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 副題に「宇宙図書館(アカシック・レコード)をめぐる大冒険」とあり、赤い横帯に興味深いことが書かれているけれど、まさにそんな感じである。初版は2003年11月でもう10年以上前だけれど、当時からこの本を読んでいた人は、きっと繰り返し読むたびに自分自身の意識の進化を確認していたことだろう。
 精神世界(というより神秘学)に関して、理解を深められる刮目すべきヒントがたくさん記述されている。その中のホンの一部を書き出しておいた。この本のように、再読、再再読に値する著者の本は古書店にはそうそう出てこないから、読みたいならとっとと自分で購入しておいたほうがいい。二極化してゆく地球の良き側に進むためにも、著者のいくつもの著作にある多くのヒントは役立つことだろう(勿論、人によるけれど・・・)。

 

 

【時を超えても決して変わることのない3つのもの】
 さまざまな星に生まれかわり、肌の色や髪の色や性別もかわれば、それが誰か見分けるのに苦労するのではないかという疑問もあるだろうが、それは心配には及ばない。時を超えても決して変わることのないものが3つだけある。どこの誰に生まれかわっても、「瞳の奥の色」、「指先から放たれる光」、そして「声の印象」というものは変わらないのである。この3つのことに注意を払えば、現実世界においても、過去世でかかわりがあった人はすぐにわかるはずだ。(p.62)
 「指先から放たれる光」は見えなくても、他の二つは十分判断材料になる。

 

 

【ゼロポイント】
 宇宙図書館の扉は「渦を巻いていた」ということを思い出していただきたい。わざわざ夢を見たり、神社の狛犬にさわり72回数えなくても、心の状態を「ゼロポイント」にさえできれば、そこらの壁にでも空中にでも、渦をイメージするだけで図書館の扉は開くのである。(p.62-63)
 この本の中で、ゼロポイントに関することは繰り返し語られている。
 宇宙図書館の「扉を開く鍵」である。

 

 

【判断基準】
 冒頭にある“この世界”とは、心がゼロポイントに保たれた状態下で現れる世界。
 この世界では、世間の常識や固定観念にとらわれていると、一瞬の判断を誤る危険性がある。最終的に頼りになるものは、自分の直観以外になかった。偽りの情報を聞いた際、マヤの身体にあらわれるサインは、舌の先がピリピリしたり口の中が苦くなることで、より真実に近づいたときには、花々や果実の甘い香りが、どこからともなく漂ってくるのだった。本物を見分けるためには、少しでも疑いを抱いたときや、迷いが生じたときにはヤメにする勇気を持つことが大切だろう。それらの判断基準は驚くほど簡単なことで、それを見聞したとき、良い気分がしたか、悪い気分がしたか、ただそれだけのことなのだ。(p.71-72)
 ブルース・モーエンの 『死後探索1』 『死後探索2』 『死後探索4』 や、坂本政道さんの 『死後体験』 『死後体験Ⅱ』 『死後体験Ⅲ』
の著作内でも似たような記述を読むことがある。

 

 

【アヌビス】
 アヌビスとは、ピラミッドの前で出会った動物。マヤ(著者)を導く役割として登場している。
 「あなたは二重の過ちを犯しています。第一にスフィンクスが、たった一体しか存在しないと思い込んでいることです。ピラミッドには、まだ発見されていない鏡面の部屋が存在するのと同様に、砂の中に埋もれたままになっている別のスフィンクスもあるのです」 ・・・中略・・・。
 「・・・そして第2は、ワタクシは犬ではなく、ネコ族の一員なのです。ワタクシは秘密を守護するもの。そして異界への入り口にたたずみ、その案内役をつとめ、時空を旅するものの守護者でもあるのです」(p.69)
 ピラミッドは完全にシンメトリーに作られている。
    《参照》   『失われたメシアの神殿「ピラミッド」の謎』 飛鳥昭雄・三神たける (学研) 《前編》
              【恐竜、2体一対の大スフィンクス、ピラミッドの真実】
    《参照》   『失われたメシアの神殿「ピラミッド」の謎』 飛鳥昭雄・三神たける (学研) 《後編》
              【エノクが著した『知識の書』とピラミッドの閉じた玄室】

 現在のスフィンクスは人面をしているけれど、元はライオンの姿をしていたと言われている。確かにライオンはイヌ科ではなくネコ科だろう。

 

 

【宇宙の光】
「これで可視光線のレッスンは終わりましたが、これからが実は重要なのです。あなたがたの目には透明な光としてしか認識できませんが、透明な光にはいくつもの別々な性質を帯びたものがあるのです。色や光を波長の長さなどといって直線上にとらえていては、宇宙の光をつかむことはできませんよ。色は直線上を進むのではなく、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫・赤紫そして再び赤という順番に、色彩の輪のうえを螺旋を描き進んでゆくのです。宇宙の光は、透明な赤、透明な黄、透明な緑・・・というように、色彩の輪と同じパターンで進みます。簡単ですね。(p.87-88)
 光も、1オクターブ上がるごとに繰り返される音階と同じように考えることができる。
 このような階層性が、パラレル・ワールドとか多次元宇宙といわれる世界を構成しているのだろう。
    《参照》   『宇宙につながる第8のチャクラ』 ジュード・カリヴァン (徳間書店) 《前編》
              【オクターブの完成と階層のステップアップ】

 

 

【磁気を帯びた光】
 上記書き出しに続いて書かれていること。
 そして、あなたがたの文明では、まだ再発見されていない、磁気を帯びた光が、このなかには含まれています。これは宇宙の創世や生命の起源に関わる問題や、あなたが言うところの、閃きや直感に大いに関係しています」(p.88)
 「血液中に流れる微量な鉄が、磁気に反応しているのです。あなたがたの文明では、まだ理解されていませんが、鮮明な夢や直感、閃きや第6感などと呼ばれているものは、磁気を帯びた光をつかむことです。 (p.94)

 呼吸をある宇宙的なリズムと同調させ、血液に流れる磁気を、ある星の軌道に乗せることが重要なのだ・・・。(p.140-141)
 磁気を帯びた光があるからこそ直感が働くのだし、他の星からの磁気を帯びた特殊な光を取り込むことによって、血統転換もDNAの書き換えも可能になるのだろう。
    《参照》   『まもなく世界は5次元へ移行します』 エハン・デラヴィ&中丸薫 (徳間書店) 《後編》
              【魔女の究極の目的】

 

 

【意識は電磁波の一種】
 この宇宙では磁気が重要な役割を果たしています。あなたがたの発する『意識』というものは、電磁波の一種なのですよ。ご存知でしたか? 
 あなたがたは、ご自分の意識というものに細心の注意を払い、そして責任を持つべきです。なぜなら、磁気の不調和は惑星地球の運行やその軌道、そして近隣の惑星にまで悪影響を及ぼしているからなのです。(p.94)
 足立育朗さんの 『波動の法則』 にこのようなことが詳細に記述されているけれど、地球人全体にこのような自覚がないまま、物質偏重の意識に偏ってしまっているから、ことは厄介なのである。
 精神世界の本など全然読まない人々ほど、地上で醸成された物質偏重の固定観念に何ら疑いを持つこともなく、モノ・カネ・欲望に取り憑かれた『意識汚染』を、地球のみならず宇宙全体にまで拡散させているのである。

 

 

【『22を超えてゆけ』】
 「よく頑張りました。あなたは、光の糸/初級編をマスターしました。この22の領域内なら自由にアクセスできますので、光の糸を使って、超時空の旅をお楽しみください。
 これでワタクシのレッスンは終わりです。では、さようなら」 アヌビスの透き通った声が、あたり一面に響き渡っていた。
 「待ってよアヌビス! 22の領域ってなにさ。22ってなにさ。22より先に、あといくつあるの。超時空ってなんなの。・・・中略・・・」
 「・・・22とは地球人類に定められた限界のことです。
 超時空とは限界領域を超えてゆくことです。・・・中略・・・」 (p.99)
 タイトル解題として、この本のことに言及していた下記の著作をリンクしておきます。
    《参照》   『日月地神示』 白峰聖鵬 (明窓出版) 《後編》
              【数霊】
              【分岐点の23】

 

 

【5つの立体と呼応する感情】
 「・・・これらの5つの立体から、多くの物質は造られているのです。あなたがこれらの立体をマスターすれば、ほとんどのものは物質化できるようになるでしょう。
 これらの立体は、あなたの感情と呼応しています。・・・中略・・・あなたは感情によって、それと呼応する現実を引き寄せているのです。感情を持っている生命体は、たいていのものを創造することができるのですよ。なぜなら、意識というものがこの宇宙を形成しているからなのです。意識のないところにはなにも創造は生まれません。(p.117)
 5つの立体が感情と呼応するとあるけれど、日本語の5つの母音(あ・い・う・え・お)もこれに関連しているのだろう。
 5つの立体とは、
・正4面体      正3角形の面  4枚
・正8面体      正3角形の面  8枚
・正20面体     正3角形の面 20枚
・正6面体(立方体) 正4角形の面  6枚
・正12面体     正5角形の面 12枚
 これらの立体に含まれる数学的神秘性は、黄金比という螺旋展開に関与している。
    《参照》   『新ミレニアムの科学原理』 実藤遠 (東明社) 《後編》
              【4次元は 「5芒星」 原理、 3次元は 「6芒星」 原理】

 

 

【時空を超える秘儀】

 「数字の8というのは、∞(インフィニティ)のことですね。それは『時間の輪』と呼ばれているものですよ。片方の輪が未来を、そしてもう片方の輪が過去をさし、過去と未来が交錯する一点にあなたは立っているのです。過去と未来を統合する現在がゼロポイントになるのです。そして、『光の輪』と呼ばれるもう一つの∞(インフィニティ)があります。あなたが宇宙と地球を結ぶ架け橋になり、異なる二つの力を統合したとき、もう一つのゼロポイントが生れます。『時間の輪』と『光の輪』を等しくすれば、時空を超えることができるのですよ・・・・。
 単純に見える図形に対しても、あなたがたはもっと注意を払うべきです」(p.119)
   《参照》   『迫り来る地球大変容で《レインボー・トライブ/虹の民》に生まれ変わるあなたへ』 キーシャ・クローサー
             【反重力の原理とピラミッドの役割】

 

 

【地球との音程のズレ】

 どの生命体も惑星の音と共鳴しているにもかかわらず、地球人類の多くは不協和音を放っているということを知った。そういうマヤ自身も、惑星の音とは共鳴できず、かなり音程をはずしているようだった。(p.121)
 
 【注釈】 なぜ音程が狂うのか。
 心にもないことを言ったり、言葉と心が完全に一致していないと、言葉に歪みが生じ安定を狂わす原因となる。また、幼い子どもの笑い声は純粋だが、大人の笑いがなぜ歪んでいるかといえば、それは笑いたくもないのに愛想笑いをしているうちに、段々と音程が狂ってきたからである。
 その他には、地球との調和を失った生き方も音程を狂わす原因となり、宇宙の暦や地球の軌道に対応せず、人工的な時間に支配されるほど音程がずれていく。(p.121-122)
 言葉の歪みの極は、平気で嘘をつくという人間性に現われる。
 地球の音程(周波数)に同調し、宇宙の音程に同調すればするほど、「すべてがひとつ」であるという世界に生きていることがわかるのだから、ウソなどつけっこないのだけれど、この地上世界に生きている人々は、平気で嘘をつき、またその嘘や噂話が現実を支配すらしてしまう。
 スピリチュアルな世界に参入しながら、いつになっても普通に虚が言えたり普通にしらを切れる人は、畢竟するにスピリチュアルな探求など無駄だから止めた方がいい。

 

 

【脳と記憶】
 オマエたちの脳は、情報を受信、送信する器官であり、オマエたちの記憶は頭蓋の中に納められているのではなく、他の領域に蓄積されているデータを随時ひきよせているのだ。記憶のメカニズムというものは、オマエが言うところの座標軸の設定、もしくは名前というインデックスをつけることによって、その言葉・・・音声・・・という同じ波動を持つものを引き寄せてくる仕組みになっている。もちろん、名前以外にもインデックスは多種あり、色、香り、触感、図形、数字など多岐にわたっている。感情というものを数値化し、同じ感情をいだいた過去の情景を引き寄せるということは、普段から無意識のうちに経験していることだろう。これらは同じ波動のものを響かせる、いわば共鳴現象を利用しているのだ。同じ型の音であれば倍音を響かせ、やすやすとオクターブを超えることができるのだ。(p.145)
     《参照》   『宇宙人がアセンションを語り始めました』 田村珠芳 (徳間書店) 《前編》
                【意識の海を漂う脳】

 最後にある“同じ型の音であれば倍音を響かせ、やすやすとオクターブを超えることができる”とは、多次元の他次元にもアクセスしているということ。
 オマエたちは多次元の存在とも、脳を共有しているのである。自分の脳のデータを他の存在も利用しているのだと知れば、領空侵犯もしくはハッカー被害にあったような気分になるかもしれないが、それとは気づかないうちに、自分でも他者の脳もしくは記憶と呼ばれるものを、使わせていただいているのだ。この領域を真の意味で理解できれば、地球人類が思い描く個人という概念は幻影にすぎず、そこには、多様性に満ちた宇宙の1なる法則が存在していることがわかるだろう。
 オマエがいうところの『宇宙図書館』とは、アカシック・レコードと呼ばれている人類の集合意識のことであり、アクセスコードさえ解読できれば、なにひとつ、秘密など存在しないのだ。扉はいつも開かれている。(p.147)
   《参照》   『「朝の習慣」を変えると人生はうまくいく!』  佐藤富雄  青春出版社
             【大脳の特性】

 

 

【137と「イケニエの法則」】

 この書籍の中では、ふたつの式が謎解きのように提示されているのだけれど、そのうちの
 第1の式は (9+13)+1
 第2の式は  Z = 1/137 となっている。 この137について、
 この137という数字にも、さまざまな意味が込められているのだ。大雑把に表現してしまえば、137の周辺には、この宇宙の成長点が隠されている。(p.169)
 フィボナッチ数列の中にでてくる二つの数値、34と89を用い、この商の値を角度であらわすと、
 34÷89×360=137.52。 約137度になる。
「この『イケニエの法則』は、渦を巻く貝殻から、螺旋を描く植物、ヒトのDNA,そして渦巻き銀河に至るまで、すべてを貫いているのだ」
「イ・ケ・ニ・エ・・・?」
 そして、この物騒な「イケニエの法則」という名前の由来は、自らを投げ出すことによって、次の世代を作り出してゆくという、究極の自己犠牲によって、宇宙は創造され続けていることを物語っているという。それは、エゴが消滅し、1なる宇宙へと溶け込むことを暗示しているのだという。(p.172)
 137が「イケニエの法則」になるという意味の連鎖が、この本を読んだだけではよく分からない。
 「イケニエの法則」は、究極の自己犠牲によって、宇宙は創造され続けていることを物語っているとあるけれど、これは、古代ギリシャにおけるゾーエとビオスの思想や、古代ケルトにおけるティ-ル・ナ・ノーグの思想に関係しているだろう。
    《参照》   『ピーター・パンはセックス・シンボルだった』 松田義幸 (クレスト) 《前編》
              【生と死を司るディオニソス】

 

 

【『イケニエの法則』を生むゼロポイント】

 たとえば真空状態というのは、なにもない状態ではなく、プラスとマイナスが同量存在していることを意味する。「心をゼロにする」という言葉は、心を空っぽにするのではなく、相反する正負のバランスを完全なる一点に束ね、そのゼロポイントを探すこと、プラス思考でもなく、マイナス思考でもない、その中央に位置する不動の領域こそが、ときにさらされることのない永遠の場所なのだ。ゼロポイントとは、過去でも未来でもない、今という瞬間にある。人は過去にも未来にも生きることができない。そして、今という瞬間は、すべての過去とすべての未来を同時に含んだ、もっともパワフルな瞬間である。

 マヤは歓びを抑えきれず、丸めた紙を開き始めた。そして、この紙に書いてある数字のうち、一ヶ所だけ書き忘れがあることに、ようやく気が付いたのだった。

 1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233,377・・・・・

 一番最初に「ゼロ」という数字が抜けていたのだ。マヤは古ぼけた紙切れに、「ゼロ」を書き加え、満足そうに空を見上げた。(p.181)
 過去でも未来でもなく、「中今」に活きるという思想をもつ神道国家・日本に住む日本人たちは、フィボナッチ数列の頭に0があることなど、ごく普通に思いつくことができる。
    《参照》   『新ミレニアムの科学原理』 実藤遠 (東明社) 《後編》
              【フィボナッチ数列の欠陥】

 フィボナッチ数列は、黄金比と関係しているのだけれど、宇宙に展開する黄金比の意味合いについては、以下のリンクが分かりやすい。
    《参照》   『2013:人類が神を見る日』 半田広宣 (徳間書店) 《後編》
              【黄金比】

 いずれにせよ、「中今の思想」に則して“ただいま”に生きることは、ゼロポイントになるため基本であり、それによってこそ宇宙の謎は開示されるのだということになる。つまり、日本人こそが世界を飛躍させるキーパソンズなのである。
    《参照》   『無意識はいつも君に語りかける』 須藤元気 (マハジンハウス)
              【 “ただいま” に生きる】

 

 

続編

 

 

<了>