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 時空間トラベルをしたい人にとって、辻麻里子さんの著作は最高だろう。本書では、亀のアルデバラン、イルカのシリウス、ネコ族のアヌビス、そしてGがガイド役としてマヤを導いている。
 本書は、『22を超えてゆけ』 の続編で、さらに本書の続編として 『宇宙の羅針盤 (上・下)』 がある。本書は、2006年に初版が出て以来、長いこと絶版状態だったけれど、2018年12月に、改訂3版として復刻されたもの。また、2019年3月には、著者の遺作として 『藍の書』 が出版されてもいる。

 

 

【『22を超えてゆけ ―― おさらい』】
  太陽が緑の炎をあげるとき、
  藍(あお)い石は語り出す、いにしえの未来を。
  蒼ざめた世界に緑の炎がかかるとき、
  われらは思い出す、新たな過去を。
  ・・・目醒めた同志たちよ。さあ、時は来た。

 かつてマヤは夢のなかで印象的な言葉を耳にした。しかし、目が醒めると夢の内容は消去され、謎の計算式が書かれた紙だけが残されていた。

 第一の式は、(9+13)+1
 第二の式は、Z=1/137
 そして、第三の式とは、11111
 謎の計算式を手がかりに、人類の過去から未来に渡る、すべての記憶を記しているという「宇宙図書館」へと旅立つマヤ。現在、過去、未来の時間軸と空間軸が交差しあい、いくつもの次元が重なったなかを、難問をクリアーしながら「太陽の国」へと向かってゆく。
 第三の式は、(11+11)+1 に変換され、そして、Z=1/137という式は、太陽の国の扉を開ける鍵になるというのだが・・・。(p.4-5)
 第3の式は第1の式の変形で、いずれも(22)+1となり、このシリーズのタイトル「22を超えてゆけ」を意味しているのだけれど、第3の式の(11+11)+1 は、ツインソウルとの邂逅を意味している。
   《参照》  『意識の量子飛躍 11:11 アンタリオン転換』 イシュター・アンタレス (ヒカルランド) 《2/4》
            【ツインソウルとの出会い】
   《参照》  『宇宙の羅針盤(下)』 辻麻里子 (ナチュラルスピリット) 《前編》
            【ツインスターの任務】

 本書におけるツインソウルは、時空の旅人であるマヤとレムリアの王。

 

 

【アルデバラン】
「・・・わしの名を呼ぶものなど、誰もいない。・・・中略・・・。
 ・・・ここは氷の図書館。
 ・・・わしは、かつて、レムリアと呼ばれていた時代の墓もりじゃ」
 ゆっくりとかみしめるように、カメは話す。(p.41)

「かつて、わしは・・・アルデバラン、と呼ばれておった。・・・中略・・・美しい星の名じゃ」 (p.42)
 宇宙図書館内にいたカメさんの名前で、本書の前半部で、マヤのガイド役として登場している。
 アルデバランは、おうし座の主星だけれど、この星との関連は何も記述されていない。

 

 

【太陽の国】
「アルデバラン、人類の集合意識が浄化されない限り、1万3000年前のレムリアの記憶は目を覚まさないということかな?」
 マヤは針の穴を通すような、ピンポイントの質問をする。
「そうじゃ。かつて地上には太陽の国があり、遠い昔に海の底に沈んでしまったとういう伝説を一度くらい耳にしたことがあるじゃろう」 (p.45)
 本書の副題が意味する内容なので、書き出しておいた。太陽の国=レムリア。
 その出来事によって、地球の一年は約5.25日長くなり、360日ではなくなった。それにともなって、人類の意識は二分化され。心は二つの相を持つようになった。脳の機能は左右に分断されて、互いの言語が理解できなくなった。そして、地球人類は高次の自己とつながることが困難になった (p.138)
 再び地上に太陽の国が実現すれば、1万3000年前の記憶も明確になるだろうという意味で、レムリアがストーリーの骨子として用いられている。

 

 

【青い花】
 その花は、遠い子供の日に裏庭で摘んだ露草や・・・、一つ前の人生における死の淵で見つめていた花と同じ光を放っていたので、マヤは思わず青い花に手を伸ばして、その光に触れようとすると、アルデバランは穏やかな口調でこう言った。
「花は、そこに置いておきなさい。花は誰のものでもない、みんなのものじゃ。多次元を旅する人ならば、誰でも知っていることがある。青い花は二つの異なる世界を結ぶ道に咲く花。青い花は異界の光を受けて咲く、多次元への道しるべになるのじゃよ。青い花はスピリットの世界に咲く宇宙の意識であり、自らが輝き出した時に咲く、太陽の国の花なのじゃ」 (p.60)
 著者さんの未完の遺作である『藍の書』の藍には(あお)とルビが降られているけれど、“多次元への道しるべ” という意味においてなら 青≒藍≒紫 である。

 

 

【意識のシ・ク・ミ】
 その後も、アルデバランとマヤは、凍りついた柱を溶かし、光と水へと変えていった。
「108本の柱を溶かすように」と、アルデバランは言うが、その数字の意味について尋ねてみると、4×9×3=108が、「意識のシ・ク・ミ」なのだそうだ。感情というものは主観的なものだが、そこには法則のようなものがあるという。(p.62)
 宇宙は144の意識から形成されているけれど、現在の地球人類は36の意識が凍りついているので、108の意識しか使えていないのだという。
 144は、アルデバランの亀の甲羅の六角形魔法陣の最大数48の3倍という解釈が示され、
 アルデバランのお腹に書かれている6×6魔法陣から、
 地球人類が凍りつかせている意識の数36について、6×6魔法陣の話になって行く。

 

 

【6×6魔法陣の秘密】
 6×6=36の魔法陣を埋める1から36までの数字の総和は、(36+1)×36÷2=666
「37×18=666
 1から36までの合計は666だ!」とマヤ
「さよう。次に、1から36までの合計数を、6×6魔法陣の列の数、6で割ってごらん」
「666÷6=111」
「1列の合計は、111。どの列も数字を足すと、合計が111になっているから確かめてごらん。これが6×6魔法陣の秘密なのじゃ」 ・・・中略・・・。
 ・・・・・ 6×6=36が、本来の人間をあらわす数字ならば、
 ・・・・・ 7×7=49は、なにをあらわしているのだろう。(p.75)
 49-36=13 6と7の間をつなげるには、13の世界にヒントがあるのかもしれないとマヤは思った。(p.76)
 本書では、6×6魔法陣の他に、「亀の甲羅の魔法陣」やフラワー・オブ・ライフの模様のように区分された「円の魔法陣」なども言及されているので、魔法陣の世界に魅入られてしまう読者もたくさんいることだろう。
 ところで、最後に、“13の世界”として、本書のタイトル『6と7の架け橋』の解明に迫っているけれど、ここでは深追いせず、亀の甲羅魔法陣の話になってしまっている。
 13については、《中編》の【トランプの『7並べ』】に関連するリンクをつけておいた。

 

 

【その時】
 たとえ、太陽や宇宙から、目覚めのサインが発せられていても、それを受け取る意志が本人になければ、そのプログラムは作動しない。君がいくら星の子守唄を歌っても、彼にそれを受け取る意志がなければ、彼は決して目醒めたりしなかっただろう。変化のときは、タイムスケジュール通りにやって来るのではなく、送り手と受け手の双方の記号が合致した時点で、ゲートが開かれるんだよ。心の底からそれを受け入れようと思った瞬間が、まさにその時なんだ」
「その時」というタイミングがいつなのか、マヤには理解できたような気がした。(p.96)
 「その時」受け入れるには、なにはともあれ、先んじてアセンションすることを決意しておくのが肝心。
   《参照》  『意識の量子飛躍 11:11 アンタリオン転換』 イシュター・アンタレス (ヒカルランド) 《1/4》
            【アセンションに必要なもの:無条件の決意】

 

 

【天使の呼び方】
 マヤは中央広場のベンチに座り、瞳を閉じてイルカのシリウスの名前を呼んだ。ここでも、正しい呼び方があるが、ハートにゼロポイントを創り、その空間で相手の名前を三度唱えるという法則はみな同じだった。実は、天使のたぐいというのは、正しい方法で名前が呼ばれたら、必ずその場所に行かなければいけないことになっている。なぜなら、呼ばれたらあらわれる、というのが天使の仕事だからだ。案外、その仕組みを知らない人は多いようだが、ルネッサンス時代のマヤは、その方法を使って天使を呼び出し、実際に天使の絵を描いていたのだった。(p.105)
 用もないのに「呼んでみただけ~~~」なんていうと、愛想づかしされる。
 ルネッサンスは、日本語で「文芸復興」などと訳されているけれど、本来は「スピリチュアル復興」である。
 ルネッサンス時代のきみは、天使を表現する図形を知っていたが、他の人にもわかる表現方法を用い、天使を擬人化したのだ。多次元のものを、2次元の絵画や文字で表現するには、多くの人が共感できるような方法を使わなくては、その心情までは伝わらないのだよ。(p.199)

 

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