【夕顔174-3】古文単語「経営(けいめい)」
源氏物語イラスト訳 重要古語
【古文単語の主なパターン】
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…高校生がほぼ使わない死語?
【今回の源氏物語】
右近、艶なる心地して、来し方のことなども、人知れず思ひ出でけり。預りいみじく経営しありく気色に、この御ありさま知りはてぬ。
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今回出てきた古文単語
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■【右近(うこん)】…夕顔のお付きの女房
■【艶なる】…ナリ活用形容動詞「艶なり」連体形
※【艶(えん)なり】…優美だ。なまめかしい
■【心地(ここち)】…気分
■【し】…サ変動詞「す」連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【来し方(きしかた)】…過ぎ去った過去
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【など】…例示の副助詞
■【も】…強意の係助詞
■【人知れず】…人知れず。ひそかに
■【思ひ出で】…ダ行下二段動詞「思ひ出づ」連用形
■【けり】…過去の助動詞「けり」終止形
■【預(あづ)かり】…管理人
■【いみじく】…シク活用形容詞「いみじ」連用形
※【いみじ】…ひどい。はなはだしい
■【経営(けいめい)】…世話・接待をしたり準備をしたりして、忙しく立ち働くこと。奔走
■【し】…サ変動詞「す」連用形
■【ありく】…あちこち動きまわる
■【気色(けしき)】…ようす
■【に】…原因の格助詞
■【この】…指示連体詞
■【御ありさま】…光源氏の身分。ご境遇
※【ありさま】…境遇。ようす
■【知りはて】…タ行下二段動詞「知り果つ」連用形
※【知りはつ】…すっかりわかる
■【ぬ】…完了の助動詞「ぬ」終止形
◇ 今回は、「し」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「経営」 ☆
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右近、艶なる心地して、来し方のことなども、人知れず思ひ出でけり。預りいみじく経営しありく気色に、この御ありさま知りはてぬ。
問)傍線部の意味として最も適当なものを次の中から選べ。
1.管理人が非常に忙しく奔走している様子
2.管理人が非常に行き届いた配慮をしている様子
3.管理人がとても誠実に動きまわっている様子
4.管理人がひどく鼻持ちならなくうろついている様子
5.管理人がひどく慌てふためいて歩き回っている様子
「経営」というと、
現在では会社事業を営むという意味ですが、
古文では、少し違うようです。
【経営(けいえい)】
【名詞】
①建物を建てること。建築。構築
②物事を行うこと
③「けいめい」に同じ
*Weblio古語辞典より
…ん?
「けいめい」…?
…(゚Д゚≡゚Д゚) ?
実は、今回の古語も、
「けいめい」の方の意味がしっくりきます。
【経営(けいめい)】
【名詞】
…世話・接待をしたり準備をしたりして、忙しく立ち働くこと。奔走
*Weblio古語辞典より
「経営の神様」と言われる故松下幸之助氏によると、
会社という社会は、人間の集団なのだから、
大勢の仲間が協力して5倍、10倍の力になる。
その原動力は、ともに心の通い合う人間の「友愛」だ、と。
古文の
「物事を行う」「作り上げる」という意の「経営(けいえい)」も、
「接待のために奔走する」という意の「経営(けいめい)」も、
人間という集団社会の構築という基盤を念頭に置くと、
すっと、心の中にしみ入ってきます。。。
(o´・ω・`o)
正解…1
右近、艶なる心地して、来し方のことなども、人知れず思ひ出でけり。預りいみじく経営しありく気色に、この御ありさま知りはてぬ。
● 過去記事リンク
■も
■人知れず
■預かり
■いみじ
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