【帚木124-3】「あへなし」の語源~『竹取物語』から
勉強お疲れさまあいです。
宮城県沖でひどい地震があったようですね;
皆さんご無事でしょうか…
この【重要古語】は、毎日一語ずつ詳解しています。
受験生の考えるヒントとしてご活用ください♪
↓今日の古文単語はコレ↓
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■【みづから】…自分で
■【額髪】…額にかかる髪
■【掻き探る】…掻き分けて確かめる
■【あへなし】…手応えがない、張り合いがない
■【心細し】…心細い、頼りない
■【已然形+ば】…~ので、~と(順接)
■【うちひそむ】…泣き顔になる
■【ぬ】…完了の助動詞「ぬ」の終止形
■【かし】…~よ(念を押す終助詞)
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※上の意味は、今回の文脈での意味です。
助動詞の文法的説明は繰り返し唱えてみてね♪
今日の古語詳解は「あへなし」の意☆
では行ってみよ~♪
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「かぐや姫」の童話として親しまれている『竹取物語』
この物語は、『,源氏物語』より100年も前に書かれた、
日本最古の物語です。
※『竹取物語』なら、ファンタジー作家星新一さんの
訳本がおすすめですよ(o^-')b
その中で、5人の貴公子が、かぐや姫に求婚するんですが、
かぐや姫は、結婚条件として、5人に無理難題を出します。
(`・д´・ ;)
5人のうちの1人、右大臣阿部御主人(うだいじんあべのみむらじ)に出された難題は、「火鼠の皮衣(ひねずみのかわぎぬ)」でした。
※火鼠の皮衣とは、犬夜叉の身につけている、伝説の衣です。
(^o^;)
何にも燃えない、不思議な繊維で編まれている、
伝説の着物…☆
え~伝説の着物~?
そんなの、実際にないっしょ(-。-;)
心の中ではそう思いつつも、
この皮衣を持ってこなくちゃ、かぐや姫とは結婚できない!
そこで、あべの右大臣は、
唐の国(=中国)に、火鼠の皮衣を買いに行かせます。
おぉぉ~!あったぢゃないかぁ!
ヽ(゜▽、゜)ノ
莫大なお金を払って、その皮衣を買い、
ホクホク顔で、かぐや姫のもとに、それを持って行きます。
ですが、実はコレ、ニセモノだったんですね!
(`・д´・ ;)
燃えないはずの火鼠の皮衣は、
かぐや姫の目の前で、メラメラと燃えてしまいます。
かぐや姫 「あな嬉し!v( ̄∀ ̄)v」
面目を失ったあべの右大臣は、
あへなくスゴスゴと家路につくのでした…。
ここで、「竹取物語」は、こんなふうに締めくくられています。
ある人のいはく、「皮は火にくべて焼きたりしかば、めらめらと焼けにしかば、かぐや姫、婚ひ給はず」と言ひければ、これを聞きてぞ、とげなきものをば、「あへなし」と言ひける。
【とげなし】とは、
①(利気無し)しっかりしたところがない、張り合いがない
②(遂げ無し)望みが成就しない
など、諸説あるんですが、
このような、アベ君のあえなくスゴスゴと帰って行く姿をイメージしてください!
あべの右大臣だから、「あべなし」?
(`・д´・ ;)
な、なんというダジャレ(;゚;∀;゚;)!
※『竹取物語』の作者は不明なんですが、
私は、ダジャレ好きのおっさんが書いたものと思います;
またあるいは、
「合へ(=調和する)なし」
「敢へ(=じっと怺える)なし」
など、諸説ありますが、
【あへなし(敢へ無し)】
①今さらどうしようもない
②張り合いがない
③あっけない
(※『全訳古語例解辞典』小学館 より)
あべの右大臣が、あっけなく思惑が敗れ、
どうしようもなく、スゴスゴと帰って行く、
そのような張り合いのない姿を、
イメージしておいてくださいね♪
(o^-')b
● 本日の「源氏物語」まとめ
■帚木124(原文)
「…みづから額髪をかきさぐりて、あへなく心細ければ、うちひそみぬかし。…」
自力での現代語訳が難しい場合は、
下のリンクも復習してね♪
● 本日の古語~過去記事リンク~
■かし
(※その他重要古語一覧はこちら )
あいでした
今日も最後までご愛読ありがとうございました