【夕顔345-3】古文常識「三位中将」
中学受験を終えられたみなさん。
古文の大学受験は、情報処理能力がカギ☆
早めの古文目線の習得が不可欠ですよ~♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
古文単語は、
1.古今異義語(現代の意味と違うもの)
2.古典多義語(現代より幅広いもの)
3.古今同義語(現代と同じ意味のもの)
があります。
大学入試によく出るのは、今回のような【古典常識語】です♪
【今回の源氏物語】
「…親たちは、はや亡せたまひにき。三位中将となむ聞こえし。いとらうたきものに思ひきこえたまへりしかど、…」
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今回出てきた古文単語
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■【親たち】…(夕顔の)両親
■【は】…取りたての係助詞
■【はや】…早く
■【亡せ】…サ行下二段動詞「亡す」の連用形
※【亡(う)す】…亡くなる
■【たまひ】…ハ行四段動詞「たまふ」の連用形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(右近⇒夕顔)
■【に】…完了の助動詞「ぬ」の連用形
■【き】…過去の助動詞「き」の終止形
■【三位(さんみ)中将】…近衛(このえ)の中将で三位にのぼった人
■【と】…引用の格助詞
■【なむ】…強意の係助詞
■【聞こえ】…ヤ行下二段動詞「聞こゆ」の連用形
※【聞こゆ】…「言ふ」の謙譲(右近⇒世間の人)
■【し】…過去の助動詞「き」の連体形
■【いと】…とても
■【らうたき】…ク活用形容詞「らうたし」の連体形
※【らうたし】…かわいい
■【に】…内容を示す格助詞
■【思ひ】…ハ行四段動詞「思ふ」の連用形
■【きこえ】…ヤ行下二段動詞「きこゆ」の連用形
※【きこゆ】…謙譲の補助動詞(右近⇒夕顔)
■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」の已然形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(右近⇒両親)
■【り】…存続の助動詞「り」の連用形
■【しか】…過去の助動詞「き」の已然形
■【ど】…逆接確定条件の接続助詞
◇ 今回は「り」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「三位中将」 ☆
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「…親たちは、はや亡せたまひにき。三位中将となむ聞こえし。いとらうたきものに思ひきこえたまへりしかど、…」
問)傍線部の説明として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.夕顔の父親が三位中将と呼ばれていたことから、多くの人々の信頼を得ていたのだということがわかる。
2.夕顔の父親の位が近衛中将であったということから、そんなに低い身分ではなく中の品であったことがわかる。
3.夕顔の父親が三位という低い身分であったことから、夕顔の卑しい所作がどこから来たものなのかがわかった。
4.夕顔の父親は、上達部にも入る三位中将であったことから、夕顔の身の上はもとは上の品であったことがわかる。
5.夕顔の父親が殿上人にあたる三位中将であったことから、本当ははなはだしく高位のお人であったのだとわかる。
古文でむずかしいのは、
このような官職などの古典常識が
さっぱり分からないことがありますよね~;;
(*′•ω•`*;)
上のような問題が、
今後の大学入試共通テストで出て来るかどうか…
今はまだ、なんとも言えませんが、
昨今のプレテストをみると…、
どちらかというと、国語は、
精読というよりも、速読力・情報処理力☆
(`・д´・ ;)
そのような古文読解において、
古文常識も含めた情報処理能力も要されると思います。
【三位中将(さんみのちゅうじょう)】
【名詞】
…近衛(このえ)の中将で三位にのぼった人。本来中将は四位に相当し、三位にのぼるのは大臣の子や孫などに限られていて特別待遇であった
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
し、知らねぇ~~!!
っ(((((゚Д゚ ;))))
…なんて言ってる場合じゃありませんよぉ~!
なぜなら、「三位」などの古文常識は、
高校の教科書でも、よく出てくるんですから!
【解答】…4
※ちなみに、5は、スギの選択肢です。。。
「…親たちは、はや亡せたまひにき。三位中将となむ聞こえし。いとらうたきものに思ひきこえたまへりしかど、…」
● 過去記事リンク
■はや
■いと
■らうたし
■たまへり
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