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 『22を超えてゆけ』 の続編で完結編。この著作で、前作(『宇宙の羅針盤 (上)』)までの多くの謎が、可能な限り開示されているので、時間が十分取れるなら一日で最後まで読み終えてしまうだろう。
 『上巻』ではアヌビスが指導役だったけれど、『下巻』ではメルクという(水星存在?)が指導役になっている。この読書記録は、書き出しやすい数値的な記述が多くなってしまっているけれど、それらを抜きにして感覚的にハートで読んでみても楽しいだろう。スペーストラベラーの感覚を味わいつつ、終盤では果てのない宇宙に憧憬と共にあるいは哀惜を感じてしまうかもしれない。2010年8月初版。

 

 

【光の羅針盤】
 本の表紙に描かれている平面図形について
「・・・・そもそもこの羅針盤の形状は、なにをあらわしているのでしょう? この形状は、『太陽の図形』『創造の図形』『時空を旅する者の紋章』とも呼ばれることがあるそうですが、中心に○が一つ、まわりに8つの○と△、この形の幾何学的な意味を教えてください」 マヤはあらたまった面持ちで尋ねてみるのだった。
「それでは光の羅針盤の形状について、いくつか物語を通して簡単に説明しましょう」 (p.22)
 ここから○と△の物語が始まってゆくのだけれど、二次元平面で考えるだけでは本質にせまれない。
「物事を回転や立体で考える視点は重要です。
 それではもうひとつ別の座標を見せましょう。
 たとえば、人間は三つの要素から構築されているが、その三つとは、肉体/感情/魂という言葉で表現できます。それぞれに○と△の属性があり、組み合わせは合計8種類あります」
 なぜ、唐突に「8」という数字がでてきたのかわからないけれど、マヤはその数字に興味を持った。
「システムの基本は、2×2×2=8 の8種類です。・・・中略・・・。光の羅針盤には8方向の要素があります。それは正六面体を平面にあらわした図でもある」 (p.31-32)
 光の羅針盤は、8つの角をもつサイコロ(正六面体)の形を平面にあらわしたものだといっている。
 8については、随所で重要な数として登場している。
 そこで八角堂といえば、聖徳太子の夢殿を想起するけれど、無関係ではなさそう。
 高度なシャーマンだった聖徳太子は、古代日本及び古代ユダヤの聖数である8を使いこなせる“八・王子”だったのだろうか。
    《参照》   『古神道入門』 吾郷清彦・松本道弘・深見東州 (たちばな出版) 《後編》
             【聖なる数 ―― 八 】

 8は、古代日本の聖数であり、中国においても八卦と言われる易経の基本数でもある。
    《参照》   『古代天皇家「八」の暗号』 畑アカラ (徳間書店) 《前編》

 

 

【二重の虹】
 メルクが指先で弧を描くと、青空は巨大なカンバスになり、濃い虹と薄い虹の二重のアーチが描かれてゆく。
「たとえば、虹の法則を見ればわかるように、角度的なことを説明すると、濃い方の虹、主虹の角度は40度から42度。薄いほうの虹、副虹の角度は50度から54度であり、その狭間に目には届かない真実がある。
主虹と副虹は、鏡に映ったように色が反転して見える。
 主虹は外側から内側に向かって、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の順番で、
 副虹は色が反転して、外側から、紫、藍、青、緑、黄、橙、赤の順番です。・・・中略・・・。
 また、太陽のまわりにかかる光の輪は、太陽を中心にした視半径が、内暈は22度、外暈は46度の角度です。内暈は『ハロ22』と呼ばれ『22』を超えてゆくには、太陽のまわりにかかる光の輪の角度『22度』を超えてゆくことに答えが隠されている。その仕組みは六角形の結晶体を太陽の光がどの角度で通過するかによって。22度と46度に分かれます」 (p.42-43)
 『22を超えてゆけ』のシリーズを読み続けてきた人なら、“主虹と副虹の狭間には目には届かない真実がある”という記述にピンと来た人は多いだろう。
 ここにある数字は、どれも重要なものばかり。本書を読むならそれぞれの意味を踏まえておくことが重要だけれど、ここでは概要としてのポイントをメモするのみ。

 

 

【バラの花びらと137度】
「バラの花がなぜ美しく見えるかといえば、そこに普遍的な角度が隠されているからです。その普遍的な角度とは、約137度。厳密には137.51度です」 (p.49)
『上巻』では、180-43=137 まで示されていた。
    《参照》   『宇宙の羅針盤 (上)』 辻麻里子 (ナテュラルスピリット) 《前編》
              【宇宙創造の参加条件】

 この『下巻』では、円の全周360度をもとに、360-137.51=222.49 が鍵として示されている。
「137.51度と、222.49度の角度で分割した円を『黄金比』と呼びます」
 淡々とした声で、メルクは話を続ける。
「それではなぜ黄金比は美しく感じるのですか?」
「あなたの美のセンサーに、この普遍的な角度が刻みつけられているからです。美の基準は人それぞれですが、美のセンサーは、美しいものは正しく、正しいものは美しいと教えてくれる。そして、この角度は創造の元へと帰還する際に使い、羅針盤が示す創造の角度でもあります。(p.52-53)
 黄金比は、神秘学の著作で必ず言及されるキーワードみたいなものであるけれど、それは正に創造に関する中枢に関わることだから。
    《参照》   『22を超えてゆけ』 辻麻里子 (ナチュラルスピリット)
              【137と「イケニエの法則」】
              【『イケニエの法則』を生むゼロポイント】

 

 

【旅立ちのコード】
「それが、旅立ちのコードです。・・・中略・・・。バラの本数が、その答えです」
「あっ・・・・赤が2本、クリーム色が2本、そして青が3本?」 (p.58)
 2,2,3を足したり掛けたりしてみても違うらしい。
 「時空を旅する者であれば、知っているはず。時空とはアナログ状態ではなくデジタル構造をしていることを。答えは、アナログではなく、デジタルです。赤が2、黄が2、青が3.・・・中略・・・。わかった! 分かりましたメルク! 旅立ちのコードは、223度です」 (p.59)
 この223度は、先に書いた 360-137=223 のことを言っているのだけれど、この本では言及されていない“223(ふじさん)の言霊”=「富士山」のことを思ってしまった。地球のクラウン・チャクラ=サハスラ・チャクラである富士山が活性化したら、それこそ、地球自体のアセンションという旅立ちが始まるだろう。

 

 

【ツインスターの任務】
「それは、ツインスターが分離して地上に生まれた悲しみを乗り越え、そして、再び一つになって、大いなる存在になることを、この地上で実現させるというミッションです。人々は22を超えたら大いなる存在になります。このミッションは地上に天国を築くことでもあるのです」
「22を超えてゆくって、地上に天国を築くことだったのですか?」
「そうです。しかし、ツインスター同士が地上で出会うと、もともと一つだったものが分離した悲しみや焦燥感、心が伝わらない虚しさ、やるせなさを感じることもあるでしょう。時には、信頼を失ってしまうこともあるかもしれません。それでも、相手の全人生を受け容れることです。悲しみから人を救うことはできません。固定観念を反転させた時に気づきがあるのです」
「相手の全人生を受け容れるとは、どういうことなのですか?」
「それは、相手の言いなりになったり、無関心のまま容認するのではなく、相手を信じているからこそ受け容れるのです。その違いが分からなければ、この愛は理解できないでしょう」とメルクは言う。(p.66)
 理屈ではわかるけれど、この愛を理解し実践するのは簡単ではない。
 子供向けに書かれた下記の著作が、参考になるかもしれない。
    《参照》   『神との対話 フォトブック』 ニール・ドナルド・ウォルシュ (サンマーク出版)
「33段の階段の仕組みで端的に表現すれば、地上から天国へと至る階段を二人が共に昇り、22を超えた時点で二人は一人の大いなる存在になります。22を超えてツインスターが一つになった時、大いなる創造ができるようになるのです。
 逆のベクトルから見ると、宇宙意識と一体となっている33段目の状態から、33・・・22段目まで降りてきて、ツインスターたちは、惑星地球へと赴く際に、二つに分かれたのです。この段階では、意識はつながっています。
 そして、21・・・11段目まで降りてくる頃には、二人は全く別の人格になり、お互いの姿もわからなくなる。10・・・1、そして、0段目で別々の人生を歩みはじめるのです。
 ツインスターは、もともと一人の人格でした。惑星地球に降りてくる際に、二つに分かれますが、互いに霊的進化を遂げ、再び一つになって創造を行うのです。ツインスターたちは、持ち運んできた星の叡智を地上で開花させるという目的を持って、幾千万もの時を超えて再び出会うのです。地上に天国を築くとは、こういう仕組みです」 (p.67)
 33というとフリーメーソンの最高階級を想起してしまうけれど、彼らも星の叡智を受け継ぐ人々だから当然といえば当然だろう。彼らは22を最強の数とするカバラを行使し、3・11だとか9・11だとか、11を象徴的に用いてもいる。暗黒化しているフリーメーソンの作為は、ツインスターの出会いによる創造とは、真逆のことばかりである。であるにせよ背理役のツインスターということだろう。

 

 

【宇宙の階層構造と意識領域:地球人類が22を超えていけない理由】
 宇宙の創造に至る33段の階段のうち、11段までは個人の意識の領域であり、22段目までが人類の集合意識の領域である。そして、22段の人類の集合意識を超えて、宇宙意識へと至る道が、22を超えてゆくという言葉で端的に表現されている。(p.305)
 上記に続いて以下のように書かれている。
現状として、地球人類が22を超えていかれない要因は大きく分けて3つある。
① 感情の海に溺れ、物事の本質を見ていないこと。
② 時間や空間、思い込みの枠にとらわれていること、
③ 自分の欲望に翻弄され、魂の目的にフォーカスしていないこと。
 この3点だ。これを打開するには、自分自身を知り、自分自身であること。個であり全体、全体であり個という意識状態に到達することだ。・・・中略・・・。
 人間が人間である所以は、惑星地球に存在する3次元の肉体の自分と、宇宙に存在する本来の自分の2つの視点を束ねることにある。他者を蹴落としてでも、自分だけ助かろうとする者、自分の身内だけ守ろうとする者は、結局のところ22は超えられないだろう。見返りを期待せずに他者を助けようとした時、人は22をこえてゆくことができるのだ」 (p.305-306)
    《参照》   『目覚めよ!宇宙人。』 山本耕一 (ヒカルランド) 《後編》
              【人に対する愛】

 

 

【西暦2036年】
「西暦2036年にあるものをなぜ今、地球の中心へと沈める必要があるのですか」
「それは、過去と未来を統合するためです。
 かつてこの惑星で文芸復興や文明開化が起きた時、これらの光の図形のうちいくつかは使われてきました。扉を開き新しい世界に飛び立つ際に必要とされます。
 過去において光の図形を必要としているのはルネッサンス時代で、その時代の画家や建築家たちが、これらの光の図形にアクセスしていたことは歴然です。しかし、コンピュータが発達した今でなければ、これらの光の図形を正確に再現することは難しかったことでしょう。・・・中略・・・」 (p.110-111)
 レオナルド・ダ・ヴィンチは、黄金比に関することを書いているけれど、現在がルネッサンス時代の再来になっていることは、もう少し時代が進めば共通認識になるのだろう。
 そして、コンピュータの更なる進化(有機コンピュータ化?)は地球文明を強力に推進するだろうけれど、今日でも、3Dプリンターの出現によって、それ以前は造れなかった立体図形の作成が可能になっている。多次元世界を意識に捕らえている人々が3Dプリンターによって作る立体は、地球の進化を加速することだろう。
    《参照》   チャンちゃんのところへやって来た“愛の胞子”:「AE-ET36」
 なにも西暦2036年まで待たないと、地球は進化しないわけではない。
「図形に意識をニューニングすれば、時空を超えられることがわかっただろう。人類の集合意識が変容する際に使われた、これらの図形はさまざまな星や銀河の叡智が凝縮されている。いわば、星の叡智にアクセスするための扉でもあるのだよ。・・・中略・・・・。集合意識というものは、一人ひとりの意識が流れ込み形成されるものである。よって、一人ひとりの意識の変容プロセスこそが大切であり、なにも惑星地球の暦で2036年まで待つことはなく、今、この瞬間から意識の進化のために使いたまえ。 (p.134-135)

 

 

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