源氏イラスト訳【若紫356】御使
御髪かき繕ひなどしたまひて、
「いざ、たまへ。宮の御使にて、参り来つるぞ」
とのたまふに、
ーーーーーーーーーーーーーーー
YouTubeでもちょっとずつ「イラスト訳」の動画をあげています。
日々の古文速読トレーニングにお役立てくださいね。
【源氏物語イラスト訳】
御髪かき繕ひなどしたまひて、
訳)お髪をかき撫でて整えたりなどしなさって、
「いざ、たまへ。
訳)「さあ、いらっしゃい。
宮の御使にて、参り来つるぞ」とのたまふに、
訳)父宮さまのお使いとして、参ったのだぞ」とおっしゃると、
【古文】
御髪かき繕ひなどしたまひて、
「いざ、たまへ。宮の御使にて、参り来つるぞ」
とのたまふに、
【訳】
お髪をかき撫でて整えたりなどしなさって、
「さあ、いらっしゃい。父宮さまのお使いとして、参ったのだぞ」
とおっしゃると、
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
■【御―】…尊敬の接頭語(作者⇒若紫)
■【掻き繕ふ(かきつくろふ)】…かきなでて整える
■【など】…例示の副助詞
■【し】…サ変動詞「す」連用形
■【たまひ】…ハ行四段動詞「たまふ」連用形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【て】…単純接続の接続助詞
■【いざたまへ】…さあ、いらっしゃい
■【宮】…ここでは、若紫の父である兵部郷宮をさす
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【御―】…尊敬の接頭語(作者⇒父宮)
■【使(つかひ)】…使者
■【にて】…資格の格助詞
■【参り来(き)】…カ変動詞「参り来(く)」連用形
※【参る】…「来」の謙譲語(光源氏⇒若紫)
■【つる】…完了の助動詞「つ」連体形
■【ぞ】…強意の係助詞(文末用法)
■【と】…引用の格助詞
■【のたまふ】…「言ふ」の尊敬語(作者⇒光源氏)
■【に】…順接の接続助詞
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
若紫は、寝ぼけて、
光源氏を父親だと思って近寄ってきます。
光源氏は、それに乗じて、
「父の使者ですよ、さあ一緒に参りましょう」
と、、彼女を連れ出す口実にするわけなんですね。