ビフリュオレ通信<BIFLUORESQUEMENT VOTRE> -5ページ目

アラスカのアザラシの哀歌(カヴァー)

替歌やコミックソングだけではないシャンソン・プリュス・ビフリュオレ。真面目なカヴァー・ナンバーの中の1曲、La complainte du phoque en Alaskaはカナダの人気バンドだったボー・ドマージュBeau Dommageのヒット曲。1997年リリースのライヴ・ベスト盤 Le Meilleur en public 収録で、ここではラ・バンド・マニエチック la Bande Magnétik というカナダのバンドとの共演。こんなふうにこの曲をステージのフィナーレで歌い、筆者も一緒に歌った記憶がある。歌詞大意は動画(音声のみ)の下をご覧ください。

 

 

歌詞大意:

アラスカのどこかに

寂しくてたまらないアザラシがいた

恋人がサーカスで稼ごうと

アメリカに行ってしまったのだ

 

アザラシはひとりぼっちで

氷河に沈む太陽を見てる

アメリカを思ってそっと涙を流してる

恋人に捨てられたときはみんなそう

 

何にもならないよ

愛する人を残して

鼻にのっけたボール回しに行ったって

子供たちに笑ってもらえるけど

絶対長くは続かない

大きくなったら誰も笑ってくれない

 

アザラシは寂しくなると自分の体を見る

つやつや光って雨上がりのニューヨークの街路みたいだ

夢に見るシカゴ、マリリン・モンロー

恋人のショウを見てみたい

 

こんなのただのおとぎ話だけど

これは僕のことだって気がする時がある

氷山に座り両手に顔をうずめて

恋人が行っちゃった、寂しいよ

 

現在我らがビフリュオレは「ありがとう、そしてさようなら」ツアーを続けている。さようならなんてまたいつもの冗談だと信じたかったが、どうやら本気らしく、筆者にも段々現実感が湧いてきた。まさにこのアザラシの心境です。

ボー・ドマージュによるオリジナルはこちら。

 

 

 

 

 

サッカー、サッカー、サッカー(新作替歌)

祝フランス準決勝進出!新作替歌「サッカー、サッカー、サッカー」が公開された。サッカーW杯準決勝フランス-モロッコ戦は日本時間12月14日深夜(15日早朝)試合開始なので、当ブログも間に合うように急いでアップ。

元歌はセルジュ・ラマ Serge Lamaの Femme femme femme。Femmeは女、サッカーはフランス語でfootball、略してfoot。歌手名がLucas Stafiore Chanson + Bifluoréeとなっているが、リュカ・スタフィオールはシルヴァンがステージ上で演じるキャラクターのひとつ。歌詞大意と解説は動画の下をご覧ください。

この歌ができるだけ長く歌えるようにとの願いを込めて。

 

 

(歌詞大意)

みんなブルーを着よう、今宵はお祭りだ

缶ビールを飲もう、さあ陽気にやろう

論争はストップ、ただハッピーになってみよう

シンボルはなしだ、たかがサッカーじゃないか

今宵はもう後悔なし

誰だ、誰だ、一番強いのは

サッカー、サッカー、サッカー、なぜ心配するんだ

サッカー、サッカー、サッカー、僕らにはエムバペがいる

サッカー、サッカー、サッカー、ジルーもグリーズマンも

そうさ、僕らがチャンピオン、これぞフランス

サッカー、サッカー、サッカー、エアコン完備

サッカー、サッカー、サッカー、LGBTお断り

サッカー、サッカー、サッカー、そして3分後に

そうれ、そうれ、ゴールだ!

 

友よ、ぶつくさ言わないでくれ

試合は見ないだとか、カタールはFIFAを丸ごと買収しただとか

スタジアムのことだって、奴隷の話や死んだ労働者の話、みんな誇張だよ

(1番のリフレイン繰り返し)

 

サッカー、サッカー、サッカー、なぜ心配するんだ

サッカー、サッカー、サッカー、僕らにはエムバペがいる

サッカー、サッカー、サッカー、ヴァランもロリスも

そうさ、僕らがチャンピオン、これぞフランス

サッカー、サッカー、サッカー、延長戦だ

サッカー、サッカー、サッカー、カードを出すぞ

サッカー、サッカー、サッカー、そして3分後に

そうれ、ゴールにシュートだ!

 

サッカー、サッカー、サッカー、これがカタールだ

サッカー、サッカー、サッカー、シャンパンにキャビアだ

サッカー、サッカー、サッカー、これがワールドカップだ

あいつらは費用のことは気にしない

サッカー、サッカー、サッカー、僕らにはエムバペがいる

サッカー、サッカー、サッカー、beIN sports(カタールのスポーツ専門局)には放映権がある

サッカー、サッカー、サッカー、そして3分後に

そうれ、そうれ、そうれ、そうれ、ゴールだ!

 

元歌「女、女、女」はこちら。歌詞が分からなければどっちが本物か区別がつかない。内容は、大金が手に入ったから上等の服に着替えて、パリの夜のキャバレーで豪遊しようと友達に呼びかけ、リフレインでは「女たちよ、僕らを楽しませてくれ」と歌う。聴き比べてみるとシャンパンもキャビアも出てくるし、なるほど金に物を言わせて開催にこぎつけた今回のW杯の歌にすり替えるにはぴったり。他にも単語やフレーズをうまく流用しながらW杯開催絡みの問題をあてこすっていて、作詞シルヴァンのパロディ・センスが冴えている。

 

 

「さよならそしてありがとう」ツアーのプロモーション動画

40年間の活動の総括として、昨年2枚組アルバム Au revoir et merciをリリースしたシャンソン・プリュス・ビフリュオレは、現在同名ツアーをフランス各地で続けている。

そのツアーの新作プロモーション動画が先日公開された。動画の中で、腹話術師マルコニと人形のパット(つまりグザヴィエとミシェル)が掛け合いで

「今夜僕たちはシャンソン・プリュス・ビフリュオレの歴史を皆さんにお話ししに来ました」

「彼らが40年間で何人のお客さんの前で歌ったか知ってる?600人×100回×45年、ということは240万人になるんだよ!」

と言っている。ミシェルがうっかり45年と言ってしまったのは、以前にデビュー25周年記念のアルバムとそれに続く長期公演があったせいかもしれない。45年でも短すぎる。せめて筆者がフランスに行ける時がくるまで続けてくれることを祈るのみ。

挿入されている演目は順に「ご馳走ブギ」「パソコン」「わが愛の大錐」「コルシカのタンゴ」。筆者未見で不明の1編を挟んで「平和のラ・マルセイエーズ」「胡桃むき」「喜びの流れに時あり」