ビフリュオレ通信<BIFLUORESQUEMENT VOTRE> -7ページ目

曲名日本語訳の変更

曲名の日本語訳を次のとおり変更しました。

L’intermittente

裏方芸人の労働歌→興行フリーランスの労働歌

Le temps du confinement

ロックダウン期間中→ロックダウンの時が来た

興行フリーランス労働者たちのために(新作替歌)

コロナの影響でブログ更新が止まっていた間にYouTubeで発表されていた新作替歌がまだあった。歌詞大意は動画の下に掲載。「興行フリーランス労働者」と訳したのはintermittentという単語。正式にはintermittent du spectacleといい、音楽や演劇、映画等々の舞台芸術・視聴覚芸術に従事するアーティストや技師をさし、これらの人々を対象とした社会保障の制度がフランスにはある。コロナによる公演中止・劇場閉鎖で仕事を失い、失業手当が切れてしまうそれらの人々の救済を訴える。元歌は反戦歌の名曲、ボリス・ヴィアン B.Vianの Le déserteur (脱走兵)。大統領に宛てた手紙という形式を踏襲している。

 

 

歌詞大意:

大統領閣下、歌わせていただきます

緊急事態なのです、それほどお時間はいただきません

3月17日以来、戦争状態です

私は軍人ではなく、ただの興行フリーランス労働者です

我々がいなければ

人々を楽しませる奇跡はありません

舞台芸術はなくなります

泣き言を言っているのではありません

率直にお願いしています

興行フリーランス労働者には

失業手当給付の1年延長が必要です

周知の如く文化は

フランスの国の隅々まで

寛容の精神を養わせ、子どもたちを育みます

お金の話をするなら

文化は立派にやっています

ささやかながらGDPの3%です

文化のない暮らしは独裁体制

そんなことは論外です

閣下が明日の早朝から扉をお閉めになるなら

文化は興行フリーランス労働者たちと共に死んでしまうでしょう

コンサートならたくさんやりました

ブルターニュからプロヴァンスへとフランスの道を辿り

人々の瞳を見ました

今日、役者たち、身分不安定なアーティストたち

その他のフリーランスたちは自分達の身の上を案じています

我々は夢の仕掛け人、欠かすことのできない者たちです

子どもたちに語り聞かせるおとぎ話ではありません

大統領閣下

歌わせていただきます

興行フリーランス労働者には

失業手当給付の1年延長が必要です

 

元歌はこちら(英語対訳字幕付)

 

 

Au revoir et merci CD2

新譜収録ナンバーのうち未発表曲・初レコーディング曲などは2枚目のディスクに収められている。そこでこの記事ではそれらのナンバーを中心にCD2を紹介する。但し動画サイトで先行発表されていて解説記事を書いたものについては記事リンクのみとする。旧作についてはCD1紹介記事同様、初収録ディスク毎にとりまとめる。タイトルにつけた数字は新譜でのトラック番号。トラック順の曲目はこちらの記事をご覧ください。

 

1. 未発表曲・初レコーディング曲など

03 Boire un p’tit coup ちょっと一杯

 J.S.バッハの管弦楽組曲第2番第7曲「バディヌリー」にシルヴァンが

 作詞。「幸せになるのは簡単だよ。美味しいテーブル囲んでグラスを掲

 げればいい。家族や自分たちの健康に、青春に、長寿に乾杯しよう」

09 Nous voici voilà 僕らの登場

 彼らの持ちネタのひとつに「シャンソンのシェイカー」がある。よく知

 られた2曲の歌の曲と歌詞を入れ替えて滑稽な効果を産むというものだ

 が、それを説明するための導入スケッチ。

10 Chanson à mille temps et valse populaire 

  千拍子のシャンソンとポピュラーワルツ

 ジャック・ブレル J.Brel の La valse à mille temps (千拍子のワルツ) 

 とクロード・フランソワ Cl.François の Chanson polulaire (ポピュラ

 ーソング) のシェイカー。詞と曲入れ替えの面白さに加え、絶妙の歌マ

 ネで笑わせる。スタジオ録音。

11 Quand les cons sont braves 阿呆共がマトモなら

 シャンソン界三代巨匠のひとり、ジョルジュ・ブラッサンス 

 G.Brassensの書き残した楽曲。「僕らや君らのような阿呆共がマトモ

 なら、少々アホなことをやっても誰にも迷惑かけない。人畜無害な輩が

 偉くなった途端に迷惑かけるのだ」

15 Calendaire カレンダーの歌

 ブラームスのワルツ集作品39第9番にシルヴァンが作詞。といっても

 12ヶ月の名前を曲に乗せてフランス語で言っているだけ。

16 Nous revoici revoilà 僕らの再登場

 09と同じ「シェイカー」への導入。

17 Le plat pays d’Antoine et les élucubrations de Jacques 

  アントワーヌの平らな国とジャックの愚論

 ジャック・ブレル J.Brel の Le plat pays (平らな国) とアントワーヌ 

 Antoine の Les élucubrations d’Antoine (アントワーヌの愚論) のシ

 ェイカー。

18 Ne t’ai je pas dit (francofolies) 

  君に言ったじゃないか(フランコフォリー)

 子ども番組 Nos dessins animés (僕らのアニメ) のテーマソングのメ

 ロディを使って夏の音楽フェスティバル「フランコフォリー」のPRソ

 ングを勝手に作ったところ、これがフランコフォリー創設者のジャン・

 ルイ・フルキエ J.-L.Foulquierの耳に留まり、グループの全国制覇へ大

 きな後押しとなったという逸話がある。

20 Au Zénith le 15 décembre 12月15日ル・ゼニットで

 Le Zénithはフランスの主要都市にある大規模音楽ホール。「祖国の子

 らよ、栄光の日がやってきたぞ」と歌うフランス国歌「ラ・マルセイエ

 ーズ」をもじって「モンペリエの子らよ、シャンソン・プリュスがやっ

 てきたぞ」。ライヴの宣伝だったのかもしれない。

22 À l’auberge de l’écu 稽古屋

 フランスに伝わる艶笑歌。あることのお稽古が大評判で、パリ中の娘た

 ちが習いにやってくる。ついにはお婆さんまでやってくるが、もうそん

 な歳じゃないでしょと追い返されてしまう。そのお稽古とは?表向きは

 楽器の演奏だが、脚韻の「キュ」「トゥルー」という音が仄めかしにな

 っている。

23 Les gilets verts ジレ・ヴェール

 ジングル・ベルの替歌で、タイトルは「緑のベスト」の意味。2018年

 にフランスで始まった抗議デモの呼び名「ジレ・ジョーヌ (黄色いベス

 ト) 」をもじったもので、エコロジー運動応援ソングになっている。

27 Ipo pourri イポメドレー

 グループが結成当初からやっていて毎回盛り上がる「イポタイタイイ

 ェ~」。ヒット曲を「イポタイタイイェ~、イポトゥキトゥキイェ~」

 という歌詞で歌う。ここでは「オー・シャンゼリゼ」やロックの大御所

 ジョニー・アリディ J.Hallyday、日本のシャンソンファンにも人気の

 イヴ・デュテイユ Y.Duteilやエンリコ・マシアス E.Maciasなどのヒッ

 ト・ナンバーがメドレーで登場。大評判だったロベールの歌マネでブラ

 ッサンス Brassensも聞こえてくるということは、カルテット時代のラ

 イヴ録音。

28 Les chansons finissent un jour いつか歌の終わりが

 ジョルジュ・ムスタキ G.Moustakiの Les amours finissent un jour 

 (いつか恋の終わりが) の替歌。「歌はいつか終わる。ショウはひとと

 きしか続かない。また会おうと言いたいけれど、これが最後の挨拶。一

 緒にたくさん笑い合ったけど、僕ら3人は思い出の中へ」

29 Avec la joie y’a du temps 喜びの流れに時あり

 レオ・フェレ L.Ferréの Avec le temps (時の流れに) とシャルル・ト

 レネ Ch.Trenet の Y’a d’la joie (喜びあり) のシェイカー。片や人生の

 無情沈痛に歌い、片や人生の喜びを楽天的に歌う。その歌詞と曲が入れ

 替わると・・・。ライヴ録音。

 

2. 動画サイトで発表済みのナンバー(解説記事にリンクしています)

02 Qui veut du zénéca 欲しいかゼネカ

04 Le Off d’Avignon アヴィニョン・オフ演劇祭

07 Pour les intermittents 興行フリーランス労働者たちのために 

08 Ah la Chloroquine ! ああクロロキン

13 L’ami Mélenchon 友達メランション

  ライヴ版はPasse à table [CD+DVD 2019]のDVDに収録あり。

21 Le temps du confinement ロックダウンの時が来た

25 Corona コロナ

26 La crise est finie 不況は終わった

 

3. 旧作から

Chanson Plus Bifluorée [1991]

 01 Ipo tai tai yé イポタイタイイェ~

 14 Le mystère des voix du Gard ガール県ヴォイスの神秘

Pourquoi les girafes ? [1992]

 06 Nuit à Ponapi ポナピの夜

De concert et d'imprévu... [2006]

 19 Les forçats du gosier 僕らは喉の徒刑囚

La plus folle histoire de la chanson [2009]

 12 Qu’ils riaient les hérissons 

   キリエ(ハリネズミは笑っていた)

Poèmes [2011]

 24 Quand n’ont assez fait dodo おねんねが足りないと

Le Grand Casting[2014]

 05 Y’a pas d’boulot 職がない