《前編》 より

 

 

【 「0」 が次元の通過点 】
 このように万物は、4次元から次元の境の 0 点を通って、3次元へと湧き出てくるのです。運動方向が反対のときは、3次元の物質やエネルギーは、 0 点を通って4次元へ消滅するのです。
 その実証は、ロシアに4次元エネルギーと同調することによって発生するエネルギー発生装置があります。ロシアの科学者はこの装置による物体(花瓶)消失の様子を次のように述べています。
「装置を動かすと、花瓶の上下がねじれ始めて(4次元のらせんに同調し)、だんだん小さくなり、しまいには一点になって消えてしまった」(p.169)
 下記のリンク著作にある 「裂かれた三次元空間」 とか 「向こうの世界」 という言葉を、ロシアの科学者たちは装置を開発して真剣に研究していたのであろう。
      《参照》  『不思議の科学』 森田健 (同朋舎)
              【素手で患部を取りだす心霊治療についての仮説】
 物質と4次元の非物質との間に、 ・・・(中略)・・・ 「バイオプラズマ・レベル」 があることを証明しているのがこの事実なのです。(p.170)

 

 

【物質プラズマとバイオプラズマ】
 物理プラズマは高温プラズマで、物質の破壊そのものに働く力で、これを使えば必ず破壊的な作用が起こります。
 しかし、バイオプラズマは、低温プラズマであり、生命エネルギーを運ぶ媒体なので、人の健康に良い影響を与え免疫力を増大させる、物質プラズマとは正反対の作用をするプラズマだといわれています。(p.170-171)
 この記述も、下記の書籍の記述に対応しているだろう。
      《参照》  『不思議の科学』 森田健 (同朋舎)
               【念力のパフォーマンス】

 

 

【フラクタルと黄金比】
 4次元のらせんの渦は、大小同型の黄金比(1対1.618)による渦です。 ・・・(中略)・・・ 。この黄金比によるらせんこそが、4次元空間の実体で、これによってフラクタルと4次元らせんのひと繋がりということが保証されているのです。(p.169)
 フラクタルの幾何学的根拠は何なのでしょうか。それが4次元空間を埋めつくしている 「黄金比」 による渦とらせんの原理なのです。(p.187)
 

【4次元は 「5芒星」 原理、 3次元は 「6芒星」 原理】
 4次元空間を構成する形の原理は、正5角形と、5角形だけでできている正12面体による 「5芒星」 原理です。一方3次元空間の形の原理は、正6角形、あるいは正4面体、正6面体、正8面体による 「6芒星」 原理です。 ・・・(中略)・・・ 。
 4次元が5角形に基づく5芒星原理であるという根拠は 「黄金比」 にあります。これは西洋では、1202年、イタリア・ピサの数学者フィボナッチによって示されました。(p.187)
 4次元が5角形に基づく5芒星原理であるという根拠は、黄金比の値を表わす式 (1+√5)/2 = 1.618の・・・ の √の中に 5 が入っているからということなのだろうか。
 アメリカ国防総省の名前ペンタゴンが 「5芒星」 そのものを意味しているように、世界各国の軍事機関には 「5芒星」 を象徴的に取り入れているところが多い。平安時代の陰陽師達もまた 「バン・ウン・タラク・キリク・アク」 と言って描いていたように、 「5芒星」 は潜象世界(4次元)から戦勝を確定させる呪術として用いられてきた原理だったからなのであろう。
 一方、4次元が 「黄金比」 であるならば、3次元は 「大和比」 ということになる。
   《参照》   『謎の古代図形』  秋山清  コスモトゥーワン
            【プラトン立体とひし形多面体】

 大和比の値を表わす式は単純に √2 = 1.414・・・ である。√の中の2は、2つの三角形を上下逆にして重ね合わせてできる 「6芒星」 を意味しているともいえるのだろうか。
 ふと、「陰陽五行説」 というのは、現象世界(3次元)の 「6芒星」 原理による解法である 「陰陽説」 と、潜象世界(4次元)の 「5芒星」 原理による解法である 「五行説」 を組み合わせて観る占法なのではないかと思ったりもする。

 

 

【フィボナッチ数列の欠陥】
 黄金比を示したフィボナッチは数列によってもそれを示している。
 0,1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144・・・・・
 というように、隣り合った数を順次足していく対数関係で、この比はすべて黄金比になっているのです。これは生命の息吹の増加数列です。 ・・・(中略)・・・ 。
 なお、通常のフィボナッチ数列は 0 からではなく 1 から始まっています。ここに西洋には 0 という数が長い間存在せず、したがって 0 については何も考えなかった根本原因が秘められていると考えます。
 フィボナッチ数列は 「1,1」 で始まっているので、最初の 1 と次の 1 との違いがまったくわかりません。何が原因でこの1が出てきたかが説明できません。この数列の始まりからすでに例外が出てきているのです。
 そうではなく、「0 と始めの1」 を足して次の 1 が出てくる。さらに始めの 1 と次の 1 を足して 2 が出てくる。以下隣りあった次の数を足していく。このような数列でなければ何の法則性もないではありませんか。(p.189-190)
 まったく。
 「0」 の認識は4次元への通路なのだから、これを欠いていたからこそ、西洋発の今日の科学は、物質世界の解析には秀でながら、より包括的な宇宙物理学の世界では統一的な理論が成立していないのである。
 ならば、西洋発の科学の出発点の誤りを正すのは、ゼロを発見したインド人なのだろうか。いや、インド人ではなく日本人であろう。インド人が 「ゼロ」 を発見したにせよ、インド発中国経由の仏教用語として日本に伝えられた 「空」 という表現から日本人が独自に認識していた内容の方が、「ゼロ」 本来の真実に近かったはずである。日本という国土には、「出藍の誉れ」 を成り立たせてしまう繊細な波動界があるのである。
 だからこそ、このような著作がインド人ではなく日本人の著者によって記述されているのだろうし、日本人ならではの西田哲学が生まれてもいるのである。

 

 

【西田哲学の弁証法】
 西洋人のへーゲルが語り得なかったことを、日本人の西田が語っている。
 へーゲルの弁証法でさえ 「有」 から出発した、西田に言わせれば 「過程弁証法」 です。西洋では 0 の概念がなく、1(正)から2(反)3(合)へと進展する人間性(自我)の絶対精神への発展法則に過ぎません。ここには無(0)が決定的に欠けているのです。
 西田は唯物弁証法でもなく観念弁証法でもない絶対弁証法を呈示しました。西洋哲学にはない 0 からその無の中に矛盾のペアを宿しながら自己展開していく、ここに西田哲学の日本で生まれたオリジナルな古今独歩の境地が見られるのです。(p.239)
 日本は、「星(を国旗に描く西洋)の国」 や 「月(を国旗に描くインドなど中東)の国」 よりもはるかに明るい 「太陽(を国旗に描く融合)の国」 なのである。あらゆる真実を白日の下に晒すのは、太陽の国の使命である。
   《参照》   『ガイアの法則』 千賀一生 (徳間書店)

 

 

【自由と必然性】
 次元は高次元になるほど必然性の度合いが高く、その法則性が働くのです。実はその度合いが高まるほど自由度も高まるのです。高次元では自由と必然性は同じものの一面なのです。(p.220)
 “精神の自由” を希求していた学生の頃、高橋和巳のいずれかの小説の中で、「法則の必然を自覚した時の自由」 という表現に出くわして震撼したことがあったけれど、これは単なる諦観としての逢着点というのではなく、高次元世界の認識に通ずる覚醒した表現だったのである。
 西洋人の言う自由は、独裁や王権による圧迫からの自由だったのであって、多くの日本人が無意識下で認識している 「法則の必然を自覚した時の自由」 というような高次元へと通ずるものではない。この点においても、日本人の次元(霊性)は高いのである。
   《参照》   『未知への旅 「日本」とのつながりを求めて』  丸山敏秋 (新世書房
              【freedom & liberty】

 

 

 最後になって、著者の記述からだいぶ逸れて、自分自身の記述による日本傑出論じみたものになってしまったけれど、この読書記録に囚われずに、各自が自分で読んでほしい書籍である。
 理論物理学や哲学に興味を持っている大学生にとっては、かなり魅入られてしまう著作だと思う。オカルト的な世界に通ずる 『不思議の科学』 に興味がある人にとっても、論拠を得られる心強い内容の書物となることだろう。
 
<了>