聖火リレーが始まって、フランスはオリンピック・ムードがいよいよ高まってきた模様。我らがシャンソン・プリュス・ビフリュオレは去る4月1日に、五輪公式ソングと称してオリジナル曲を発表していた。題して「五輪、五輪、1・2・3、Go !」
歌詞大意は動画の下をご覧ください。
歌詞大意:
一緒に、一緒に、皆が集う
一緒だ、一緒だ、皆同じだ
五輪、五輪、1・2・3、Go !
五輪、五輪、もうすぐ飛び出す
努力が僕らを強くする
それがスポーツの美点
フランスはオリンピック
わくわくする7月になるよ
エッフェル塔からセーヌ河まで
そしてグラン・パレにまで
祭典は特大サイズの予告
チャンスを掴もう
1999年リリースのアルバム Au bilboquet des planètes 収録の Jour ordinaire(ありふれた1日)が動画サイトで公開された。
歌詞大意と解説は動画の下をご覧ください。
歌詞大意:
本日、全て順調、天気は良好
魚たちは背泳ぎ、鳥たちは地面に釘付け
空は待ってくれるけど
鳥たちはもっといいことができるはず
理解しようとしてはいけない
それはありふれた1日
いつもどおりに大気中には軽油
全て煙となって消える
ありふれた1日
いつもどおりに軽油の中にいくらかの大気
煙の中にいくらかの空がある
工場の煙突がくゆらせるアルカリ性の蒸気、美しい黒雲
田舎の緑はダイオキシンのいい匂い
その毒素を抜き去るのは、負けるが勝ちのゲーム
ありふれた1日...
森の木々は春の散髪、ブルトーザーで時間短縮
雄牛たちは狂った雌牛たちとダンス
ぐるぐるまわり、ぶるぶる震えてる
ありふれた1日...
跡継ぎ息子よ、ちょっとこの大地を見てごらん
全部作り替えたからもう安心だ
お前にはコンクリートの世界を残してやろう
天井が低いかもしれないけど、少なくとも規格どおり
ありふれた1日...
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最後の画面で骸骨が持っているプラカードには「地球を救おう」と書いてある。その骸骨が「あなたは私の言うことを聞こうとしなかった。そしてほら、このとおり!」と言っている。
少し自分のことを書かせてもらうと、筆者は小2の3月までの4年間を石油化学コンビナートの町で過ごした。弟が公害病認定患者になり、きれいな空気を求めて引っ越した先でふと空を見上げて衝撃を受けた。それまで見たこともなかったような色。「青空」というのはこれだったのか!
「青空」という言葉があるから、それまで見てきた空も青いんだと思っていた。太陽の色は赤で「肌色」が肌の色だと思っていたように。けれど小2の3月まで見ていたのは、まさしくこの歌のように、煙の中にあるいくらかの空、だったのだ。