カビはアトピー悪化のリスクのひとつ
こんにちは。橋本です。
カビにアレルギーがあると、カビによってアトピーが悪化することがあります。
アトピーの子どもは、カビに対してアレルギーを持っていることがよくあるんですよね。
理由は3つあります。
1つは、アトピー患者は体質的に、アレルギーになりやすいこと。
2つめは、アトピーの症状が悪化すると皮膚のバリア機能が弱って、アレルゲンが侵入しやすくなるため。
そして3つめは、カビは日常生活で、触れる回数が多いものだから。
こんな理由もあって、アトピーの子どもは、カビにアレルギーをおこしてしまうことがあります。
ただし、アトピーの子どもが全員、カビで症状が悪化するとはかぎりません。
「カビでアトピーが悪化するどうか」は、パッチテストでわかります。
血液検査だと、「カビアレルギー」と出ても、カビでアトピーが悪化しない場合もあります。
確かめるなら、パッチテストのほうが、より確実ですね。
カビが悪化原因だとしても
もし、パッチテストで「カビ」が悪化原因だと認められたら。
「じゃあ、家からカビをなくせば、アトピーは治るじゃないか」
そう思いたくなります。
しかし。カビが悪化原因だとしても、カビをなくしたらアトピーがきれいさっぱり治ることは、まれ。
なぜなら、ほとんどのアトピーの症状は、複数の原因がからみ合って、悪化する病気だからです。
なので、カビを完璧になくすこと。家の中からきれいさっぱりなくしてしまうことに、あまり意味はありません。
カビアレルギーでなくても
パッチテストでカビアレルギーの反応が出なかったら安心かというと、そうでもありません。
アレルギーは、今まで大丈夫だったものが、急にダメになることもありえる。
そういう、ちょっと意地が悪いのがアレルギー。
アレルギーは、いつ感作するかわからないものなんですね。
カビでアトピーが悪化しないようにするには
カビは、家の中にもたくさんあります。
とういよりも、家の中は、カビにとっても、すばらしく住み心地のいい場所です。
では、カビでアトピーが悪化しないようにするにはどうしたらいいんでしょうか?
まずは、皮膚をなるべくいい状態にキープする。毎日のケアで。
これが第一ですね。
「どうやってスキンケアをするか」「どの薬を使うか」「どのように使うか」など、よくお医者さんと相談することが大切です。
皮膚をなるべくいい状態にコントロールしていけば、悪化の影響もそれだけ少なくて済みます。
さらに、皮膚のバリア機能も回復できるので、アレルゲンの侵入もおさえられるわけです。
そして、第二の対策として。
もちろん、家の中に、カビが生えないように気を使ってあげることも大切ですね。
もし、カビアレルギーであれば。カビが充満する環境で、ステロイド外用薬を使ったらどうなるか?
想像してみてください。
カビで悪化 → 薬で良くなる → カビで悪化 ・・・
症状をおさえきれずに、薬を長期間使うのが目に見えますよね。
長期間、ステロイド外用薬を使えば、皮膚は弱くなってしまう。これがいちばん怖いシナリオです。
そうならないためには、現在、カビアレルギーかどうかにかかわらず、できる範囲でカビのチェック。
そして、カビが生えないような心配りをして生活をする。
水周りや、換気など。ポイントをおさえた、ほんのちょっとの心配り、意識が大事なんですね。