どうも、ハイレゾ音楽制作サークルBeagle KickのサウンドPをやっております橋爪です。
フュージョンやニューエイジを中心に生演奏特盛りでM3や配信サイトで頒布中です。
7/9に1stアルバムを発売しました。ぜひ試聴してみて下さい。

ハイレゾ版も配信中です!
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BRAND NEW KEYS発売記念 インタビュー記事
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ときどきフリーで音声関係の音響エンジニアをやってます。
WEBラジオや公開録音・トークライブなどで活動させてもらっています。

オーディオライターとしても活動を始めました。
OTOTOYにて『Suara / キミガタメ / 君のかわり DSD11.2MHz録り下ろし音源』のレビュー。

e-onkyo musicでアニメ「トリニティセブン」のハイレゾ音源紹介コメント。(全7枚)
1/2/3/4/サウンドトラック/リミックスアルバム/5


今回は、K2HDについて文字数を使いたいので、いきなり楽曲紹介!


【楽曲紹介】
アルバム名:FIRST*MODE
アーティスト:Rhodanthe*(西明日香、田中真奈美、種田梨沙、内山夕実、東山奈央)



販売:e-onkyo/mora/VICTOR STUDIO HD-Music.
フォーマット96kHz/24bit(WAV/FLAC)


《コメント》
TVアニメ「きんいろモザイク」内でメインキャラ5人を演じる声優によって構成されたユニットRhodanthe*。
ジャズやビックバンドの音楽性を取り入れ、バイオリンや管楽器も多数加えたゴージャスでキュートな楽曲が魅力だ。
アニメ第二期終了からしばらく、ついに待望のRhodanthe* 1stフルアルバムがリリース。
本作はCD版発売と同時に配信されたハイレゾ版となる。
e-onkyoのランキングでは総合1位を数日にわたって維持するなど圧倒的な支持を集め、年明けに開催される5000人規模のホールライブに向けて弾みを付けた格好だ。

ジャズやフュージョンが好きな筆者にとって一期の頃からハイレゾ化を待ち望んでいた。
管楽器がこんなに活躍するアニソンも珍しい。特にEDの“マジJAZZ 1000%”なノリには発狂を禁じ得ない。
今をときめく女性声優がセンスあふれる楽曲に華やかさを添え、
作品のファンならずとも楽しめる珠玉のフルアルバムがここに誕生した。

忍・アリス・カレン・綾・陽子、彼女たちの学園生活に少しでも近づけるような、
まるで日常を切り取ったようなそんなアルバムといえるだろう。
私も楽曲を聴き込んで、久世橋先生の指導を受けるダメ生徒の気分に浸りたいと思う。



Rhodanthe* 1stフルアルバム
「FIRST*MODE」


全体として、押し出しの強い音作りだ。
それぞれの楽器が激しく自己主張している。
賑やかで快活で、無秩序の一歩手前。しかし、作品の世界観を踏まえた調和は取れている。
登場キャラクターの性格を、そのまま音楽に反映させたような気さえする。

楽曲を個別に紹介していこう。
Your Voice」は、解像感が高く音像の立体感がCD版より大幅に向上している。
ボーカルの空気感はより出ていて、低域はクリアで引き締まっている。
立ち上がり立ち下がりはきめ細かく、抑揚が緻密にかつダイナミックに描写されている。

Jumping!!」を聴くと、いかにCD版がオリジナルからスポイルされているかを思い知る。
低域の重心がグッと下がって上品に、かつ自然な量感を魅せてくれる。
音が太い。ギターやブラスの楽器で顕著だ。
全楽曲に言えることだが、コーラスがとにかく緻密でリアル。

シロツメクサの約束」はユニゾンがとても緻密できれいだ。
きらめきいろサマーレインボー」はリズムトラックのキレがよく、ノリもよい。24bitの効果であろう。
さくらいろチェリッシュ」はボーカルが多重コーラスも含め分厚くなっており音場の密度が高いが、潰れることなく描ききる。
ぎんいろスノウドロップ」は、ボーカリストとマイクとの距離が近くなったことによる空気感と存在感を96kネイティブの情報量で余裕を持って表現。

生楽器のゴージャスな共演が、ちゃんとゴージャスに聴こえる「My Best Friends」。
96/24だからこそ描くことの出来る、“ゴージャスな雰囲気”ではない本物の躍動感と迫力を味わえる。
ピアノと弦楽器の音色が味わいを添えていて深みがある。

ほしいろサザンクロス」で一瞬ボーカルだけになるフレーズが何カ所か存在する。
そのときのリアルさは、声優ファンなら一度は味わって欲しい。
役者の込めた細かなニュアンスや情感をより忠実に受け取れるはずだ。

全体的に前後感や分離が甘く、平面的な音作りに感じた。
音数の多いシーンでは音場が混濁して少々ゴチャゴチャしていた。
適正音量はCD版よりも2dB程度ボリュームを上げた辺りにあった。
比較的、音圧はハイレゾ向きに整えられているが、2dB以上上げていくとうるさくなってしまった。
それぞれの楽器がより粒立ち、音数が多いのにスッキリして見通しのいい楽曲は存在する。
個人的には楽曲が魅力的だけに惜しいと思った。


K2HDの3曲は、明らかに44.1/16がマスターだと分かる。
楽曲ごとに独自に割り当てられたアルゴリズムで倍音を生成し付加することで、音の粒子感や空気感には貢献している。
単純にビット拡張しただけでは音量を上げたようになってしまうが、独自の変数を加えることで自然な滑らかさを実現しているそうだ。確かにその躍動感は感じられた。
ただ、倍音付加や24bit化に若干の無理矢理な印象は受けた。
倍音は音源全体に対して適用されるのか楽器(トラック)によっては不自然に感じる。
ビット拡張はCD音源よりは十分に楽しめるが、ネイテイブ96/24と比較すると歴然の差である。
(同じアルバムに両者が同居するため、比較するのも酷な話だが)

私にとっては初めてのK2HD体験だ。
ジャズやクラシック、音数の少ないポップスではまた違った評価になるかもしれない。
あくまで参考程度に留めておいていただきたい。



【K2HDについて】
本アルバムは、Tr.5,10,11においてビクタースタジオ FLAIRが有するオリジナル技術『K2HDプロセッシング』を用いハイレゾ化している。
これには、Twitter上でも様々な意見を見かけた。

私なりに考察を書いてみたい。

最も気になるのは、なぜ一部の楽曲で16bit/44.1kHzのマスター音源が使われたのか。
映像音楽である以上、この現代において16bit/44.1kHzセッション(楽曲ファイルのこと)が採用されることは考えにくい。
テレビ放送やBDのサンプリング周波数は48kHzだからだ。
24bit/48kHzか32bit-float/48kHzのオリジナルセッションが存在すると推察できる。

ならば、そのどちらかのソースをそのままマスタリングしてリリースするか、
96kに変換してからマスタリングするなどの方法もあったと思われる。
事実、より音楽性を高めるため48/32fのセッションを96k環境でマスタリングしてリリースしているレーベルも存在する。
本Blogの過去の記事に感想を載せているので気になる方は検索してみて欲しい。

16bit/44.1kHzのCDになる直前のデータを使用することで得られるメリットはなんだろうか。
既に48/24のハイレゾアニソンは高い評価を受けており、ハイレゾ専用のマスタリングと24bitの効果によって十分なハイレゾ感を味わえることは本Blogでも繰り返し伝えてきたとおりだ。
にも関わらず、あえてK2HDの処理を採用した理由とは……
これ以上は、推測に推測を重ねた妄想にしかならないため、気になる方の考察に委ねたいと思う。

なお、K2HDについてきちんと知ることは大事だ。
ニセレゾ、クソレゾと叩く前によく以下の記事を読むことを勧めたい。
そして必ず音源を聴いた上で自分の意見を発信してほしい。
健全な業界の発展のために。

高橋敦のオーディオ絶対領域
【第73回】「ニセレゾ」疑惑の真相とは - K2HDのハイレゾは本当にハイレゾか?

http://www.phileweb.com/interview/article/201401/24/218.html



以上です。

いかがでしたか?


これは私の主観的な感想ですので、全ての人に「このように感じられるはずだ」というモノではありません。
じっくりと聞き込み、確かに感じたことのみを記事にしています。
日々精進中の身ですので、一つの参考意見として捉えてもらえたらと思います。

ともあれ、ハイレゾ音楽の面白さが伝われば嬉しいです。

ハイレゾ再生は、対応ポータブルプレイヤーからはじまり、
ネットワーク対応のミニコンポ、専用ポータブルプレイヤー、対応AVアンプなどドンドン広がっています。
スマホに対応機器をくっつけることでそのクオリティーを手軽に楽しめるようにもなりました。対応スマホも続々発表されています。

パソコンにUSB-DACを付けてヘッドフォンやスピーカーで聴くという簡単な方法から、やはりオーディオはオーディオとして独立させたいという願いにも答えることができます。

ぜひ、高音質音源の再生にチャレンジしてみてください!
音楽生活がもっと豊かに楽しくなることでしょう。


現在までのアニメ系ハイレゾ感想記事はこちら……

のうりん挿入歌「コードレス☆照れ☆PHONE
ガルパンED Enter Enter MISSION!と1PLDK
「すぱそにっ♥(はぁと)」
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『Anison Strings~弦楽四重奏で聴くランティスの歴史』
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『「英雄伝説 閃の軌跡」サウンドトラック・オリジナルマスター』 前編後編
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