The Gal Who Took The West

オハラ将軍の二人の甥は歌手のリリーをめぐって、激しい争いを繰り広げた。


製作年:1949、脚本:William Bowers、Oscar Brodney、監督:Frederick de Cordova


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 リリアン・マーロー(イヴォンヌ・デ・カーロ) リリー
 マイケル・オハラ将軍(チャールズ・コバーン)
 リー・オハラ(スコット・ブラディ) 将軍の甥
 グラント・オハラ(ジョン・ラッセル) 将軍の甥
 ナンシー(マーナ・デル)
 ホーリー(ジェームズ・ミリカン)

リリアンが駅馬車から下りるときに気を失って倒れる場面が三回ある。すべて演技。イヴォンヌ・デ・カーロは歌手・ダンサーでもある。本作では素晴らしい歌やダンスが披露される。
 


■ あらすじ

◆ オハラ将軍

1890年代、アリゾナ。マイケル・オハラ将軍は、多くの土地と牛を所有している。

オハラ将軍には二人の甥がある。リー・オハラとグラント・オハラ。将軍の財産は、いずれはどちらか一人が相続する。財産の分割はなされない。

そのためかどうか、二人は仲が悪く、何かにつけて対立している。これについては周りの人々も心配している。

◆ オペラハウス

将軍は当地にオペラハウスの建設を企画した。東部からオペラ歌手を迎えることにした。

それで呼ばれてきたのは、リリアン・マーロー、通称リリー。実はオペラ歌手ではない。何かの手違い。

リリーが歌い始めると、みんなが顔をしかめた。リリーは、舞台の上で大袈裟に動き回り、若干下品な動きをしながら歌った。とうていオペラとは言い難いものである。しかし歌は上手である。

さらに客席に下りてきて、なれなれしく顔を客に近づけ、肩に手を置いてポーズをして歌った。

だが途中から観客は拍手を送り始めて、それは次第に大きくなった。

当初の予定とは違ったが、リリーは将軍や観客に好意的に受け入れられた。

リリーは将軍の屋敷で暮らすことになった。

◆ 二人の甥はリリーを好きになった

将軍の二人の甥もリリーに惹かれた。正確に言えば、歌手としてリリーを評価したというよりも、女性としてのリリーを好きになった。

また二人ともハンサムで財産を持っている。リリーも二人に惹かれた。

リリーが迷って決められないために、二人の争いは激化した。部下を動員して、実力行使を伴う争いをした。このあたりがスゴイ展開である。

将軍は、対立が決定的にならないように、二人の争いを制御したが、それ以上の介入はしなかった。

二人の対立が度を超すようであれば、将軍は配下の騎兵隊を使って抑えた。

◆ リリーはグラントを選んだ

リリーも二人をじらすために決断を遅らせていたわけではないだろう。迷っていたのは、二人が甲乙つけがたかったからである。

ついにリリーはオハラ家の家族会議で発表した。結果はグラントっ!

ラストは孫もできたリリーが昔を回想している場面。二人の孫がいつも喧嘩している。
 


■ 出演作

イヴォンヌ・デ・カーロ
(1942)拳銃貸します/This Gun for Hire
(1943)誰が為に鐘は鳴る/For Whom the Bell Tolls
(1949)裏切りの街角/Criss Cross
(1953)海賊船シーデビル号の冒険/Sea Devils
(1963)マクリントック/McLintock!
(1950)海の無法者/海賊の女/BUCCANEER'S GIRL
(1952)サンフランシスコ物語/The San Francisco Story
(1952)優しい悪魔/Scarlet Angel
(1945)西部のサロメ/Salome, Where She Danced
(1956)炎の島/復讐に賭けた女/Flame of the Islands
(1945)開拓地の女/Frontier Gal
(1950)砂漠の鷹/The Desert Hawk
(1948)迷路/カスバ
(1954)怒りの刃/Passion
(1957)南部の反逆者/Band of Angels
(1955)死闘の丘/Shotgun
(1948)川の女、偽りの瞳/River Lady
(1949)カラミティ・ジェーンとサム・バス/Calamity Jane and Sam Bass