サンフランシスコを牛耳っているケイン一味。それに対決する自警団。
サンフランシスコを訪ねてきたリックとショーティは自警団に協力する。
しかしリックはケイン一味のアデリードという女性に惹かれた。
製作:1952年,脚本:ダニエル・D・ボーチャンプ,監督:ロバート・パリッシュ
■ はじめに
登場人物(キャスト)
リック・ネルソン(ジョエル・マクリー) 元自警団員
ショーティー(リチャード・アードマン) リックの相棒
ジム・マーティン(オンスロー・スティーヴンス) 自警団長
アンドリュー・ケイン(シドニー・ブラックマー) サンフランシスコの悪のボス
アデリード・マッコール(イヴォンヌ・デ・カーロ) ケインの一味
サディ(フローレンス・ベイツ) 酒場チャイナスターの女主人
時代設定は1856年。なお「(1980)サンフランシスコ物語/Inside Moves」とはまったく別の映画。もちろん「(1936)桑港/サンフランシスコ/SAN FRANCISCO」とも別映画。
私のDVDには「自警団」と表示されているが、元の英語では「Vigilantes」。
■ あらすじ
◆ ケイン一味と自警団
リックとショーティはサンフランシスコに向かっていた。途中で自警団によって処刑されている死体に遭遇した。
市内に到着した。ここでも自警団による処刑が行われていた。
サンフランシスコを牛耳るケイン一味と自警団の壮絶な戦いが繰り広げられていた。五年前は悪を一掃したはずであったが、その時よりもひどい状態である。
ケインは大きな顔をして堂々とのさばっている。自警団に対してケイン一味も激しく反撃している。
数年前二人は自警団に属していたが、今回は休暇で来ただけで関係するつもりはない。
リックとショーティは自警団長のジムに会った。ジムに協力を求められるが辞退する。
街角でケインの馬車に出会った。ジムとケインは牽制し合って、いろいろ喋る。
ケインの隣に美しい女性が乗っている。アデリード。ジムとケインのそばで、リックとアデリードはちらちらお互いを見合った。
馬車がスタートした後、ケインはアデリードにリックを探るように指示した。
◆ アデリードと会う
酒場。バーティや賭博が行われている。リックは賭博をしていた。リックが勝ったところで「私も入れてくれる?」と女性がきた。アデリード。
アデリードを含めて賭博をしたが、他のメンバー同士が喧嘩をはじめた。リックとアデリードは続けた。
その後二人は馬車で海岸沿いを走った。二人はお互いに探りを入れるように話した。止まって海を眺めながら話をした。
アデリードはリックをケインの仲間に誘った。ケインの悪事を指摘すると「開発のためには多少の犠牲はしようがない」と答えた。
アデリードはリックにキスをした。「これはケインとは無関係」と付け加えた。
リックが仲間になることを拒否すると、アデリードはリックを殴って馬車をスタートさせた。リックは歩いて帰った。
◆ またアデリードと会う
リックが部屋に帰るとショーティがいた。リックの殴られた跡を見て「どうした?」。「木にぶつかった」と言うと「きれいな木から手紙だ」と紙切れを渡された。
アデリードからの手紙。「先ほどのことを謝りたい」。
ショーティは「近づかない方がいい」と忠告した。そして殴られたにもかかわらず、リックは喜んで出かけた。
アデリードの自宅はかなりの豪邸である。
「なぜ謝るのか?」「気にいったわ。役に立つかも」とまた悪事に誘うようなことをいう。
リックはそれに答えず「俺が来た理由を知っているか?」という。アデリードが「?」という顔をする。リックはアデリードにキスをする。
そしてリックは出ていった。アデリードは怒った。
アデリードの家を出ると、つけられているのに気がついた。しばらく歩き、止まってつけてきた男を脅した。しかし後ろから殴られた。気を失った。
船に連れ込まれた。上海に行く船らしい。
やっと気がついて、抜け出して海に飛び込んだ。
◆ 上院議員選挙
ケインたちは悪事の打ち合わせ。アデリードもいる。
ケインの手下のホルバートを連邦上院議員にする話である。ケインの力をもってすれば、比較的簡単なことである。注、カリフォルニア州がアメリカ合衆国に加わったのは1850年9月9日。
メンバーから若干の反対が出るが、ケインは強引に押し切った。そしてホルバートに誓約書を書かせる。誓約書の内容は「ホルバートは詐欺行為によって現職に就任したことを認めます。選出のために供出された全資金を、ケイン氏に譲渡することに同意します」という露骨なものである。
公開されればホルバートの立場がなくなる。もちろんケインの立場も危うくなる。ホルバートは反対するが、これまたケインに押し切られる。ホルバートは、この誓約書によって、ケインに縛られることになる。ケインは「公開されなければ、なんの問題もない」と平然としている。
◆ 酒場チャイナスター
リックはチャイナスターという酒場に行った。サディーと言う女主人がやっている。
ケガをしているのでびっくりする。「上海に送られそうになった」「誰にやられた?ケイン?」。
そして奥の部屋にはショーティが気絶していた。注、理由は不明。
しばらく休んだ後、リックはショーティを担いで出ていった。
◆ リックは一味に加わる
アデリードは自分の家に戻ってきた。玄関を入ると突然口をふさがれた。リック。
船に連れ込まれた件を追求した。「ケインの差し金か?」。アデリードは否定。
リックは本題に入った。「昨夜の申し出を受ける」。「組織に入りたいの?」とアデリードが答えたところで、ケインが手下とともにが現れた。
手下はリックを疑っているが、ケインはリックを認めた。
リックが戻ってきて話をすると、ショーティはリックがアデリードに操られていると忠告する。
◆ 脱獄させる
ケインが「明日裁判が行われる。ジャック・マイヤーを脱獄させろ」とリックに指示してきた。
リックは、この計画をジムに話して、ケインを騙すための手段であると言う。
夜、リックとショーティは刑務所の前にきた。作戦は「囚人が死亡したことにする。葬儀屋が刑務所に入ったら、一緒に入り拳銃を突き付けて、ジャックを連れ出す」。注、刑務所の係官であれば、囚人が死亡したか否かは掴んでいるはずなので、この作戦はおかしくないか?
偽情報にもとづいて葬儀屋の馬車がきた。リックとショーティは一緒に入り拳銃を取り出して看守を脅してジャック・マイヤーを連れ出した。
しかしジャックがリックを殴った。同時に潜んでいた男から銃撃された。ジャックたちは馬車で逃げた。
◆ リックは死亡した
リックはチャイナスターの奥の部屋に運ばれた。ショーティ、ジムも来た。医者も来た。
手当てをしてもらいながら、リックはジムに「俺が死亡したと新聞に載せろ」という。
◆ アデリードが切れた
アデリードが怒った顔でケインの事務所に入ってきた。新聞をケインの前に突き出した。リックの死亡記事。
「あんたの指示?」「そうだ」。さらに「私のことを分かってるの?彼を愛してるの」と切れた。今までのアデリードとは態度が違うので、さすがのケインも戸惑っている。
アデリードは拳銃を突き付けて「この責任は取ってもらう」。
さらに「もし私が一時間以内に戻らないと、サンフランシスコ新聞に例の宣誓書を公開する手はずになっている」。
「どうすればいい?」「手遅れよ」。アデリードは拳銃を構えたまま、後ずさりして外に出て消えた。
残ったケインは「サンフランシスコを燃やしてでも証拠を隠滅する」と喚いた。
◆ アデリードが逮捕される
ジム、リック、ショーティが話している。
リックは「アデリードがケインにやられる前にケインを殺す」という。ジムは「殺人は止せ、明日必ず逮捕する」と止めるがリックは納得しない。
リックはジムの「殺したら、友人であっても逮捕する」という声を後にライフルを持って出かけた。
ジムはアデリードを逮捕した。これはむしろアデリードを保護するため。
アデリードが捕らわれている部屋にショーティが入ってきた。そしてリックが生きていることを伝えて「やり残した仕事が終わったら来る」と出ていった。
◆ ケインの決起集会
ケインの上院議員選挙を目指した決起集会が開かれている。多数の人間が集まっている。
そこにリックとショーティがライフルをもって現れた。リックが生きていると知って驚いている。
リックはライフルを構えるが、ケインは決闘を提案する。リックも受けて立つ。
翌朝、海岸、武器は散弾銃。
◆ 決闘
ショーティは「なんで散弾銃にした?」。アデリードは「ケインはきっと卑怯な手段を使う」と心配している。
海岸にリックとショーティ。そしてケインともう一人が集まった。他には誰もいない。
リックとケインは散弾銃を持って馬に乗った。双方が海岸を相手を窺いながら移動していく。
ケインが散弾銃を構えた。リックも構えた。
しかし海岸を見下ろす丘の上からリックを狙って銃撃。リックは落馬した。落とした散弾銃を拾ってケインを撃つ。ケインは倒れる。
ショーティが銃撃者を撃った。
二人はケインの死体のそばに立った。
◆ 出発
本来アデリードはケインと一緒に犯した罪があるのだがジムは目をつぶった。
リック、ショーティ、アデリードはジムに別れを告げた。
■ 出演作
◆ ジョエル・マクリー
(1939)大平原/Union Pacificq
(1941)サリヴァンの旅/Sullivan's Travels
(1944)西部の王者/Buffalo Bill
(1957)荒野の追跡/TROOPER HOOK
(1958)峡谷の対決/Cattle Empire
(1937)脅すギャングと助けるギャング/Internes Can't Take Money
(1949)死の谷:列車強盗/Colorado Territory
(1950)フレンチー:殺された父親の仇/FRENCHIE
(1940)海外特派員/Foreign Correspondent
(1948)西部の四人/FOUR FACES WEST
◆ イヴォンヌ・デ・カーロ
(1942)拳銃貸します/This Gun for Hire
(1943)誰が為に鐘は鳴る/For Whom the Bell Tolls
(1949)裏切りの街角/Criss Cross
(1953)海賊船シーデビル号の冒険/Sea Devils
(1963)マクリントック/McLintock!
(1950)海の無法者/海賊の女/BUCCANEER'S GIRL
(1952)サンフランシスコ物語/The San Francisco Story
(1952)優しい悪魔/Scarlet Angel
(1945)西部のサロメ/Salome, Where She Danced
(1956)炎の島/復讐に賭けた女/Flame of the Islands
(1945)開拓地の女/Frontier Gal
(1950)砂漠の鷹/The Desert Hawk
(1948)迷路/カスバ
(1954)怒りの刃/Passion
(1957)南部の反逆者/Band of Angels
(1955)死闘の丘/Shotgun
(1948)川の女、偽りの瞳/River Lady
(1949)カラミティ・ジェーンとサム・バス/Calamity Jane and Sam Bass
(1949)西部を股にかける女/The Gal Who Took The West
(1948)無法者ブラックバート/Black Bart