ビフリュオレ通信<BIFLUORESQUEMENT VOTRE> -6ページ目

再びアヴィニョン・オフ

「アヴィニョン・オフ」にビフリュオレが戻ってきた。7月7日から30日までの火曜日を除く連日、トロワ・ソレイユ劇場 Théâtre des Trois Soleilにて18時15分開演、27ユーロ(こちらのチケットサイトでは19ユーロで購入可)。劇場名は「3つの太陽」の意味で、160席ほどの小さなホールのようだが、熱く盛り上がりそうだ。

日本からフランスへの観光旅行はまだ難しそうだが、もし行ける方はぜひ。

僕はヴィーガン(スタジオ録音版)

2019年リリースのライヴCD+DVD "Pass à table" に収録されたオリジナル・ナンバーで、こちらの記事で紹介している。このたび未発表のスタジオ録音版が動画サイトにアップされた。「ヴィーガン」という言葉(フランス語の発音は「ヴェガン」)、3年前と比べると日本に一層定着したように思える。歌詞大意は動画の下をご覧ください。

 

 

歌詞大意:

思い出す、給食の牛肉

級友たちはみんなもりもり食べてたけど

僕はレタスやセロリのサラダを

確かに僕は顔色が悪かった

プロテイン不足だったみたいで

ヒョロヒョロと呼ばれてた

お昼休みはひとりぼっち

両親もお手上げ

バーベキューの時は生野菜かじってた

 

僕はヴィーガン、ヴィーガンでいる

肉なんか大嫌い

グルテンフリーが僕の日課

僕は海藻を料理する

オムレツも認めない

ステーキは疫病みたいに遠ざける

 

僕はアルパカのセーターは着ない

モヘアやアンゴラも絶対ダメ

革靴なんてぞっとする

馬にも乗らない、苦しめたくないから

ミルク、バター、動物性食品なし

僕は植物性の生き物

飼い猫だって餌はズッキーニ

ネズミを追っかけたら

それは悪いことだと教えて罰を与える

僕にとって人間は草食動物

自分で知らないだけの草食動物

 

僕はヴィーガン、野菜が欲しい

僕はヴィーガン、それでいい

粉末プロテインを食べてるから

ボディーはスリム

僕はヴィーガン、どこが悪い

ステーキを見るだけで

皆さんは舌なめずりするけど

ちょっとは可愛い仔牛のこと考えて

仔羊の股肉の代わりに

アーティチョーク*を食べてごらんなさい

[*若い蕾を食用とする植物。食感は芋に似ている。]

ウクライナのための歌(新作替歌)

バルバラ Barbara の名曲「ゲッチンゲン」Göttingen の曲にのせて、シルヴァンが作詞。歌詞大意は動画の下に掲載します。

 

 

歌詞大意:

セーヌ河からさほど遠くない

長い平野が広がる大きなあの国

それにしても何という狂気

彼らは何故、ウクライナに侵攻したのか

 

花は絶え平穏は失われ

仕事もバカンスもなくなった

戦争が苦しみの数々をひきつれて

ウクライナまでやってきたのだ

 

いつか最悪の事態を覚悟しなければならないのか

歴史は繰り返す、とはいえ何を言えばいいのか

ウクライナのように、警報が夜に鳴り響くなら

 

ヨーロッパが顔をしかめたところで

気をつけろ、戦火は拡大し

憎しみを詰め込んだ爆弾が

ウクライナを破壊するかもしれない

 

もちろん私たちはフランスに住んでいる

何と運がいいんだろう

けれど人生は何と美しかったことか

ウクライナ、キーウでは

 

もちろん私たちの胸は痛む

ひっきりなしに届くニュース

どのチャンネルに変えても

ウクライナからの恐ろしい生映像

    

けれどこの人たちは何と勇敢なのだろう

嵐に負けず立ち向かう

その血管に流れる血は、ウクライナの血

 

無言で歩く女たち、子供たち

あの避難民たちが近づいてきたら

受け入れよう 同じ人たちだ

シリアからでもウクライナからでも

 

元歌「ゲッチンゲン」を書いたバルバラは、ユダヤ人であったため、第二次大戦中ナチスの手を逃れるため隠れ場所を転々とした辛い子供時代の思い出を持つ。そんな彼女が、ドイツの町ゲッチンゲンでの公演を悩みながらも引き受け、会場設営に力を尽くしてくれた現地の若者たちと触れ合う中で心に生まれた思いをもとに書き上げた歌。