どうも、ハイレゾ音楽制作サークルBeagle KickのサウンドPをやっております橋爪です。
フュージョンやニューエイジを中心に生演奏特盛りでM3や配信サイトで頒布中です。
7/9に1stアルバムを発売しました。ぜひ試聴してみて下さい。

ときどきフリーで音声関係の音響エンジニアをやってます。
WEBラジオや公開録音・トークライブなどで活動させてもらっています。

オーディオライターとしても活動を始めました。
最近では、e-onkyo musicでアニメ「トリニティセブン」のハイレゾ音源紹介コメントを執筆しました。(全7枚)
1/2/3/4/サウンドトラック/リミックスアルバム/5


ファルコムのハイレゾ音源は、今作で大幅にグレードアップしました。
ファルコムの音楽を取り上げるのは恒例なので、もう前置きは不要ですよね?w

今までの48/24の作品で土台を固め、一部の96/24の作品で培った蓄積を経て、
ついにファルコムとしてのハイレゾ音楽を確立したと本作を聴いて強く感じました。

もう一切の迷いは感じられません。
圧倒的な自信と余裕に満ちあふれた音源です。
その魅力をレポートします。


【楽曲紹介】
アルバム名:英雄伝説 空の軌跡FC Evolution オリジナルサウンドトラック
アーティスト:Falcom Sound Team jdk



販売:e-onkyo/mora/OTOTOY
フォーマット96kHz/24bit(WAV/FLAC)



日本ファルコムの看板RPG、軌跡シリーズ第一作目である空の軌跡FCをフルボイスでリメイクした「空の軌跡FC Evolution」 。そのオリジナルサウンドトラックだ。
ゲーム内BGM全55曲をフルアレンジ。(同社のサントラとしては)初の96kHzネイティブ制作である。
生楽器をこれでもかと多用し、ミックスの仕上がりもオーディオで聴くに十分なクオリティーを備えている。
従来の軌跡シリーズは、ハイレゾとはいっても48/24で音圧はゲーム音楽らしくかなり突っ込んだ状態になっていた。
それが今作になると、96kHzの圧倒的な情報量を生かすためダイナミクスを広く取り、空間表現を駆使したミックスで音場の開放感やバランス感が高まっている。
前後の奥行きや左右の広がりは、前作までとは比べものにならない。
打ち込みのオーケストラ曲も生演奏の迫力や躍動感に気を配り、妥協無く作り込まれていた。
単に96kHzに進化したからではなく、これまでのハイレゾ制作の蓄積が花開いたと言ってよいと思う。

生楽器は、ギター・ベース・ドラムといったバンドサウンドを支える楽器はもちろん、弦楽器、パーカッション、ハーモニカと多彩だ。
特に驚いたのがストリングスだ。弦楽四重奏として劇中劇「白き花のマドリガル」のBGMで活躍したと思えば、イベント曲「呪縛からの解放、そして・・・」でも涙腺を崩壊させる名演奏を披露している。
その他にも、打ち込みをメインとしつつベースだけ生だったり、パーカッションが多用されていたりと、味わい深い楽曲の魅力を大きく高めている。
改めて生演奏の素晴らしさと貴重さを実感した。
もちろんフルバンド演奏によるバトル曲・ボス曲がカッコ良すぎるのは言うまでもない。
欲を言えば木管楽器を生演奏にして欲しかった。
メインメロディーを担当することが多い楽器なので、今後の新規ミュージシャン登場に期待したい。

ファルコムのハイレゾ作品を聴き続けてきた筆者にとって、一つの集大成的な作品だと感じた。
録音もミックスも今までの蓄積を踏まえた「これでどうよ!?」という自信と確信が見え、今後の新作にも大きな期待を寄せずにはいられない。
ファルコムのゲームをプレイされたことのない読者は入門作として最適だ。
サントラからでもいい、ぜひその味わい深いファルコムサウンドに触れて頂きたい。




お次は、アニソンからだいぶ離れてフュージョンです。
フュージョンというジャンルは、かなりざっくり言うと「POPなJAZZ」です。(JAZZを基調に様々なジャンルを融合させたのがフュージョン)
詳しい人に怒られそうですが、私はその程度の認識で高校生の頃、フュージョンにハマりました。
ゲーム音楽が好きだった私は、魅力的なインストを追い求め、アジアンフィーリングやスムースジャズを聴いたりしていました。
そこで偶然見つけたのが本田雅人さんのWhat Is Fusion。
これでもかと音程を変えて絶え間なく吹きまくる本田節に衝撃を受けた私は、それから十数年経過した今も目をそらすことはできません。

そんな本田雅人さんが6年ぶりにリリースしたのがこちら!


【楽曲紹介】
アルバム名:SAXES STREET
アーティスト:本田雅人



販売:e-onkyo
フォーマット96kHz/24bit(WAV/FLAC)




楽曲は、すべて本田氏によるオリジナルナンバーである。
聴く者の心を捉えて放さないその楽曲センスは、時代の先を行く新しさを常に忘れず、しかしどこか安心できる定番さも併せ持っている。
JAZZやフュージョンが初めてでもきっと楽しめることだろう。


音の傾向は、一言で言うと「楽しさ重視」だ。
96kHz/24bitのフォーマットに内包された演奏の情報量は確かな魅力である。
一方で、いわゆる”オーディオ的な音の純度”は決して高いとは言えない。
本作で注目したいのは、音楽を聴いていて楽しい・面白い・興奮すると思える仕掛けの部分だ。
音が極めて明瞭に、かつ煌びやかに浮き出るように眼前に現れる。特に前後感は派手に仕上げられている。
既に50歳を超える本田氏の枯れないハイパープレイは、ハイレゾでこそそのソウルをダイレクトに感じられるだろう。

録音はオンマイクを基本とした現代POPミュージックのスタイルを取りつつ、ミックスは積極的な音作りで彩りとカッコ良さを底上げしている。
特に印象に残ったのは、ドラムの録り音である。
多数のマルチマイクの位相が違和感なく揃っており、左右のスピーカーの間をきめ細かく定位が移動する。
派手なプレイもこの細かな定位再現のお陰で興奮度がより増幅されるのだ。
これでもかと吹きまくる本田氏のサックスと合わせて、「もうごちそうさまです!」と何度感服したか分からない。

全てのインストファンに必聴盤としてオススメできる一枚といえるだろう。



以上です。

いかがでしたか?


これは私の主観的な感想ですので、全ての人に「このように感じられるはずだ」というモノではありません。
じっくりと聞き込み、確かに感じたことのみを記事にしています。
日々精進中の身ですので、一つの参考意見として捉えてもらえたらと思います。

ともあれ、ハイレゾ音楽の面白さが伝われば嬉しいです。

ハイレゾ再生は、対応ポータブルプレイヤーからはじまり、
ネットワーク対応のミニコンポ、専用ポータブルプレイヤー、対応AVアンプなどドンドン広がっています。
スマホに対応機器をくっつけることでそのクオリティーを手軽に楽しめるようにもなりました。対応スマホも続々発表されています。

パソコンにUSB-DACを付けてヘッドフォンやスピーカーで聴くという簡単な方法から、やはりオーディオはオーディオとして独立させたいという願いにも答えることができます。

ぜひ、高音質音源の再生にチャレンジしてみてください!
音楽生活がもっと豊かに楽しくなることでしょう。


現在までのアニメ系ハイレゾ感想記事はこちら……

のうりん挿入歌「コードレス☆照れ☆PHONE
ガルパンED Enter Enter MISSION!と1PLDK
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『「英雄伝説 閃の軌跡」サウンドトラック・オリジナルマスター』 前編後編
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『軌跡 jdk アクースティックス』前編後編
『Beyond the Sky (日本語版)』
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