接触皮膚炎(かぶれ)とは?
こんにちは。橋本です。
今日は、時としてアトピー治療の障害となる「接触皮膚炎」について、ざっと全体的にお話したいと思います。内容は、このような感じで。
1)原因
2)症状
3)接触皮膚炎を見分けるには
4)ほとんどは「遅延型アレルギー」や「刺激」によるもの
5)治療方法
6)原因をはっきりさせるには
7)「アトピーの悪化」と思い込まないように
8)塗り薬でのかぶれに注意
少し長いですが(苦笑)。肌が弱いこどもにとっては、きわめて重要なお話です。
ではでは。
接触皮膚炎とは、一般にいわれる「かぶれ」のことです。
皮膚がかぶれていると、病院では「接触皮膚炎」と診断名がつくわけです。
原因
接触皮膚炎は、その名のとおり、皮膚に接触したものを原因物質としています。
肌に触れることで、「刺激」、または「アレルギー」反応によって、皮膚に炎症がおこる。
それが、接触皮膚炎。
ふだん意識することはないものの、おそらく、たくさんの人が経験しています。
いわゆる「肌に合わない」という現象の多くも、接触皮膚炎をおこしている可能性があるんですね。
皮膚のバリア機能が弱いアトピー患者は、接触皮膚炎をおこしやすい傾向にあります。
症状
実際の症状としては、軽い場合は、「肌が粉をふいたようになる」「細かい皮がポロポロ落ちる」ぐらいのことも。
かゆみ、赤み、はれ、ブツブツ、皮膚がゴワゴワになる。
ひどくなると、やけど状になったり、水ぶくれができることもあります。
接触皮膚炎を見分けるには
接触皮膚炎は、原因物質との接触によるものなので、症状の多くは、境界線がわりとはっきりしているのも特徴です。
とはいっても、素人では簡単に見わけられるものではありません。
いつもとは違う症状。気になる症状が出たら、皮膚科の専門医による早めの診察を受けるのが、治す早道です。
ほとんどは「遅延型アレルギー」や「刺激」によるもの
ほとんどの症状は、原因物質に触れてから、1日~2日、あるいはそれ以上かけて、ジワジワ進行してくる。
「遅延型アレルギー」といわれるもの、もしくは単なる「刺激」による症状。
「遅延型アレルギー」は、蕁麻疹(じんましん)のように、「1時間以内にぱっと出て、2、3時間でぱっとおさまる」、「即時型アレルギー」と比較して使われる言葉です。
治療方法
症状をおさえるには、通常、ステロイド外用薬を使います。
しかし、ステロイド外用薬で症状をおさえるだけでは、根本的な解決になりません。
なぜなら、接触皮膚炎は、原因物質との接触を繰り返しているかぎり、症状が続いたり、悪化したりするからなんですね。
原因物質との接触を避けないで、ステロイド外用薬を塗り続けるのはおすすめしません。
長期に渡るステロイド外用薬の使用は、皮膚を薄くしてしまうからです。
接触皮膚炎の根本的な解決は、原因を特定して、原因物質との接触を避けることです。
原因をはっきりさせるには
接触皮膚炎が出たら、普段の生活を思い返して、「何に触れてから症状が出たか」、容疑者を割り出します。
考えられる容疑者をパッチテストにかけることで、原因がはっきりします。
蕁麻疹は原因不明なことが多いですが、接触皮膚炎は、ほとんどのケースが、パッチテストで、原因が判明します。
「アトピーの悪化」と思い込まないように
症状の特徴、出かたが、アトピーの症状によく似ているので、接触皮膚炎を「アトピーの悪化」と思い込まないように注意が必要です。
塗り薬でのかぶれに注意
どんな塗り薬でも接触皮膚炎をおこすリスクはあります。
なので、「必要のない塗り薬はなるべく使わない」。
これが原則です。
そして、症状をよくすると思って塗っている塗り薬によって、接触皮膚炎をおこしているケースもあるので、注意が必要です。
ステロイドの入っていない湿疹用の塗り薬は、かぶれの発生が多く報告されています。
また、ステロイド外用薬でも、添加物にかぶれている例もあります。
これがやっかいです。
添加物による「かぶれ」が悪化しながら、ステロイドで症状を良くしている。
こういう状況が続くので、接触皮膚炎をおこしていることになかなか気づきにくいんですね。
ステロイド外用薬を塗っても湿疹がおさまらない場合は、接触皮膚炎をおこしてないか注意が必要です。