【帚木202-3】古典の美意識☆「艶なり」☆
勉強お疲れさま~あいです。
古文単語・文法覚えは、古文を読む必要条件☆
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【本日の古文単語】
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
■【艶(ゑん)なり】…艶っぽい、優美である
■【歌】…和歌
■【気色ばむ】…気取っている、思わせぶりである
■【る】…完了の助動詞「り」の連体形
■【消息(せうそこ)】…便り、手紙
■【せ】…サ変動詞「す」の未然形
■【で】…~ないで(打消接続)
■【いと】…何ともはなはだしい様子
■【ひたやごもり(直屋籠もり)なり】…家に籠もりっきりの様子
■【情けなし】…思いやりがない、薄情である
■【しか】…過去の助動詞「き」の已然形
■【ば】…~ので(順接)
■【あへなし】…張り合いがない、拍子抜けである
■【心地(ここち)】…心持ち、気持ち
■【し】…サ変動詞「す」の連用形
■【~て】…~して(単純接続)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
今日の古語詳解は、「艶なり」について☆
では行ってみよ~♪
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「艶(えん)」というのは、
はなやかさ、あでやかさを基本とする感覚美や官能美を表す語です。
≧(´▽`)≦
実は、「艶」という言葉は、もともと中国大陸から輸入されてきた言葉でした。
「豊」かな「色」と書いて…「艶」☆
ヽ(゚◇゚ )ノ
古代日本人は、この言葉に、色彩豊かな美意識をあてはめたことでしょう。
自然の描写については、
色彩感のある優美さ、あでやかな美しさ☆
人事の描写については、
多く、恋愛にかかわるなまめかしさ、艶っぽさ☆
現代なら、「艶」という語をイメージすると、
艶美、妖艶などといった、セクシャルな面ばかりが、
いたずらに強調されてる感がありますよね^^;
でも、上に見たように、古典の世界では、
「艶」という語は、雪の降る風情も、動物の鳴く声も、
人の服装も、花の色でさえも、「艶」ということになるんです!
ヽ(゚◇゚ )ノ
【艶(えん)なり】ナリ活用形容動詞
①あでやかで美しいこと、優美
②なまめかしいこと、色っぽいこと
③中世の歌学や能楽における、美的理念の1つ。優雅な官能美、妖艶
(※『全訳古語例解辞典』小学館 より)
今回は、妻の「和歌」に対する描写ですので、
②なまめかしいこと、色っぽいこと
↑
この意で訳したほうが自然かもしれません。
(*^_^*)
つまり、古文単語は、①の意はあくまでも基本であって、
古今異義語でも、現代用いる意として出てくる場合があるんです。
お気をつけくださいませ☆
(o^-')b
特に、③の意☆
③中世の歌学や能楽における、美的理念の1つ。優雅な官能美、妖艶
↑
近年、大学入試によく登場する、近世の歌論、物語論などでも、必須の知識となってきます。
まあ、現代の意でもある、「妖艶」と訳出すればいいわけですが…^^;
押さえておくにこしたコトはないですよね!
ヽ(;´ω`)ノ
ちなみに、「艶」以外にも、
古典特有の美意識を表す形容詞があります。
古典における重要な美意識ですので、
また、あわせて覚えておきましょうね☆
(o^-')b
● 本日の「源氏物語」まとめ
■帚木202(原文)
「…艶なる歌も詠まず、気色ばめる消息もせで、いとひたや籠もりに情けなかりしかば、あへなき心地して、…」
自力での現代語訳が難しい場合は、
下のリンクも復習してね♪
● 本日の古語~過去記事リンク~
■気色ばむ
■いと
■情けなし
■あへなし
(※その他重要古語一覧はこちら )
あいでした