イメージ 1

 ややタイトル倒れの内容。著者の解釈ばかりで、一般人が納得できるような明確な連鎖の糸が示されていないから、読後にまとまった印象が残らない。

 

 

【図形はエネルギーの発生源】
 『図形という形がエネルギーを発生させる』 というメカニズムは、意外にも現代科学でさえ長らく見落とされてきた側面もあるのだ。(p.16)
 特定の図形がエネルギーを持っていることを活用するのは、高度なスピリッチュアリストが使いこなす秘儀の世界である。この著作は、数学的な因子を辿って地上の文物を巡っているだけで、サイコ・アニメ的な興味の世界を満足させてくれるものではない。

 

 

【大和比】
 差金は曲尺(かねじゃく)とも言い、簡単に言えば、金属製の直角に曲がった(L字型)の物差しのこと。・・・中略・・・。表目のほうは、妻手と長手のメモリが:1の比率で刻んであり、裏目は1:√2の比率で刻んである。つまり、古くから日本建築に使われていた差金という物差しは、そもそも大和比を重要な基準にしていたのである。
 よって、この物差しによって建てられた法隆寺や四天王寺などの古代建築が大和比を基本構造に持っているのは、当然といえば当然のことなのだ。(p.39-40)
 法隆寺建設に当たった金剛組という建設会社は、現在も存続しており世界で最長寿の企業である。金剛とはダイヤモンドのこと。ダイヤモンドの結晶構造の中にも大和比(1:√2)が見られるのは言うまでもない。

 

 

【黄金比】
 世界の歴史的な建造物、文化遺産、あるいは名画や芸術作品などの文化遺産には、この黄金比を基本に作られているものが実に多い。(p.41)
 大和比  1:√2      ≒ 1:1.414 に対し、
 黄金比  1:(1+√5)/2 ≒ 1:1.618 である。

 

 

【生命の根源に潜む大和比】
 大和比は、DNAの螺旋構造や、大脳皮質の中にも潜んでいるという。
 極論すれば、大和比こそが 「生命の根源を左右する形の基」 なのだと言ってもいいのではないだろうか。もしかすると私たちの体内細胞のありとあらゆる部分に、多面体構造と大和比は配置され、生命を支え続けてくれているのかもしれない。(p.72)
 生物のみならず、鉱物の結晶構造内にみられる大和比について、うじゃうじゃ書かれている。

 

 

【武田菱】
 甲斐源氏の代表的家紋として名高いのが菱門である。・・・中略・・・。これら菱門の基本形であるひし形の対角線の比率はすべて大和比で作られ、重ね菱だけは黄金比で作られていた。この事実は驚くべきことである。(p.84-85)
 水晶パワーを研究してきた私は  (p.111) と書いてあるけれど、水晶の名産地である山梨県と武田菱の因縁については何も記述されていない。幾何学的な視点を専らとして記述しているばかりで、霊学的な深みはない著作である。

 

 

【プラトン立体とひし形多面体】
 プラトン立体とは正多面体のこと。4,6,8,12,20 の5つのみが存在する。
 これに、ひし形12面体 と、ひし形30面体 を加えて7つの多面体を分類している。
 大和比・・・正4面体、正6面体、正8面体、ひし形12面体。
 黄金比・・・正12面体、正20面体、ひし形30面体。
 この7つの多面体こそが、宇宙構造から自然万物までを支配する究極の幾何学構造と位置づけることができるだろう。 (p.113-114)
 ふ~ん。

 

 

【立方8面体】
 現代の神道系宗教に大きな影響を与えた人がいた。その名は、大石凝真素美。明治時代の言霊学者である。江戸時代の言霊学者・山本志道や中村孝道の影響を受けて 「ますみの鏡」 という75音図に基づく日本霊学を説いた。また神算木(なかぎ)で古典を解読する天津金木(あまつかなぎ)学を説く。
 ・・・中略・・・。
 大正2年に82歳で亡くなったが、この彼が使用した根源的な現象を現す六角切籠玉(きりこだま)ころが、立方8面体である。江戸時代の和算家は、多面体のことを一般に切籠といったが、いつの間にか立方8面体だけを切籠というようになった。 (p.188-189)
 これを読んで思い出した。
 10年ほど前に伊勢で奏でられていた 『六角切子のテーマ』 を聞きながら・・・
   《関連》  『日本人が知らない「人類支配者」の正体』 太田龍・船井幸雄  ビジネス社
             【数と言葉の関係】 
 この立方8面体構造をとる金属結晶の構造としては、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Zn(亜鉛)、Cd(カドミウム)、Ti(チタン)、Co(コバルト)、Os(オスミウム)、Ru(ルテニウム) などがある。(p.194)

 

 

【キーワード】
 最後にもう一度、大事なキーワードを復唱してみたい。
*形がエネルギーを発生させる。
*パワーの根源は多面体構造に隠されている。
*多面体には2つの究極の比率が存在する。
 これが、新しい未来の科学の扉を開く重要なキーワードなのである。 (p.232)
 だそうです。
 
<了>