【若紫52-3】古文単語「萎ゆ」☆
こんにちは。このブログは
源氏物語イラスト訳「古文単語」のカテゴリです。
古文単語には、
1.とにかく丸暗記して覚える
2.漢字やイメージで覚える
3.文脈判断で決める
などの覚え方があります。
今回は、現代と活用の違う古語です☆
【今回の源氏物語】
白き衣、山吹などの萎えたる着て、走り来たる女子、あまた見えつる子どもに似るべうもあらず、いみじく生ひさき見えて、うつくしげなる容貌なり。
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今回出てきた古文単語
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■【白き】…ク活用形容詞「白し」連体形
■【衣(きぬ)】…着物
■【山吹(やまぶき)】…襲(かさね)の色目。表は薄朽ち葉色、裏は黄色。
■【など】…例示の副助詞
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【萎え】…ヤ行下二段動詞「萎ゆ」連用形
※【萎(な)ゆ】…衣服が着慣れて柔らかくなる
■【たる】…存続の助動詞「たり」連体形
■【着】…カ行上一段動詞「着る」連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【走り来(き)】…カ変動詞「走り来(く)」連用形
■【たる】…完了の助動詞「たり」連体形
■【女子(をんなご)】…女の子
■【あまた】…たくさん
■【見え】…ヤ行下二段動詞「見ゆ」連用形
■【つる】…完了の助動詞「つ」連体形
■【子ども】…子供たち
■【に】…対象の格助詞
■【似る】…ナ行上一段動詞「似る」終止形
■【べう】…当然(推量)の助動詞「べし」連用形ウ音便
■【も】…強意の係助詞
■【あら】…ラ変動詞「あり」未然形
■【ず】…打消の助動詞「ず」連用形
■【いみじく】…シク活用形容詞「いみじ」連用形
※【いみじ】…はなはだしい
■【生(お)ひさき】…将来
■【見え】…ヤ行下二段動詞「見ゆ」連用形
※【見ゆ】…見える
■【て】…単純接続の接続助詞
■【うつくしげなる】…ナリ活用形容動詞「うつくしげなり」連体形
※【うつくしげなり】…かわいらしい様子
■【容貌(かたち)】…顔かたち
■【なり】…断定の助動詞「なり」終止形
◇ 今回は「なり」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「萎ゆ」 ☆
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白き衣、山吹などの萎えたる着て、走り来たる女子、あまた見えつる子どもに似るべうもあらず、いみじく生ひさき見えて、うつくしげなる容貌なり。
問)次の傍線部の意味として最も適当なものを1つ選べ。
1.白い着物や山吹の襲で着なれてよれよれになったものを着て
2.白い着物や山吹の襲といった縮れた着物を着て
3.白や山吹色の着物で、きちんとしたものを着て
4.白や山吹色の襲などの汚れているものを着て
5.白い着物や山吹の襲に縮れた衣を重ね着て
古文読解のためには
次の3つの知識が必要です。
● 古文単語をきっちり覚える
● 古典文法を押さえる
● 古文常識を理解する
この【重要古語】カテゴリでは
今回出て来た『源氏物語』の一語一語を
詳しく解説しつつ、
特に今回注目したい古語をピックアップして
詳しく解説しています。
今回の古語はこれ☆
【萎ゆ(なゆ)】
【自動詞:ヤ行下二段活用】
①力が抜けてぐったりとする。なえる
②(衣服が着慣れて)柔らかくなる
③(植物が)しおれる
*Weblio古語辞典より
前後の文脈をみると
明らか、着物にかかわる②の意味ですよね~!
「萎(な)える」という現代語はご存じですよね。
気持ちが萎える…という表現からも分かるように
着物が「萎える」とは、
しおれてよれよれになる
という意味です。
【答え】…1
白き衣、山吹などの萎えたる着て、走り来たる女子、あまた見えつる子どもに似るべうもあらず、いみじく生ひさき見えて、うつくしげなる容貌なり。
● 過去記事リンク
■来(く)
■あまた
■見ゆ
■も
■いみじ
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