協会理事 片山賢さんと中部大学特任教授の工学博士・武田邦彦先生の対談の中からhttps://clovermedia.jp/clover_nettv/)普通、右腕がうまく動かなかったら、右腕のストレッチ、左肩が動かなかったら左肩のストレッチ、など、動かない部位にフォーカスして訓練します。わたしのレッスンでもそういうアプローチをしてきました。でも、そうではなくて、いま、動かせる部分を動かすと、動かなかった部分も動くようになる、という考え方です。からだそのものが一体だからです。レッスンでは発声練習を正しい方法で行なっています。ですが「木を見て森を見ず」とならないように、たえずマクロな視点を持ちたいと感じています。
こんにちは。今日も歌が上達する為のTips(=アイデアやヒント、コツ)をシェアしていきます。リズム通りに歌っているのに、なんとなくモタついて聞こえたりする事があります。そういう時に、チェックしてほしいのが、子音と母音の長さです。ポピュラーの場合、例えば、サ行の場合、子音の「S」をはっきり発音するとリズミカルになったりします。Sは前歯の間を勢いよく通り過ぎるときに出る、ほとんど息だけのような音です。例えば「すき」という歌詞なら、ローマ字で書くと「SU KI」ではなく「S KI」なイメージ、母音よりも子音の長さを長くする感じです。他にもカ行やタ行もリズミカルにする手助けになってくれます。まずはアーティストの音源をよく聞いてみてください。子音と母音の長さに着目して聞いてみると、きっと発見があると思います。表現の幅が広がるといいですね。
こんにちは。今日はレッスンでいただいたご質問に関する投稿です。Q.声はどこから出るように意識したらいいでしょうか。おなかからスポンと出したいです。A.声はおなかから出るわけではありません。声が形作られるのは声帯です。―――――――――――――――――――――――――久しぶりに、「おなかから声を出す」や「腹式呼吸」に関するご質問を2レッスン続けて頂きました。ご存じの通り、声が作られるのは喉仏のなかにある声帯です。ですが、比喩的表現で「おなかから声を出して」というようなことを言われることもあると思います。その言葉の意図することは、力みなく声を出す、ということに尽きると思います。ご質問をくださった生徒さんは、お一人は、のどに力みがあり、声が詰まった感じがする方、もうお一方は話し声にハリが足りない方でした。いずれのケースも声帯の合わさりがうまくいっていないことが原因です。声が詰まった感じがする方には声帯を外転(少し開き気味にするイメージです。)する発声練習をしていただきました。詰まりが消え、声の通り道を感じることができた、という感想を持たれていました。話し声にハリが足りない方には、北原白秋の『五十音』(あめんぼのうた)を練習しながら、話し声の中で声帯の合わさりをよくするイメージをつかんでいただきました。声はどこから出るイメージをするのがいいかは、個人差があると思います。こういう声を出すときはこういう力加減、といった自分の身体的な感覚で覚えていく必要があります。蛇足ですが、スポーツをやっている生徒さんは飲み込みが早い、と考えておられるボイストレーナーの方は多いようです。スポーツをやっている方は筋肉に対する神経の反応が素早く、声帯まわりの筋肉への反応も早いのかもしれません。運動はメンタルを健康に保つためにも重要です。普段あまり体を動かさない、という方は、一日のルーティーンの中に意識的に運動を組み込んでみるのもいいかもしれません。
こんにちは。今日も歌が上達する為のTips(=アイデアやヒント、コツ)をシェアしていきます。なんかうまくいかない、思ってるように歌えない、そんな風に感じたとき、皆さんはどんな風に改善していきますか?ひたすら歌う?わたしが最近オススメしたいと考えている秘策は、『動画を撮る』です。なんだ、そんなこと?とお思いでしょうが、動画を侮る無かれ、です。客観的に自分が歌っている映像を見ると、沢山気付くことがあります。どんな点をチェックするか、ですが、私がレッスンで生徒さんの歌っている姿を見るときに気にしているポイントは、○発声を妨げるような姿勢になっていないか○身体のどこかに余計な力みが入っていないか○体の動きがリズムに沿ったものか○集中できているかなどです。特に、集中出来ているかどうか、というのは歌っている姿に大きく顕れます。動画を撮るのも見るのも、最初は抵抗があるかもしれません。でも、何回か撮っているうちに、きっと慣れるはずです。自分の良いところも見えてきて自信に繋がったりもするので、恐がらず、面倒臭がらず、思い切って動画を撮ってみてほしいと思います。もちろんレッスンは受けて欲しいですが、自分で客観的にチェックして、改善していけたら素敵ですね。
こんにちは。今日も歌が上達する為のTips(=アイデアやヒント、コツ)をシェアしていきます。ボイストレーニングレッスンを受けていると、先生にいろんなことを言われ、のびのびと歌えなくなることはありませんか?アドバイスを意識しすぎるあまり、がんじがらめになることもあると思います。そんなときの対処法を3つ挙げておきます。①チューイングメソッドこれは、何かを食べながら声を出す、歌う、というものです。武田梵声先生の『こどものための究極☆正しい声のトレーニング キッズタレントへの近道』という書籍で詳しく紹介されています。これを実施した回数は少ないので、全員に効果があるかはわかりません。ですが、過去にこのトレーニングをした生徒さんは、何かを咀嚼しながら声を出すことが自然な発声に繋がるようでした。②新聞を破りながら歌う歌は、アドバイスされたことを意識すればするほどできなくなってしまうことがあります。他の事に意識を逸らすことで、過度に身構えてしまうのを防げる効果があったりします。新聞を破りながら歌うという手法は、『うまく歌える体の使い方』(川井弘子さん著)からの引用です。きっと良いヒントになると思います。③「わたしは歌わない」と声に出して言ってから歌うこれも②の『うまく歌える体の使い方』(川井弘子さん著)からの引用です。歌おうと意気込めば意気込むほど、望む声から遠ざかることがありますが、「わたしは歌わない」と宣言してから歌うとスラっと良い声が出たりします。うまくいかないなあ、と負のスパイラルに入りそうになったら上述の3つを試してみてくださいね。それでもうまくいかなかったら、他の練習に切り替えて「明日の自分に期待する」というのも一つです。わたしはかつて「できるようになるまで頑張る」主義でしたが、こだわって前に進めなくなるなんて時間のムダ。さっさとその場を立ち去りましょう。心を柔軟に。おおらかな気持ちでいてくださいね。