源氏イラスト訳【若紫357】別人 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫357】別人

「あらざりけり」と、あきれて、恐ろしと思ひたれば、

「あな、心憂。まろも同じ人ぞ」

とて、かき抱きて出でたまへば、大夫、少納言など、「こは、いかに」と聞こゆ。

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おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

あらざりけりあきれ恐ろし思ひたれ

訳)「父上ではなかったわ驚きあきれ怖い思っているので、

 

 

あな心憂まろ同じとて

訳)ああつらいわたしも父宮と同じ人です言っ

 

 

かき抱き出でたまへ

訳)かき抱い出て行きなさるので

 

 

大夫少納言など、「いかに聞こゆ

訳)惟光大夫少納言の乳母などは、「これどうしたことか申し上げる

 

【古文】

あらざりけりあきれ恐ろし思ひたれ

あな心憂まろ同じ

とてかき抱き出でたまへ大夫少納言など、「いかに聞こゆ

 

【訳】

「父上ではなかったわ驚きあきれ怖い思っているので、

ああつらいわたしも父宮と同じ人です

言っかき抱い出て行きなさるので惟光大夫少納言の乳母などは、「これどうしたことか申し上げる

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【あら】…ラ変動詞「あり」未然形

■【ざり】…打消の助動詞「ず」連用形

■【けり】…詠嘆の助動詞「けり」終止形

■【と】…引用の格助詞

■【あきれ】…ラ行下二段動詞「あきる」連用形

※【あきる】…驚きあきれる

■【て】…単純接続の接続助詞

■【恐ろし】…恐ろしい。怖い

■【と】…引用の格助詞

■【思ひ】…ハ行四段動詞「思ふ」連用形

■【たれ】…完了の助動詞「たり」已然形

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【あな】…ああ

■【心憂(こころう)】…ク活用形容詞「心憂し」の語幹

※【心憂し】…つらい。情けない。嫌だ

■【まろ】…わたし

■【も】……添加の係助詞

■【同じ】…シク活用形容詞「同じ」連用形

■【ぞ】…強意の係助詞(文末用法)

■【とて】…~と言って

※【と】…引用の格助詞

※【て】…単純接続の接続助詞

■【かき抱(いだ)く】…抱く(「かき―」は接頭語

■【て】…単純接続の接続助詞

■【出(い)で】…ダ行下二段動詞「出づ」連用形

■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【大夫(たいふ)】…光源氏の従者、惟光大夫をさす

■【少納言】…若紫の侍従、少納言の乳母をさす

■【など】…例示の副助詞

■【こはいかに】…これはどうしたことか

※【こ】…これ

※【は】…取り立ての係助詞

※【いかに】…どのように

■【と】…引用の格助詞

■【聞こゆ】…「言ふ」の謙譲語(作者⇒光源氏)

 

重要古語一覧はこちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

☆本日の『源氏物語』☆

 

「大夫」というのは、

光源氏の腹心の従者である、惟光(これみつ)のことをさします。

 

 

光源氏の命を受けて、

若紫を連れ出すということを、

わかっていなかったのでしょうか、ね?

 

びっくりびっくりびっくり

 


 

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