触らないお医者さん…いい医者?ダメな医者?(2)
こんにちは。橋本です。
信頼できるお医者さんを見分けるポイントで、「きちんと肌を触って診察してくれるか?」というのがあります。
誤解を恐れずにいうと、悪いお医者さんは、「触らないお医者さん」です。
「触らない」とは、患者さんの肌を触らずに、診察をするお医者さんです。
なぜ、触診(しょくしん)が大事なのか?
これとは反対に、「ぱっと見ただけで診断できるお医者さんこそ、名医だよ」という意見もあります。
それもある意味、正しいです。
たくさんの診察をこなしてきたお医者さんには、私たちが気づかないようなところまで、ぱっと見ただけでわかることも、多いかと思います。
しかし、そんなすぐれたお医者さんでも、全身の肌を触ることで、もっと症状がよく把握できるはずです。
肌をきちんと触ってみることで、症状について「わかること」が増えても、減ることはありません。
つまり、肌を見ないより、見る。
ただ見るだけより、近づいて見る。
近づいて見るだけより、手で触ってみる、なでてみる。
そのほうが、患者さんの症状について、少なからず「情報量」が増えます。
それによって、的確に症状、経過を把握して、治療方針を決めるのが、いいお医者さんというわけです。
わざわざ肌を触って、何をみるのか?
では、お医者さんは、アトピーの子どもの場合、肌を触って何をみているんでしょうか?
それは、おもにアトピーの初期症状です。
アトピーの初期症状があると、肌が「カサカサ」「ガサガサ」、いわゆる軽い乾燥肌のような症状が出るときがあります。
さらに、軽い鳥肌のような「細かいザラザラ」も、子どものアトピーによくみられる初期症状です。
皮膚に炎症がなければ、肌はやわらかくスベスベですが、炎症があると皮膚に硬さが出てくることもよくあります。
これにきちんと気づいて、早期にケアしてあげれば、症状がひどくならないわけです。
こういう初期症状に気づくことは、アトピーの「ぶり返し」をひどくしないためにも、とても重要です。
ぶり返しも、湿疹になる前の、初期症状でケアしてあげれば、炎症も弱いので、おさえやすいですよね。
それだけ、きちんと触って診察したもらうことは、初期治療にとって大きな助けになります。
さ らに、アトピーでは、炎症が繰り返していると皮膚が「ゴワゴワ」した苔癬化という状態になります。
湿疹は、ジュクジュクしたものだけが重症ではなく、こうしたゴワゴワした苔癬化といわれる湿疹も、比較的重症の部類に入り、それなりのケアが必要になります。
参考記事:
この苔癬化も、触れば、見逃すことがありません。
おうちでも「触ってチェック」の習慣を
とはいうものの、現状では、どのお医者さんでも、きちんと肌を触って診察してくれるとはかぎりません。
なので、お医者さんが「肌を触って診察してくれない」のだけを理由にして、病院を変えるのは、よくありません。
もし今かかっているお医者さんが、きちんと肌を触って診てくれるなら、その先生は信頼できるということですね。
つまり、触診は、お医者さんの努力。
「肌を触って症状をみてくれるか?」は、あくまでもお医者さんの自由です。
お医者さんが、肌を触って診ないからといって、間違った治療をしているわけでもなく、それだけで治療がうまくいかなくなるわけでもありません。
「すべてがお医者さんまかせ」でもいけないんですね。
自分自身が日頃から、子どもの肌を触ってチェックして、「カサカサ」「ガサガサ」「ザラザラ」などの変化に気づくことも大事です。
変化に気づけば、それに合わせたケアができます。
もしケアに迷うようような時。ストレートにお医者さんに相談する、というのが素直にできれば、少しでも治療がスムーズにいくわけですね。