25 ans la compil' [2012] | ビフリュオレ通信<BIFLUORESQUEMENT VOTRE>

25 ans la compil' [2012]

25 ans la compil' [2012, EPM/ChansonPlus 3711086]
CD12

01 Moi je fais la vaisselle 僕は皿洗いをする
02 Le moteur à explosion 内燃機関
03 Yop oh ヤッホー
04* Les micros-ondes 電子レンジ
05* Chanson à la carte シャンソン・ア・ラ・カルト
06 L'informatique パソコン
07* Son humour est grand 彼のユーモアは大きい
08* D'Georges Bouch' ヂョージ・ブッシュ
09 L'internationale インターナショナル
10* Sacha de Sochaux ソショーのサシャ
11 Mon pieux 僕のベッド
12 Enfin la paix ついに平和が
13 La marseillaise de la paix 平和のラ・マルセイエーズ
14 Les comiques 俺達コミック
15* Ipo tai tai yé イポタイタイイェ~
16 Perfectionniste 完全主義者
17 Miguel et Javier ミゲルとハビエル
18 Le trio du jambon de Bayonne トリオ・バイヨンヌのハム
19 Les huîtres 牡蠣
20 L'enterrement de belle maman 義母の葬式
21* Ipo Brassens イポ・ブラッサンス
22* First lesson ファースト・レッスン
23 Plus médiéval tu meurs 死ぬほど中世
25 Interrogation écrite 文章問題
26 Ecrit après la visite d'un bagne 徒刑場を訪れて
27 Tonton Thomas トマおじさん
28 Frère Grégory est enrhumé グレゴリオ修道士が風邪引いた
29 Toro piscine 「今夜8時半...」
30* Peler les noix 胡桃むき
31* Le bon public よい観客
(32 Les Aygalades レゼガラード・・・隠しトラック)

活動25周年記念アルバム。タイトルのcompil'(コンピル)はコンピレーションの略語として一般に使われている語。各タイトルの元の収録アルバムは下記のとおり。*はライヴ録音。アルバムタイトルをクリックすると、そのアルバムを紹介したブログページが開きます。
Chanson Plus Bifluorée [1991] : 15*, 16, 21*(=Ipo i taï taï yé 2)
Pourquoi les girafes ? [1992] : 02, 09, 14, 20, 24, 27, 29
Jobard [1994] : 03, 19, 28, 32
Le Meilleur en public [1997] : 30*
Pour de vrai, pour de rire [2001] : 01, 11, 22, 25
Le Cédé en public [2003] : 07*, 08*, 10*
Peinture à carreaux [2005] : 06, 18
De concert et d'imprévu... [2006] : 04*
La plus folle histoire de la chanson [2009] : 13
Poèmes [2011] : 26
・未発表音源:05*, 12, 17, 22*, 31*
05* : 次曲 L'informatique(パソコン)導入のスケッチ。観客からコンピュータ用語
 を集めてミシェルの頭にインプットして即興で歌を作る、と言っている。
12 : 次曲 La marseillaise de la paix(平和のラ・マルセイエーズ)導入スケッチ。
 第2次大戦の終わり、パリ解放時のド・ゴール将軍凱旋パレードを模してい
 る。
17 : 次曲を歌うミシェルとグザヴィエの名前をスペイン語風?(バイヨンヌの言
 語バスク語かもしれない)に変えて紹介、スタジオ録音。
22* : Chanson Plus Bifluorée [1991]に Ipo i taï taï yé 3(イポイタイタイイェ~
 3)として収録されているのと同じ演目だが、別音源。ミシェルとロベールの掛
 け合いによる、英会話教室を模倣した短いコント。
31*: シャンソン三大巨匠のひとりジョルジュ・ブラッサンス Georges Brassens の
 Les amoureux des bancs publics(ベンチの恋人たち) の替歌、25周年ライヴ
 のための新作と思われる。"バン・ピュブリック"をもじって"ボン・ピュブリック"
 つまり、よい観客。「皆さんは本当によい観客、皆さんのお陰で僕らはここま
 でやってきて、こうして音楽で食べていける」と歌う。青少年の合唱隊と共演し
 たライヴ録音。

未発表音源は、正直もっと多くを期待していた。しかし彼らの初期のアルバムには入手困難になっているものも多く、またこうして新旧・スタジオ版・ライヴ版とりまぜて聴くことで、グループの歴史、そして発展と変わらない部分とを再確認できる。
こうしてオリジナル版毎に分類してみて、気付いたことは、まずこのコンピレーションに入ってないアルバムが2枚ある。Y'a des animaux dans mes chansons [2008]はシルヴァンのソロ・プロジェクトにメンバーが参加という建前だからと考えられるが(実質上はグループのレパートリーになっていて、このアルバムを元にしたショウもやっている)、Au bilboquet des planètes [1999]から1曲も入ってないというのは意外。サッカーW杯にちなんだ替歌名曲Aiméはこのアルバム初出なのだが、この1曲のイメージがあまりに強すぎるからだろうか。それともトリオとしての再出発1作目故に、グループ脱退後亡くなったブブ(ロベール・フルカド) の思い出と結びついているためだろうか。
その一方で、92年のPourquoi les girafes ?からの曲が突出して多い。初のスタジオ録音アルバムであり、シャンソン・プリュス・ビフリュオレというグループのアイデンティティが確立された作、いわば彼らの原点なのだろう。
リーフレットには歌詞は掲載されていないが、グループ活動初期の写真や、ライヴのポスター、彼らを紹介した新聞記事などの断片がコラージュ風に散りばめられていて、見ていて楽しい。まだふさふさしていた髪のけったいなヘアスタイル、全て手作りだったという珍妙なステージ衣装。何をたくらんでいるのか分からない不穏さがいっぱいだった。今は見た目はだいぶまともになったが、奇をてらわなくても充分笑いが取れるからである。
最初の見開き2ページには、3人からのメッセージ。長くなるので後日改めて紹介したい。*
そして、裏表紙には「このアルバムはブブに捧げられている」の一文。崇拝するブラッサンスの物真似で観客を楽しませたあの低音が聴けるのも、このアルバムの嬉しいところ。

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