どうも、ハイレゾ音楽制作ユニットBeagle Kickの総合Pをやっております橋爪です。
フュージョンやニューエイジを中心に生演奏特盛りでM3や配信サイトで頒布中です。

ときどきフリーで音声関係の音響エンジニアをやってます。
WEBラジオや公開録音・トークライブなどで活動させてもらっています。


オーディオライターとして活動しています。
CDジャーナル2月号3月号ポタ音スタイル2017

DigiFi(デジファイ)No.2324でMQAの特集。来月頭に発売のNo.25でも取材記事が載ります。

 

ありがたいことにオーディオのお仕事が途切れずに続いており、なかなかBlogを更新することができません。

 

それでもハイレゾアニソンの感想は、どうしても続けたい。

理由はアニソンファンにいい音で音楽を楽しんで欲しいという一心です。

オーディオが素晴らしいから聴いて欲しいのではなく、いい音で聴くことは「大好きな音楽にもっと近づける文化的行為」だと信じているからです。

実用性や利便性が価値となるパソコンなどと比べ、オーディオは文化的な価値を内包していると思います。時代が変わっても滅びることがないのはこの一点に尽きます。

だから「手軽さもいいけど、良い音もね!」って言えるんだと思うのです。


では、楽曲紹介!

【楽曲紹介】
シングル名:
イシュカン・コミュニケーション

曲名:イシュカン・コミュニケーション
アーティスト:ちょろゴンず




フォーマット:96kHz/24bit or 32bit(FLAC/WAV)

 

fhánaの佐藤純一氏が作曲を手がける小林さんちのメイドラゴンEDテーマ。

声優が歌うテーマソングは、ハイレゾが登場するはるか以前から存在していたが、こんなにもいい音で楽しめる時代が来たことに幸せを感じる。

打ち込みによるデジタルポップチューンは特に低域の厚みと量感がリッチ。

96kHzによるボーカルのリアルさはさすがであり、コーラスも耳をくすぐるようだ。

声の躍動感は声優による豊かな表現力故だが、その熱演を余すことなく楽しめるのはハイレゾだからこそ。



【楽曲紹介】
シングル名:
ワタシノセカイ

曲名:ワタシノセカイ
アーティスト:中島 愛



フォーマット:48kHz/24bit(WAV/FLAC)

 

中島愛、約三年ぶりの復帰シングル。

フルバンドを引っさげて鮮烈なる復活を遂げた。これは聴かないわけにはいくまい。(キラッ☆!)

ボーカルがこの手のバンド曲では驚くほど生々しい。思わず音量を上げたくなるダイナミクスだ。

全てのパートが前へ前と押し出すようなサウンドメイキング。

まるでライブハウスで演奏されているようなグルーブが聴く者の高揚感を煽る。

96kHz制作だったらもっと良かったと思う。少し惜しい。

瀬尾公治氏の歌詞は、今一度音楽へと踏み出す彼女とリンクしていて実に尊い。

今度は疲れることなく、辛くなることもなく、“ワタシ”らしく音楽を続けて欲しいと願う。

 

 

【楽曲紹介】
シングル名:
Climber's High!

曲名:Climber's High!
アーティスト:沼倉 愛美



フォーマット:48kHz/24bit(WAV/FLAC)

 

熱い!熱すぎるロックだ!

攻撃的なミックス。荒ぶるドラム。しかし、マスタリングは生楽器の質感を残す仕上げとなっている。

特にギターアンプからマイクで録ったエレキの音は、空気感にゾクゾクすること必至。これが最終的な仕上げで殺されてしまう音源は少なくない。

沼倉愛美のソウルフルなボーカルを真のクオリティーで楽しむならハイレゾで聴くべし!

熱いビートに魂を持って行かれるだろう。

 

 

【楽曲紹介】
シングル名:
フェアリーテイル-Complete ver.-

曲名:フェアリーテイル

アーティスト:三月のパンタシア



フォーマット:96kHz/24bit(WAV/FLAC)

 

生ドラムの質感がとても豊かだ。バスドラのふくよかさは神がかっている。

キーボードとの合わせ技で音の厚みがとてつもない。音数の少なさにまったく負けていない。

みあのボーカルは透明感に溢れ、倍音成分も豊かだ。

平坦な歌い方のようでいて、静かに込められた感情が胸を打つ。

みあは声質を楽しむタイプのボーカリストだと感じた。

同人音楽が好きな方は、みあのような歌い手にハマってる方も多いと思う。

ボーカルのコンプがキツメなのが惜しい。声量のせいかもしれないが、少し残念。

3月には初のフルアルバムの発売が控えているそうだ。音質も含め期待したい。

 

 

【楽曲紹介】
シングル名:
Shiny Ray
曲名:Shiny Ray

アーティスト:YURiKA



フォーマット:96kHz/24bit(WAV/FLAC)

 

とても豪華な楽曲だ。まさにジャパニーズアニソン。ザ・王道。

ストリングスと生バンドの共演。これはミックスが大変だったのではないだろうか。

生楽器が多いと、周波数帯域の被り対策(マスキング)や空間表現の整理(奥行きや定位)が難しくなり高い技術を必要とする。

本楽曲では96kHzの情報量を生かし、広大な空間に多数の生楽器が配置され舞い踊っている。

音圧はストリングスに合わせたのか、控え目。その恩恵もあってドラムの躍動感も際立っている。

疾走感溢れる楽曲は、無数のスイッチやブレイクを駆使した巧みなアレンジでリスナーをグイグイ作品の世界観に引き込んでくれる。

音の説得力はハイレゾでこそ真価を発揮しているのは間違いない。CD版のみのファンはぜひ体験して欲しい。

なお、劇場版の主題歌「Magic Parade」も合わせて聴いておきたい。こちらも実に音がいい。

同人音楽やゲーム音楽でも活躍するMANYO氏が作曲とアレンジを手がけており、独自の音楽性がリトルウィッチアカデミアのサウンドを決定付けている。

TVアニメ版「リトルウィッチアカデミア」も明らかにMANYO氏の楽曲を意識しており、Magic ParadeのC/Wで参加したアレンジャー吉田穣がShiny Rayのアレンジを担当しているのも偶然ではないだろう。

MANYOファンとしては、本人がTV版の主題歌を担当しなかったのは残念だが、その系譜を意識してくれたことに嬉しさと感謝を覚えた。

 

 

以上です。

いかがでしたか?

これは私の主観的な感想ですので、全ての人に「このように感じられるはずだ」というモノではありません。
じっくりと聞き込み、確かに感じたことのみを記事にしています。
日々精進中の身ですので、一つの参考意見として捉えてもらえたらと思います。


現在までのアニメ系ハイレゾ感想記事はこちら……

 

のうりん挿入歌「コードレス☆照れ☆PHONE
ガルパンED Enter Enter MISSION!と1PLDK
「すぱそにっ♥(はぁと)」
「そにアニ オリジナルサウンドトラック」
「ハローグッバイ」歌:榊原ゆい
『「星刻の竜騎士」OP「聖剣なんていらない」/(榊原ゆい)』
『Anison Strings~弦楽四重奏で聴くランティスの歴史』
『僕らは今のなかで』『きっと青春が聞こえる』ラブライブ!
『「英雄伝説 閃の軌跡」サウンドトラック・オリジナルマスター』 前編後編
『閃光の行方 「英雄伝説 閃の軌跡Ⅱ」オープニングテーマ』
『軌跡 jdk アクースティックス』前編後編
『Beyond the Sky (日本語版)』
『「英雄伝説 閃の軌跡II」サウンドトラック・オリジナルマスター』
深窓音楽演奏会其ノ壱 
ソナタとインターリュード
UP↑ with Yuji Ohno & Lupintic Five
Aurora Days
いつかの、いくつかのきみとのせかい
『Blu-ray Audio版『Star!!』』
『『Wake Up, Best!』をワグナーと聴いてみた』
Hey World,恋は混沌の隷也,Go Fight!
DREAM SOLISTER,CANDY MAGIC
「英雄伝説空の軌跡FCEvolutionOST」「SAXES STREET」
Blu-ray Audio版『Shine!!
「Seize the day」「朝焼けのスターマイン」
「FIRST*MODE」
「BUONO!! BUONO!!」「ハルカナルトキノカナタへ」
ナイツ爆笑漫才スーパーベスト
「piece of youth」「『ガールズ&パンツァー 劇場版』OST」
「劇場版ラブライブ!OST」「I'll remember you」
MOMENT RING、虹を編めたら、Lovely Lovely Strawberry
「GOING PANZER WAY!」「和田貴史×NHK」
「Wake Up, Best!2」「サガオケ! 」
「ルンがピカッと光ったら」「うたたねサンシャイン 」
MQA版「GOING PANZER WAY! 」
「sunlight avenue」「GREEN ROAD」
「君の名は。」「イースVIII O.S.T」

「星の舟」「God Save The Girls」「サウンドスケープ」

4月中旬の並みの暖かさに恵まれ、思わず上着を脱いだ2/17。
新宿バルト9にて、VvsS式ライブ上映による『COCOLORS(コカラス)』東京公演が行なわれた。
 
VvsS式ライブ上映とは、無声映画に声優とミュージシャンがその場で芝居と音楽を付けて観客に披露する上映方式である。
アニメーション制作会社の神風動画と声優事務所のマウスプロモーションが制作を担当する。
2016年10月9日徳島市で開催されたマチアソビvol.17にて1回限りの上映を行なったところ、大好評を博した。
そしてついに待望の東京公演(再演)が実現したわけだ。
 
キービジュアル
 
朗読劇でもない。舞台演劇でもない。
目の前で生の演技と演奏によって物語(ドラマ)が紡がれる。
しかし、映像はあらかじめ作られたアニメーション。
昨今では非常に珍しい上映方式だ。
朗読劇という音楽と生の俳優の芝居が織り成すステージがあるが、
COCOLORSは《演奏付き朗読映画》とでも言えばいいのか。
何とも形容しがたい催しである。
 
このCOCOLORS。
実は本Blogにも登場し、深いWUG愛を語ってくれた末弘由一氏が美術監督を務めている。
私は友人である末弘氏の活躍をひと目見るべく映画館に足を運んだ。
概要を振り返りつつ、音質面もレポートしたい。
 
COCOLORSは、人体を溶かす有害な灰が地上を覆ってしまった世界の物語。
人類は身体をマスクと防護服で覆い地下都市を造って暮らしている。
 
 
一見するとディストピア作品に見えるが、政治や環境問題へのメッセージは一切無く、ただそこで生きる人々を丁寧に描く。
物語が後半に進むに従って世界から色が失われていくのだが、最後に残った人々の行動や希望、切なる願いに「色」を感じられる。
そして、観客自身が己の心の「色」を再認識する。
少し哲学的な要素も込められた作品であった。
 
そもそも3DCGを多用した最新鋭のアニメ映画に、なぜこのようなアナログ要素が加わったのだろう。
生演奏と生芝居は、意図的に仕組まれたモノだったのか。
実はそうではない。
もともと昨年の徳島マチアソビで映像に音が間に合わなかったというのが発端だそうだ。
本来なら上映そのものがポシャるところだが、映像に生の演奏とお芝居を重ねて観客に披露したところ大変な好評を得た。
その後、関係各所の無理&無茶を乗り越える尽力により、東京公演に繋げることができたそうだ。
 
ポスターには当時の観客の絶賛と驚きの声が並ぶ
 
実際、ライブならではの化学反応は凄まじいものがあった。
芝居がこの場限りのキャッチボールなのはもちろんのこと、映像に合わせた演奏も芝居を盛り上げるように熱を帯び、さらに役者もそれを受けて魂を込める。
目立ったミスもなく、演奏・芝居共に完璧な東京初演を果たしてくれた。
 
6800円というチケット代は、映画としては破格だ。
舞台を見るような感覚でチケットを購入し、おっかなびっくり観に行ってみたら実に贅沢な時間を堪能させて頂いた。
当然のことながら二度と同じステージはない。
役者と奏者が観客と同じ空間を共有し、映像に命を吹き込む。
一発本番の50分弱は、夢のような現実。
空想の作品世界にドップリと浸かって、ここが映画館であることを忘れさせてくれるエネルギーがあった。
これは新たにスタジオ録音をしてBlu-ray化したとしても、決して再現不可能な感動だ。
東京公演が実現したこと自体に関係各所の尽力と執念を感じるし、観に行った自分もプレミアムな一夜を過ごせたことに幸福を覚えた。
関わった全ての方々に感謝を伝えたい。
美術監督である末弘さんには、直接会って「マジでGJ!」と笑顔で讃えたい。
 
終演後のアフタートークでは、将来の展開として興味深い発言があった。
役者と奏者を日によって変えることで、ロングラン公演ができるかもしれないというものだ。
(一部を除いて)表情の見えないキャラなので、それは十分に可能であるし、むしろ面白いと思う。
演奏に関しては、尺さえ合えばアレンジが変わってもいいだろう。
 
まさに新次元のエンターテインメント。
COCOLORSは観客の心に消えない色を残して二度と無い2日間を駆け抜けた。
今回だけで終わることなく、この奇跡のステージがどこかでまた続いてくれることを願わずにはいられない。
 
入場特典の版画はこの板によって1枚1枚刷られた。
 
《音質・音響面の感想》
筆者はオーディオライターなので、音の面からもコメントさせて頂く。
まず響きは映画館のためデッド気味だ。音楽を聴く空間としては非常につまらない響きであった。
その分、PAは楽曲の意図を正確に伝えるために綿密な音作りをしていた印象だ。
エフェクトやミックスは、無駄なくシャープに没入感を効果的に高める方向性でまとめられている。
 
役者の音声は、ノイズ切りなどの処理をしていないのでやや荒いが、それをかき消すほどの演技の気迫があってほとんど気にならない。
一方、複数のキャストが同時に喋るシーンでは、音量差をもう少し配慮してほしかった。何を喋ってるのか全く分からなくなる。
人間の脳は雑踏の中でも目的の音を聴き分ける能力を持っているが、PAを通すと難しくなると感じた。
 
演奏のダイナミクスは圧倒的だ。
生音に負けないよう、観客に向けた外音(PAスピーカーからの音)はある程度音量を上げる必要がある。
それでも音楽ライブの爆音に比べたら適切な音圧であり、躍動感はまさに劇伴のそれを越えていた。
 
SEはフユの意志疎通に使った笛を除いて、ほぼ全てがマニピュレーターからの再生だった。
Macが2台あったのは音楽用とSE用かもしれない。
音楽用は生楽器以外のパートを再生し、SE用は映像と同期してずっと流し続けることになる。
SEはハイレゾで作ったものだろうか。演奏に比べて、いかにも録音音源なので気になった。
おそらく48kHz/24bitではないだろうか。
最低でも96kHz/24bitで制作したSEであれば、音声や演奏と比べても遜色ない臨場感があったと思う。この点は非常に惜しい。
おそらく業務用のライブラリは48kHzなので、この作品のために全てのSEを96kHzで制作するのはハードルが高いと思われる。次回作に期待したい。
 
COCOLORSのような公演をビデオカメラで撮ってBlu-rayにすることは不可能だ。
やっても意味が無いと思われる。
では、音声や音楽をスタジオ録音してBlu-rayにすればいいのかというと、正直意図から外れると言わざるを得ない。
96kHz/24bitなどのハイレゾフォーマットで丁寧に制作しても、ライブで味わった感動を家庭で再現しようと思ったら、かなりのハイエンドシステムを徹底したセッティングで、ルームアコースティックも考慮しながら鳴らさないといけない。
おそらく不可能だ。オーディオの専門家なのに白旗を揚げるのは不本意ではあるが(苦笑)
 
だから、COCOLORSはライブでこそ真価を発揮できる。
ライブしか真の面白さは味わえない。
新次元の「行くしかないエンターテインメント」だ!
 
 

去る2016年12月25日。
新宿ピカデリーにて乙女のためのアニメ上映イベントが行われた……

 

【マジきゅんっ!ルネッサンス 星フェス準備会!Dec. 〜みんなで上映会3〜】

 

私、橋爪徹(3x歳)は、果敢にもこの乙女たちの集いに突貫し見事生還を果たしたため、ここに報告したい。

 

まず私は、乙女向けアニメやBLアニメに抵抗はない。
面白ければ最後まで見るし、声優志望だったころは勉強のためBLマンガや小説にまで手を出したこともある。
しかしながら、乙女向けのイベントとなると話は別だ。
この年齢まで機会もなく参加することはなかった。

 

それなのに、なぜ乙女のイベントに参戦することにしたのか。
あろうことかクリスマスの夜に!

 

この秋、ハマりすぎた作品があったからだ。
10月から始まったTVアニメ「マジきゅんっ!ルネッサンス
サンライズがプロデュースするオールメディアプロジェクト「マジきゅんっ!ルネッサンス」は、
ゲーム発売直後にTVアニメも始まり、音楽CDやマンガ、コラボイベントと幅広く展開している。
今月、ついに初のライトノベルが発売決定しアニメが終わっても勢いは衰えない。

 

 

25日のクリスマス、時刻は20時から。
新宿のピカデリーで最大のスクリーン「スクリーン1」は乙女たちで埋め尽くされた。
当然男性はいない。私の他に2人ほど見かけたが、たぶん声優のファンだろう。
観客総数500名を超える中、ここまで女性率が高いのも驚きだ。
クリスマスだろうが何だろうが、萌えのためなら足を運ぶ。プロのオタクたちがそこにはいた。(大げさ)

 

 

壇上には声優さん用のイスが並べられている。おそらく先にトークショーなのだろう。
隣の座席の女性二人組は別作品の声優イベントの話で盛り上がっている。
親しげなのになぜか敬語なので、普段はネット上の付き合いかもしれない。(オタクあるある)

 

ちなみにチケットは3500円だ。
1~9話のダイジェスト上映と、10~12話のフル尺上映。
そして最終話である13話を数分だけ早くテレビより先に見られるという内容だ。
キャストのトークショーも含めると時間はなんと3時間オーバー
映画館にこんな長時間いるのも滅多にない経験だった。

 

開演の20時になると黄色い歓声に迎えられキャストが登壇。
司会はポニーキャニオンのイケメン広報、あだ名はGUCCI(当日、所持品を見た小野友樹氏が命名)
声優は、一条寺帝歌役の梅原裕一郎氏、帯刀凛太郎役の小野友樹氏。

 

声優トークショーらしく時事ネタから始まり、好きなシーンや質問形式のコーナーなど。
小野氏はさすがのベテラン、常に会場の笑いを誘いトークを滑らかにしていた。
司会がミスをやらかしたときも、すかさず笑いに変えるところなどはさすがプロ。
しかも、二人とも超いい声。ずるいとしか言いようがない。
そりゃ、乙女たち夢中だわ。僕も夢中だわ。グレートじゃねーかよ。

 

しかし、いつも思うのだが、声優のトークはそれはそれで面白いけれど、できれば監督やプロデューサーなどの制作側の濃い話が聞きたい。
声優の方が集客力があるしファンも求めてるのだろうけど、どうしても薄いトークになりがちだ。
作品は血の通った人間が作っているものなのだから、作り手が「こんなところにこだわった」「この工程は苦労した」などのクリエティブなエピソードを語ることは重要だと思う。
声優だけでなく、作り手側へのリスペクトを観客側に育てること。なにげに大事だと思う。

 

さて、話は逸れたが、キャストトークも時間通りに締めいよいよ上映開始だ。
トークが長引くと、テレビ放送より最終話の上映が遅いというマヌケなことになるので厳守していたようだ。

 

大塚明夫さんのダンディ過ぎる校長ボイスで1~9話まで振り返った後、10~12話までフル尺の上映。
ときおり上がる黄色い歓声は「なぜここ?」みたいなときもあったが、おおむね“きゅんきゅん”ポイントだと理解した。
そして、笑い所は意外にも自分とほぼ同じだった
キャラはロマンチックなことやってるんだけど、視聴者目線だと滑稽で思わず笑ってしまうようなところは、乙女たちも笑い所として認識してくれていた。
ここがズレていたら完全に私はKYである。(もともと、乙女のイベントに来てる次点でKYだけどね!失敬!)
内心ホッとしたことはここに記しておきたい。

 

上映の合間にポニーキャニオンのGUCCI君による告知がグダグダと入ったりした。
そして満を持して最終話上映。
時計を見るとテレビ放送があと3分ほどで始まる。
上映はCM抜きで放送時刻の1分ほど前から始まった。
もちろん、地デジより高画質だ。音声も非圧縮だろう。
BD発売前に高画質&高音質で見られるのはとても贅沢なことだ。

 

しかも新宿ピカデリーのスクリーン1は、ライブ用のラインアレイ型がサラウンドスピーカーに使われていた。
映画館の公式サイトによると、コンサート用の大容量スピーカーを贅沢に配置しているという。
正直、映画とライブは求められている音が違うのでミスマッチなのではないかと懸念していた。

 

しかし、出音を聴いた瞬間、完全に杞憂だったと思い知らされた。
実に音がクリアだ。テレビアニメなので音圧は高めだったはずだが、歪み感が極めて少ない。
音像はクッキリと描かれ、音楽と台詞、効果音の分離も良好だ。
台詞は生々しく情感豊かに聴こえてくるし、映画館的な大きめの音量なのに全くうるさく感じない。部屋の設計や建材も適切なようだ。
打ち込み中心の挿入歌は混濁が少なく、緻密な音の粒子が銀幕からシャワーのごとく降り注ぐ。
まさにストレスフリー。お耳に優しい映画音響だった
バルト9やTOHOシネマズ新宿は音がよい映画館だと思うが、個人的には新宿ピカデリーはそれらに匹敵する、あるいはそれ以上かもしれない。
2chのテレビアニメで大きな違いが分かったのだから、5.1chやドルビーアトモスなら……
また足を運んでみたい映画館だ。


最終話は、完璧であった。
男性としてボッチ参加したことなどまったく気にならないくらい夢中になって見ていた。

物語としてちゃんと完結していたし、アルティスタ・プリンス&プリンセスが誰になるのかも物語の展開的に曖昧にせず、ストリー上自然な流れで全員一緒に駆け上がるという大団円的着地。
特に私が気に入ったのは、男性陣(プレイヤーにとっての攻略キャラ)がお互い刺激し合って絆を深めていったことだ。
個々のキャラの抱えていた事情を解決し心を溶かした(攻略した)のは小花だけど、彼ら同士も小花だけ見ていたわけじゃなく、ちゃんとお互い星フェス委員として成長していた。
だからこそ、今しかないこの6人+1人という時間が尊いという結論に至っている。
恋愛シミュレーションのアニメ版は結局誰とも結ばれず曖昧で終わりがちだが、本作はその曖昧な状況も含めてドラマの着地点に昇華させているのが見事だった。

 

そして!!
何より私が惹かれていたのは、坂部剛氏が音楽を担当していたこと。
坂部氏はそにアニで劇伴を担当した頃から注目していて、今作でも最高過ぎる旋律を披露していた。
ストリングスとピアノの合わせ技において、同氏を超えるメロディメーカーか他に何人いるだろうか。
今からサントラの発売が楽しみで仕方ない。

できればハイレゾでリリースしていただきたいが、CD版は歌モノとサントラでDISCを分けたのでマスタリングに期待ができそうだ。

 

 

マジきゅん!ルネッサンス。
久々に夢中になった乙女向け作品だった。
単発で終わってしまいそうな雰囲気であるが、ぜひ続編をやっていただきたい。
私も微力ながらサントラや小説を買って応援しようと思う。