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子肌育Blog アトピーに負けない生活。

子どものアトピー性皮膚炎治療、スキンケアなどについての正しい知識を、わかりやすくまとめています。

ゴダイゴ - ホーリー&ブライト


こんにちは。橋本です。


今の感覚からは、キャスティングされないようなキャラクターがあらわれ、予想外の組み合わせが、予想以上の化学反応をおこす。


そうして、突然変異のような作品が、次から次へとヒットしてしまう時代。


今日は、そんな時代にふさわしかった曲のひとつ、ゴダイゴの『ホーリー&ブライト』を紹介します。


ゴダイゴ:西遊記


 


ゴダイゴ


ゴダイゴ(GODIEGO)は、1976年に結成された日本のバンド。


「モンキー・マジック」「銀河鉄道999」「ガンダーラ」「ビューティフル・ネーム」などのヒット曲を生み出す。


メンバーは、キーボードのミッキー吉野、ボーカルのタケカワユキヒデ、ギターの浅野孝已、ベースのスティーヴ・フォックス、ドラムのトミー・スナイダー。


スティーヴ・フォックスは、宣教師になるために、のちに脱退している。


演奏の技術に関しては、歌謡曲の域をこえた雰囲気を感じさせ、音楽路線も先進的な形を目指していた。


その音楽スタイルの屋台骨は、キーボードのミッキー吉野によるところが大きい。


それは、「モンキー・マジック」のイントロでの、前衛的なシンセサイザーの使い方、歌謡曲ではありえないセンスからでもわかる。


しかし、一般的にゴダイゴを特徴づけていると感じるのは、英語による歌詞。


当時、一部を英語で歌うというのはあったのだが、「モンキー・マジック」のように前編を英語で歌う歌が、ヒットするというのには、誰もが驚きを隠せなかった。


英語では意味がわからない、という以上に、スムーズでやさしいタケカワユキヒデのボーカルが、ゴダイゴ独特の世界観、ヒットにつながっているのは、いうまでもない。


ゴダイゴは、1985年に一度解散状態に入るが、その後、単発で数回再結成。


結成30周年となる2006年以降からは、再結成を確実にし、精力的にライブをおこなっている。


 


西遊記


ゴダイゴにとって、切っても切り離せないのが、1978年から放送されたテレビドラマ「西遊記」。


西遊記は、孫悟空(堺正章)、三蔵法師(夏目雅子)、猪八戒(西田敏行)、沙悟浄(岸部シロー)による冒険劇。


天竺への旅の途中で度重なる災難を乗り越え、三蔵法師一行にうまれる絆や成長を描く物語となっている。


今のテレビドラマでは、考えられないようなキャスティングが用意され、演者の個性がぶつかり合い、予想外の化学反応がおこった、伝説に残るにふさわしいドラマ。


とくに、本来男性であるはずの三蔵法師に、夏目雅子を起用したところに、時代の勢い、ユニークさ、創造性を感じることができる。


なぜなら、それが常識の発想では、考えられないキャスティングだったからだ。


かっこいい俳優と、きれいな女優、ところどころに安定感のある脇役を配置するという、現在の予定調和なキャスティングスタイルと大きくかけ離れている。


そしてこの西遊記に、さらに化学反応をおこさせたのが、ゴダイゴ。


ゴダイゴは、西遊記のオープニング曲で「モンキー・マジック」、エンディング曲で「ガンダーラ」を担当。


音楽の面から、西遊記の緻密な世界観、イメージを、視聴者に強く印象づけるのに、大きな力を貸すことになった。


 


ホーリー&ブライト


「ホーリー&ブライト」は、ゴダイゴが1979年に発表したシングル。


西遊記IIのエンディングテーマにもなった。


 

遠い昔の話で新しいこの星が


いま生まれてぼくらの胸


清く照らしているよ


それはぼくらの心に


新しい地平線を


サァめざせと教えながら


強く輝いてるよ


闇を照らしているよ


Shining holy and bright


けがれない光りが


Oh so holy and bright


君だって見えるよ きらめくその星が


 


Holy & Bright

Godiego

ホーリー&ブライト / ゴダイゴ


 


 


 


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洗濯物に「ピロピロしたワカメ状の黒カビ」がつくんだけど


こんにちは。橋本です。


何も知らないと、洗濯物を干すときに、「おやっ?」と思うことがあります。


時々、黒いピロピロっとしたワカメ状の汚れが、洗濯物につく、あれです。


こんな汚れを洗濯前につけた覚えもないし、念のため洗濯槽を見てみても、そんな汚れなんて残ってないし。


「どこから、こんな汚れがついてきたんだろう?」と不思議に思ってしまいます。


「黒いぴろぴろワカメ」がつくのは、不思議でも何でもなく、この汚れの正体がわかってる人には、退屈な話かもしれません。


「ピロピロした黒いワカメ」の正体は、洗濯槽に発生した黒カビです。


子どもによっては、この黒カビがアトピー、喘息を悪化させることもある。


それがちょっと問題なんですね。


洗濯機:黒カビ


 


洗濯物につく「ピロピロわかめ」の正体


この黒カビ。


洗濯槽にあらわれることもありますが、洗濯槽はピッカピカなのに、洗濯物にだけ、ちょこちょこっと付いてあらわれることもあります。


そうすると、「どっから発生したんだよ」と思ってしまいますが、このように気づいたときには、もうすでに黒カビが大量に繁殖しているなんていうケースもあります。


洗濯・すすぎ・脱水の工程を繰り返して洗濯をするという目的のために、洗濯槽は、内側・外側の二重構造になっています。


そのため、内側(ステンレス)の洗濯槽がきれいでも、外側(プラスチック)の洗濯槽に黒カビが繁殖している。


つまり、裏側の見えないところで、黒カビが大量に繁殖していることもあるわけです。


黒カビ:クラドスポリウム


 


黒カビは、どこでもはえる


洗濯槽にあらわれる黒カビは、クラドスポリウムという種類の真菌(しんきん:カビ)です。


クラドスポリウムの胞子(ほうし:カビのタネ)は、数あるカビの胞子の中でも、家の空気中にもっとも多くただよっている胞子。


いってみれば、家ならどこにでも黒カビのタネが舞っているわけなので、


・ 黒カビのエサになるもの(栄養)

・ 適温(20~25℃)

・ 湿り気(湿度65%以上)


という3つの条件がそろっていれば、食べ物・植物・プラスチックなど、どんなものにでも黒カビが発生する可能性があるんですね。


適温であり、湿り気もあるという点では、洗濯機の中は、黒カビが繁殖するにはうってつけの環境です。


では、もうひとつの黒カビが繁殖する条件。


洗濯機の中で、「黒カビのエサになるもの」とはなんでしょうか?


 


なにが黒カビのエサになるの?


洗濯機の中にある黒カビのエサは、


溶け残った洗剤

石鹸カス

水アカ

洗濯で出た汚れの残り


こういったものであるわけですが。


この中で少し注意してもらいたいのは、石鹸カスは、洗剤が溶け残ったものではないことです。


 


石鹸カスは、洗剤の溶け残りではない


石鹸カスは、化学的には金属石鹸とよばれ、水に含まれるカルシウムやマグネシウムといったミネラル、それと石鹸が反応してできるもの。


通常の家庭で使われる水道水には、少なからずミネラルが含まれています。


だから石鹸を使う以上、石鹸カスが出るのは、さけられないわけですね。


普段、お風呂の鏡に、なかなか取れない白っぽい汚れがついていることに、気づく人もいると思いますが。


あれも、じつは石鹸カスや水アカによる汚れなんですね。


 


石鹸洗濯洗剤は、黒カビにもやさしい


洗濯をすると石鹸カスが出てしまうといっても、実際に石鹸カスが出るのは、粉石鹸などの石鹸洗剤を使った場合だけです。


いわゆる合成洗剤とよばれる、ごく一般的な洗濯洗剤では、石鹸が使われていないため、石鹸カスが出ません。


ですから、石鹸カスによって黒カビがはえやすくなるのは、合成洗剤ではなく、石鹸洗剤のほうなんですね。


石鹸洗剤は、肌にやさしい、環境にやさしいという理由で使いたい、という人も多いかと思います。


しかし、石鹸洗剤が合成洗剤より、肌にやさしいのを実験ではっきり証明することは難しく、肌にやさしいことを示す、決定的な根拠はありません。


ただし、アトピーや敏感肌の子どもの場合、石鹸、合成洗剤どちらにしても、またはそれらに含まれる添加物によって、肌にアレルギーや刺激をおこすこともあります。


日頃の経過から、洗剤がアトピーの悪化要因になっていそうだと強く考えられる場合は、洗剤の1%の溶液をパッチテストすることで、悪化要因かどうかはチェックできます。


そして環境へのやさしさに関しても、より分解されやすい界面活性剤が開発されたり、1回の洗剤の使用量が少なくて済む、いわゆるコンパクト化洗剤で、石鹸洗剤との差はつかなくなってきました。


肌にやさしい、環境にやさしいという理由で使われる石鹸洗濯洗剤。


その一方で、黒カビにもやさしいという、隠れたデメリットもあるわけです。


 


洗濯槽の黒カビ対策: 日ごろ注意すべき4つのポイント


カビに対してアレルギーのある子どもにとって、黒カビはやっかいです。


なぜなら、子どもによっては黒カビが原因で、アトピー、喘息が悪化することも考えられるからです。


では、洗濯機に黒カビがはえないようにするには、どうしたらいいのでしょうか?


日ごろ注意すべき点は、次の4つです。


1) 洗剤の正しい使用量を守る

2) 洗濯機のフタは、普段は開けっぱなしにしておく

3) 洗濯物は、洗濯機内にためず洗濯カゴにためる

4) 定期的に洗濯槽を掃除してあげる


 


1) 洗剤の正しい使用量を守る


つい「これぐらいかなー」と勘だけに頼って、洗剤を投入しがちです。


正しい量をある程度知った上なら何も問題はないのですが、正しい量を知らないまま、好きなだけ洗剤を入れてしまうと、洗剤の溶け残りが多く出てしまうことにも。


洗剤は、多く入れれば入れるほど、汚れが落ちるとは限りません。


十分、洗濯の効果に納得できているのなら、洗剤は少なめに使う。


また、粉状の洗剤よりも、水に溶けやすく、溶け残らない液体タイプの洗剤を使う。


そうすることも、黒カビの発生リスクを、より低くおさえることにつながります。


 


2) 洗濯機のフタは、普段は開けっぱなしにしておく


湿気は、黒カビの大好物です。


洗濯機を運転させていない、普段のあいだは、フタを開けっぱなしにしておく。


開けるか、開けないか。1秒もかからないこと。たったそれだけのことでも、黒カビのより、はえにくさは違ってきます。


 


3) 洗濯物は、洗濯機内にためず洗濯カゴにためる


洗濯物は、洗濯機内にためず洗濯カゴにためない。


そうすることでも、洗濯機内に湿気がたまりにくくなります。


黒カビ対策としては、優先順位は低いですが、こういう気づかいも、少なからず黒カビのはえにくい環境につながります。


 


4) 定期的に洗濯槽を掃除してあげる


定期的に洗濯槽を掃除してあげる。


これが、いちばん重要な黒カビ対策ですね。


洗濯機を運転させる以上、湿気がたまったり、黒カビのエサとなる汚れがたまってしまうことは、どうしても避けられません。


洗濯物がよく出る、小さな子どもがいる家族、大家族なら、なおさらです。


少なくとも3か月に1回。こまめにするなら、1か月に1回定期的に、洗濯槽を掃除することをおすすめします。


日ごろ、石鹸洗剤を使っている場合は、黒カビのエサになる石鹸カスがたまりやすいので、やはり、こまめに掃除してあげたほうがいいですね。


こまめに掃除したほうが、軽い掃除でも黒カビがきちんと落ちる。


そのことを考えると、定期的に洗濯槽を掃除してあげたほうが、長い目でみると楽なメンテナンスになるんですね。


 


 


 


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目のまわりは、「ステロイド眼軟膏」じゃないとダメなの?


こんにちは。橋本です。


目のまわりの皮膚、まぶたや目の下、それから目のキワのあたり。


そこに、アトピーによる湿疹がある場合は、ステロイド外用薬プロトピック軟膏などを適切に使うと、効率よく炎症がおさまります。


で、もしステロイド外用薬を使う場合。


「ステロイド眼軟膏」という種類のステロイド外用薬が処方されることがあります。


しかし、目のまわりに使うステロイド外用薬は、必ず「ステロイド眼軟膏でなければいけない」「ステロイド眼軟膏でなければ困る」というわけではありません。


むしろ、ステロイド眼軟膏以外の選択肢をなくすと、皮膚の炎症をきちんとおさえられないケースさえあります。


症例写真:アトピーによる眼瞼炎(がんけんえん)
症例写真アトピーによる眼瞼炎(がんけんえん)


 


ステロイド眼軟膏とは?


眼に使われるステロイド外用薬には、プレドニン眼軟膏リンデロンA軟膏などがあります。


プレドニン眼軟膏は、眼瞼炎(がんけんえん:まぶたにおきる皮膚炎)眼と粘膜の炎症など


リンデロンA軟膏は、眼と粘膜の炎症などに、おもに使うことができます。


ステロイド眼軟膏:プレドニン眼軟膏


 


ステロイド眼軟膏による効果の強さは?


しかし、これらの眼軟膏の炎症をおさえる力は、とても弱いです。


30種類以上あるステロイド外用薬は、効き目の強さによって「5段階」のランクにわかれているのですが。


その中でも最も弱いランクにあたる、ウィーク・クラス(弱め)よりさらに弱いのが、ステロイド眼軟膏です。


 


製品名が誤解のもとになることも


ステロイド眼軟膏のひとつ、リンデロンA軟膏。


リンデロンA軟膏は、眼、それと眼の粘膜の炎症などに、おもに使われます。


リンデロンA軟膏

ステロイド眼軟膏:リンデロンA軟膏

 


 


一方で、眼軟膏ではなく、ストロング・クラス(5段階中、上から3番目の強さ)のステロイド外用薬に、リンデロンV軟膏というのもあります。


赤ちゃんや子どものアトピー治療では、リンデロンV軟膏は、顔ではなく、おもに体に使われるステロイド外用薬ですね。


リンデロンV軟膏

ステロイド外用薬:リンデロンV軟膏

 


 


この製品名が誤解のもとなんですが。


人によっては、リンデロンV軟膏を眼に使えるようにしたのが、リンデロンA軟膏だと勘違いするかもしれません。


しかし実際には、リンデロンV軟膏とリンデロンA軟膏に配合されているステロイドは、それぞれ違うもの。


炎症をおさえる強さも、かなり違います。


眼の粘膜にも使えるリンデロンA軟膏は、体に使えるリンデロンV軟膏に比べて、皮膚の炎症をおさえる力は、数千分の一とみられています。


アトピーのように強い炎症によって、湿疹やかゆみが出る症状では、このような強さのステロイド眼軟膏では、症状がきちんとおさえられないことも考えられます。


きちんと炎症がおさえられず、炎症が繰り返すと、目の周りに黒い色素沈着が残ったり、シワが目立ってしまったりします。


さらには、きちんと炎症がおさえられないと、ステロイド眼軟膏を長期間、ちょこちょこ使ってしまうことにもなりかねません。


いくら弱いステロイド外用薬といえども、目のまわりの皮膚は薄いので、長期間、ちょこちょこ使ってしまうと、副作用が出ることも考えられます。


 


顔用のステロイド外用薬を使うなら、塗り方に気をつける


アトピーのような皮膚の炎症を考えると、目のまわりの湿疹でも、きちんと顔用のステロイドを使うのも選択肢のひとつです。


たとえば、ミディアム・クラス(やや弱め)ウィーク・クラス(弱め)のステロイド外用薬ですね。


もうひとつの選択肢として、2歳以上の子どもなら小児用のプロトピック軟膏を使うという手もあります。


プロトピック軟膏なら、皮膚の薄い部分でも、皮膚萎縮などの副作用が出ませんからね。


ただ、その時も、一度ステロイド外用薬で炎症をおさえて、肌をすべすべにしてから、プロトピック軟膏に切り替えたほうが、プロトピック特有の刺激感を感じなくて済みます。


どれを使うかは、症状の強さに合わせて、それぞれの薬のメリット・デメリットを比較しながら、お医者さんとよく相談して決めるのがベストです。


ただし、ステロイド外用薬は、ひんぱんに目に入ると眼球内の圧力(眼圧:がんあつ)を上げてしまうことがあります。


眼圧が上がった状態が続くと、緑内障(りょくないしょう)になって視力が落ちたり、場合によっては失明にいたることもあります。


そのため、目のまわり、とくに「目のきわ」に塗るときは、目の中にステロイド外用薬が入らないように塗る必要があります。


なるべく湿疹の部分だけに薬がのるように、ていねいに塗ったり、はみ出た部分は、ふき取ったりする、ちょっとした気づかい、工夫がいるわけですね。


 


定期的に眼科の検診を受ける


ただし、どんなに気をつけて、塗っても、目に入ってしまうのは、しかたがありません。


こればかりは、どうしようもないので、目の周りにステロイド外用薬を使う場合は、眼圧の上昇がないか、定期的に眼科の検診を受けることが重要です。


視力が落ちることは、子どもにとって大きな QOL の低下につながってしまいますからね。


眼圧が上がっても、「痛い」などの自覚症状は、ふつうありません。


いちばん怖いのは、視力の低下に気づいてから、対応することです。


きちんと定期検診で、眼圧の異常に気づくことができれば、ステロイド外用薬を一旦中止することで、眼圧はすみやかに正常に戻ってきます。


また、目のまわりの湿疹がかゆくて、ひんぱんにこすったり、たたいたりすると、白内障のリスクが高くなることも指摘されています。


そういう意味でも、目の周りの湿疹を治療している期間は、定期的に眼科の検診を受けることが、重要なんですね。


 


きちんと保湿剤でフォローアップ


目のまわりは、「ステロイド眼軟膏」ではなければいけないということはありません。


症状をよく診察してもらい、それに合わせた薬を、お医者さんとよく相談して決める。


適切にケアができれば、炎症はスムーズにおさまり、カサカサしていた肌がすべすべになります。


そしてそこで終わりではなく、炎症がおさまっても、保湿剤ですべすべの肌をなるべく長くキープしてあげるのも大きなケアのポイントです。


 


 


 


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「アトピーはアレルギーの病気」という誤解


こんにちは。橋本です。


少し意外かもしれませんが、アトピーという病気を、純粋に「アレルギー疾患」とする考え方には、少し疑問があります。


なぜかというと、アトピーを「アレルギーによる病気」と限定してしまうと、適切なケアを見誤ったり、過剰なケアにおちいってしまったりするからです。


手間に見合うだけの効果が期待できない、行き過ぎた過剰なケアは、ときとして、大きな落胆をうむことも考えられます。


アトピー:環境アレルゲン


現段階では、アトピー性皮膚炎をひきおこす要因として、遺伝的な体質環境的な要因があると考えられています。


 


アトピーの要因(1): 「遺伝的な体質」とは?


「遺伝的な体質」としては、2つのことが考えられます。


1つは、いわゆる「アレルギー体質」。


体の中に異物が入ってきた時、それを排除するために働くIgE抗体(アイ・ジー・イーこうたい)をつくりやすい体質。


それによって、湿疹やかゆみといった、アレルギー反応が出やすいという体質ですね。


もう1つは、「皮膚のバリア機能が弱い体質」。


生まれつき皮膚が乾燥しやすく刺激に弱いという体質ですね。


「アレルギー体質」と「皮膚のバリア機能が弱い体質」の2つの側面。


ここまでが、「遺伝的な体質」としてのアトピーのお話です。


この遺伝的にアトピーをおこしやすい体質を、おおまかにアトピー素因(そいん)とよんでいます。


 


アトピーの要因(2): 「環境的な要因」とは?


そして次に、「環境的な要因」としてのお話。


「環境的な要因」としては、IgE抗体と結合してアレルギー反応をおこす「アレルゲン(抗原:こうげん)」が関係しています。


遺伝的にアトピー素因をもった人が、発症するにいたる因子(いんし:原因の可能性が考えられるもの)。


それから、アトピーの症状を悪化させる因子。


これらには、かび、ダニ、ほこり(ハウスダスト)、花粉、金属、卵・牛乳・大豆といった食物アレルゲン、汚れ、乾燥、体温、引っかくこと、虫歯、ストレスなど、ありとあらゆるものが考えられます。


また、人それぞれに因子は異なり、因子もひとつではなく、複数に渡るケースがほとんどです。


そのため、1つの対策を打ったからといって、劇的に症状が変わりにくい。


そこが、アトピー治療が難しいところ、患者の治療に対する「やる気」を、いちじるしく下げてしまう原因だったりもします。


 


環境的な要因は、「アレルギーだけ」ではない


で、この遺伝以外の要素、環境的な要因は、アレルギーだけではありません。


ここが、誤解されやすいところです。


生まれつきではなく、皮膚の乾燥、それから皮膚への刺激。


そういったものの小さな積み重ねが、皮膚のバリア機能を低下させることで、肌が「アレルゲン」や「刺激」を受けやすくなるために、皮膚に炎症がおこる。


これが、アトピーの湿疹やかゆみにつながると考えられています。


つまり、アトピーは、皮膚がアレルゲンを受けておこるだけではなく、皮膚が刺激を受けることによって悪化するケースも多いわけです。


アレルギーで悪化する側面が強いのか?

刺激(非アレルギー的)で悪化する側面が強いのか?


これは、ひとそれぞれなので、「あの人がこうして治ったから」ということは、ほかの人にも当てはまるとは言い切れません。


そのため、「アレルギーか?刺激か?」というのは、慎重に症状、経過、日常をみながら。


ときには、検査のデータも参考にしながら、判断しなければいけません。


もちろん、「これが犯人に違いない!」という思い込みは捨てるべきですし、治療やケアの方針については、お医者さんとよく相談する必要があります。


思い込みをなくすためにも、お医者さんの客観的な意見、知識も必要なわけですね。


そして、もう一度。忘れてはいけないのが、環境的な要因には、アレルギー的側面と非アレルギー的側面(刺激)があることです。


アレルギーによるアトピー:刺激によるアトピー


 


非アレルギー的側面(刺激)を見逃さない


たとえば、赤ちゃんなら


おむつかぶれ

(注:ただし、カンジダによる皮膚炎との区別には注意が必要です。)

口の周りのよだれによるかぶれ


さらに成長すると、


靴による湿疹ズック靴皮膚炎

肌着がこすれる部分での湿疹

髪の毛先がチクチク刺激し続けることによる湿疹


こういうのが、非アレルギー的側面(刺激)が色濃く影響しているだろうと思われるアトピーの症状です。


ほかにも、


砂遊びによる手のかぶれ


など、アレルギー的側面と非アレルギー的側面(刺激)の境界がはっきりしない症状も数多くあるのが実際です。


 


「遺伝的バリア機能の障害」と「環境によるバリア機能の低下」がある


ここまで、アトピーを発症させたり、悪化させたりするのには、「遺伝的な体質」と「環境的な要因」が関係するのではないか、というのをお話しました。


なんとなく気づくと思うのですが、ひとくちに「皮膚のバリア機能の低下」といっても、遺伝的なものと、生まれつき、体質ではないけれど日常生活で、後からおこったものがあります。


たとえば、フィラグリン遺伝子( FLG )という、今注目されているもの。


それが、遺伝的な体質が関係しているバリア機能、能力の低下だったりします。


一方で、日常生活の積み重ねで、皮膚バリアが壊れていってしまうケースもある。


同じバリア機能の低下からおこるアトピーでも、大きく違うんですね。


しかし、治療していくアプローチは、同じ。


1)まずは、炎症をおさえ


2)ていねいなスキンケアで、正常な皮膚バリアを取り戻せるようサポートし


3)悪化因子を探して、できる範囲で取り除いていく


この基本の三本柱を、バランスよく、根気強く続けることです。


ただ、バリア機能の低下が、体質の影響を強く受けていないケースでは、保湿剤によるケアが短期間で済む場合があることも考えられます。


正常な肌に、あえて保湿剤を塗る必要はないので。


反対に、体質が色濃く影響を受けているような、バリア機能、能力の低下では、長期的に保湿剤によるケアを続けていくこと。


それが、症状をおさえたり、ぶり返しをおこさないようにすることにつながったりするわけですね。


IgE抗体をつくりやすい体質の子どもだと、アトピーを長く繰り返しやすいことが考えられるのはたしかです。


しかし、アトピーは、アレルギーだけが原因とは限らない。


だからこそ、アレルゲンだけにこだわりすぎず、症状をよくみながら、微妙にケアを工夫していく必要もあるんですね。


 


 


 


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「子どものQOLを考える」ということ


こんにちは。橋本です。


一般的には、あまりなじみがないかもしれない、QOL(キュー・オー・エル)という言葉。


あえて、日常的に使う必要がある言葉では、ないかもしれません。


それでも、このQOLというキーワード。とても大事な「ものの見かた」「考えかた」を含んでいるので、このブログでもよく使っています。


ただ、ここまで「QOLとは何か?」について、詳しく取り上げてきませんでした。


なのでここで一度、「QOLとは何か?」ということにクローズアップして、少しみていこうかなと思います。


QOLとは?


 


QOLとは?……ごく普通の生活をさせたい


QOL(キュー・オー・エル)とは:


英語の Quality Of Life(クオリティ・オブ・ライフ)を頭文字で略したもの。

ひとりひとりの人生の内容の質、もしくは社会生活における質のことを指す。

個人がどれだけ人間らしく、自分らしい生活を送り、人生に幸福を感じているか、ということを尺度としてとらえる考え方がQOL。

QOL の「幸福」とは、身心の健康、良好な人間関係、やりがいのある仕事、快適な住環境、十分な教育、レクリエーション活動、スポーツ、レジャーなどの様々な要素からもたらされると考えられる。


QOL に対する取り組みは、1970年代以降、医療の歩みとともに発展してきました。


もともと、医療は人を見るものであって、医学は病気を見るものだとする考え方が中心の世界。


ところが、病気を治すことだけにとらわれるあまり、症状はよくなるものの、社会的にみて「人間らしい生活」が損なわれることに疑問がおこりました。


たとえば、わかりやすく極端な例を出すと、


治療によって、てきめんに、癌(がん)が小さくなった

    ↓    

副作用で歩けなくなった


という場合。


これでは、治療によって QOL が高くなったとは、素直にいえないわけです。


むしろ低下したと言うべきかもしれないですね。


つまり、QOL の向上を目的とすると、「その治療は、本当に必要なのか?」という疑問がおこるわけです。


「 QOL の向上」というのは、何も急に新しく生まれた理論ではなく、ただ単に人間が本来持つ、「ごく普通に生活をしたい」という感情をあらわしているのかもしれませんね。


 


QOL は目に見えにくい


ただし、QOL が高いか、低いかというのは、その人によって感じ方が違います。


周りの人からは、QOL の高い充実した生活を送れているように見えても、本人は現在のQOLにまったく満足していないというケースもありえるわけです。


そういう意味で、QOL は人が決めるものではなく、本人が感じるもの。


ここが「生活水準」といわれるものと、大きく違うところ。


生活水準は、個人の収入や財産から計算をすれば、ある程度、他人と比較できますが、QOLとなると、そうはいきません。


つまり、QOL というのは、じつは実態がつかみにくいものなんですね。


これをしたから QOL がよくなった、もしあれをしていたら QOL がめちゃくちゃになっていた、というのは、その人の現在の結果からは、比較しにくい面も多くあります。


 


「 QOL を高める」ものにも…


QOL の向上をねらうことは、「よく生きる」ために、とても大切なことです。


しかし、注意してほしいのは、どんなケアや治療でも、QOL には二面性あること。


表(おもて)と裏(うら)があることに、注意してほしいんですね。


どんなケアでも、QOL を高める一方で、少なからずQOLを低下させる面があるのが、普通です。


注意をしないと、ときには、QOL を高めるようにみえて、じつは、QOL を大きく低下させるものもある。


実際には、「これをすればQOLが高くなる」とか、「これは、QOLにとって悪い」とか、そう単純にはいえないことのほうが多いのです。


足に不調が出て、ゆっくりとしか歩けない人、歩くのがつらそうな人には、「車いすを使えばいいじゃん」と単純に思いがちです。


が、実際には、人によっては自分の足で歩けないことにプライドが傷つき、QOL がいちじるしく低下するケースもありうるわけです。


 


QOLの「光と影」のバランスをとる


たとえば、アトピーの治療に保湿剤を使うとき。


これを単なる症状を治すという目でみると、「カサカサ肌をなくす」ということが大きいですよね。


視点を QOL に移すと、少々意味が違ってきます。


北風がつらくないので、外出しやすくなる

水を触るときに、あかぎれに対する不安がなくなる

肌がきれいになって、自分に自信が持てる


こうやって、QOL の向上だけを取り上げて見ると、「保湿剤を使わない手はないな」と、保湿剤ですべてが解決するかのように過信してしまいます。


先ほどいったように、普通のケアには、QOL の二面性があります。


保湿剤でいうと、「塗る」という手間、それから時間がかかるということ。


そして、保湿剤を買うという、経済的負担。


だから、QOL の二面性、そして効果をみながら、バランスのいいケアを見つけていくことが大事なんですね。


ここの「効果をみながら」という、効果をたしかめていく根拠。


この根拠として、このブログでは一貫して、広く公開されている「科学」という知識を利用しています。


効果のわからない「妖怪」のような治療法が住むほらあな。


そこを少しでも明るく照らしていこうという試みが、科学だと考えているからです。


 


治療に熱中すると、QOL を忘れてしまいがち


「誰にとっての QOL なのか?」


ともすると、こういうことって、忘れがちです。


極端な治療法にのめりこむと、「この治療法がしたい」ということが、いつしか目的になり、QOL の向上が置き去りにされることがあります。


たとえば、


根拠にとぼしい食事制限

根拠のない長時間の入浴法

植物は絶対に安全と、根拠なく体に塗りつける治療法

高価な水を飲み続ける治療法


こういうものですね。


QOL を考えないということは、結果的に、生活する中で子どもに我慢をしいることになってしまいます。


治療では、症状をなくすことと同時に、生活する中でおこる「つらさ」を、なるべくなくしてあげること。


QOL を高めてあげることが、重要になってきます。


そして、独りよがりな治療に走らないこと、「誰にとっての QOL なのか?」を考えることが、さらに重要になってくるわけですね。


QOL:子どもの笑顔を最優先にする


 


子どもの笑顔を最優先にする


子どもの QOL を考えること。


それは、普通に生活することの素晴らしさを実感するプロセスでもあります。


QOL なんていうと、なんだか少し難しくい言葉ですが。


QOL を最優先に考える


これってカンタンにいうと、結局は、


子どもの笑顔を最優先にする


ということと、同じだったりします。


だから、取り立てて難しい考えかたではないわけです。


最終的な子どもの QOL を考えながら、最善の治療をみつけていく。


将来をになっていく子ども、無限の可能性を持つ子どもにとって、こういうことが一番大事じゃないのかなあ、って思うんですね。


今という時間には限りがあり、時間はあとからは取り返せないという気持ちがあれば、なおさらかもしれません。


 


 


 


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