どうも、ハイレゾ音楽制作サークルBeagle KickのサウンドPをやっております橋爪です。
フュージョンやニューエイジを中心に生演奏特盛りでM3や配信サイトで頒布中です。

ときどきフリーで音声関係の音響エンジニアをやってます。
WEBラジオや公開録音・トークライブなどで活動させてもらっています。


現在までのアニメ系ハイレゾ感想記事はこちら……

のうりん挿入歌「コードレス☆照れ☆PHONE
ガルパンED Enter Enter MISSION!と1PLDK
「すぱそにっ♥(はぁと)」
「そにアニ オリジナルサウンドトラック」
「ハローグッバイ」歌:榊原ゆい
『「星刻の竜騎士」OP「聖剣なんていらない」/(榊原ゆい)』
『Anison Strings~弦楽四重奏で聴くランティスの歴史』
『僕らは今のなかで』『きっと青春が聞こえる』ラブライブ!


ゲームのサントラは、ハイレゾ配信されている例自体が少ないと思います。

パッと思いつくのは、FINAL FANTASY XIV。
moraで配信されてだいぶ話題になりました。

先日、ゲーム音楽ファン待望のファルコム作品がついにハイレゾ化!
ストーリーRPGとして熱狂的なファンが支える軌跡シリーズの最新作です。

ファルコムのゲームは販売本数こそ大手メーカーに比べれば差がありますが、
ファンがとても熱心に応援しているため数々の賞を総ナメにしています。
特にすごいのはSCEが主催するPSアワードにおいて、ファン投票で決まるユーザーズチョイス賞を4年連続で受賞しています。(4作品中3作品が軌跡シリーズ)
熱いファンに支えられたRPGのサントラがついにハイレゾになるわけです。


アルバム名:「英雄伝説 閃の軌跡」サウンドトラック・オリジナルマスター
Falcom Sound Team jdk[作曲]

販売:e-onkyo / mora
フォーマット:48kHz/24bit FLAC/WAV



まず、感想を書く前に私がTwitterでつぶやいた文章を転載します。

音の粒が緻密で繊細だ。躍動感も格段に向上。透明感がアップし、立体感も増している。低域の重心がグッと低くなって、高域の伸びはナチュラルで気持ちいい。神曲「雨音の学園」は鳥肌立った。打ち込みなのに! コテカナの歌声は劇リアル!  #ハイレゾで英雄伝説閃の軌跡サントラを聴いてみた


e-onkyoのクリアファイルプレゼントの応募にあたって書いたつぶやきです。

どうやらこのキャンペーンは盛り上がりに欠けるようで、7/27現在私の他に二人しか参戦していません。アルバムはあんなに売れてるのに。
プレゼント対象者は、12名様なんですが……orz
みんなもっと気軽につぶやこうよ!w


では、感想を書いていきましょう。
全曲はさすがに読む皆様もしんどいと思うので、いくつか選曲してCD版との比較をお届けします。

前半の今回はDISC1と2の中から7曲を厳選しました。

まだ未購入の方は判断の参考に、
既に聞いている方も「どこに注意して聞けば楽しさが深まるか」の材料にしてみてくださいね♪
(私はスピーカーで聴いています。システム構成は文末に載せています)



明日への鼓動 -Opening size-
小寺可南子[アーティスト], 神藤由東大/一二三恭[作詞], Falcom Sound Team jdk[作曲]

→OP主題歌。ショートバージョン。
ボーカリスト、コテカナはすっかりファルコム楽曲のレギュラーだ。
彼女のボーカルはファンも望んでいるし、まったく違和感が無い。
歌唱力はもちろん表現力も尋常では無くどんな歌でもこなすので、新曲のたびにワクワクさせてくれる。

・音のディテールがとても緻密に、かつ明瞭になった
・分離感が向上。前後感がより明確になり、ボーカルがハッキリと定位する
・音場が上下左右に120%くらい広がった。2割の差は意外と大きい。(筆者比)
・コテカナのボーカルが息づかいまで伝わるように生々しく変化
・リマスターを行わない効果なのか、原音の質感がリアルに残っている。特に生楽器とボーカルは顕著。


自由行動日
→音数が多いため、ハイレゾ版でどれだけそれを破綻無く表現できるかがポイント。
軌跡シリーズ定番となるメインシナリオを進めつつサブクエストをこなすときに流れる楽曲で、全章に渡り頻繁に耳にする。
地方都市の晴天の風景をそのまま曲にしたようなハマりっぷり。とても心地よい。

・解像度や分離感が高い。音がくっきりとまるで形を捉えられるほどに描かれる。特にパーカッションは顕著。
・ストリングスパートが音数の多さに埋もれがちでぼんやりしていたが、音場の最も奥に広がるように定位し心地よく鳴っている
高域がとてもナチュラルになった、より超高域側で切り落とされていたCD版に対して、なだらかに残っている。違和感が無い


異郷の空
→街道を別のポイントまで移動できない本作では、それほど頻繁には流れなかったが、
空間の広大さはフル3Dになって何倍にもふくれあがったため、あちこちにカメラを向けて観察した人も多いのではないだろうか。
生演奏のバイオリンが主メロを担当している。通常BGMでも生楽器が取り入れられる気合いの入りように驚いた記憶がある。

・空間の広がりに驚く。特に高さ方向の表現力は格段に向上。本来の楽曲意図はこうだったのか!と感動
・バイオリンの音の間引き感が無くなり、グッと実在感がアップした。高域側のみならず、中域側でも本来の音を感じられて心地よい
・ゴミゴミとしたCD版から、情報量が増えたことですっきりとした解像度の高い音場に変化
ベースラインがグッと引き締まった。CD版では超低域に掛けてカットされており物足りないが、ハイレゾにおいては本来のバランスで聞こえるような印象(無理に足してはいない


Tie a Link of ARCUS!
→本作で唯一ドラムが生演奏の楽曲。他の楽曲とのバランスを取るためか、割と電子ドラムのような録音と音作りが成されているようだ。
ファルコムならではの熱いバトルを彩る大興奮のメロディーとギタープレイは、閃の軌跡でも健在だ。

・一瞬、仕上げがそっけないように思えるが、生楽器の音が緻密にディテール豊かに表現されており、原音の質感や空気感がより楽しめる
・高域の伸びがアップしているため、ギターやバイオリンの音色がいたって自然に感じられて気持ちよい
・バイオリンの定位が明確になり、よりハッキリと音像を捉えられる。生々しさはCD版の比ではない
・CD版は情報の欠落とマスタリングによる油ぎった感じが相まってグチャッとした音像同士のごった煮だったが、ハイレゾの臨場感とナチュラル感は興奮を倍増!
・最後のギターソロは胸アツが5割増しに!(筆者比)
・ドラムスネア音の立ち上がりと立ち下がりがより繊細で丁寧になって生っぽさが向上


地下に眠る遺構
→ファルコムはダンジョンごとの空気感や容積を曲で表現するのがとても上手いように思う。
本楽曲も奥に長い地下ダンジョンの圧迫感や先の見えない不安感などを見事に表現している。

・奥行き感と上下の高さが格段に向上。見通しの良さも改善。天井から降り注ぐような音場は楽曲の意図をいかに正確に表現できているかの証明だ
・すべての音が繊細で緻密。パーカッションやストリングの一音一音が明瞭で余韻も確かに聴き取れる
・各パートの響きが丁寧に描写されることで不気味さや不安感といったダンジョンの空気が音楽を通してより伝わるようになった


雨音の学院
→筆者が閃の軌跡で最も好きな曲。雨のシーンだけでなく、感動的なイベントシーンでも多用されていた。
ファルコムは楽曲ごとの作曲者を明らかにせず、チームとしてクレジットしているが、ぜひ作曲者名を個別に公表して欲しい。
あの曲もこの人か!、と音楽ファンなら興奮しますよね!?ですよね?w

・空間の広がりと奥行き感が向上
・左右に定位するギターは、高域がグッと伸び、音のディテールがより繊細になって音楽性まで増した印象
・分離感が向上しており、各トラックに神メロがいくつも存在することに改めて気づかされる
シンバルの高域が自然で気持ちよく、曲の中身に入り込みやすくなった。特に1:25あたりからのシンバルは秀逸!


Eliminate Crisis!
→強大で巨大な敵と戦う際に流れるバトル曲。オーケストラ調の壮大なナンバーだ。
従来の作品にも同様の楽曲は存在していたが、フル3Dになったことでスケール感やダイナミズムが増している。
この曲のままでもっとグラフィックが進化してもそのまま通用するくらい完成度が高い。

・小さくまとまっていたCD版がスケール感を増し余裕たっぷりに音場を描写
・奥行き感がやや向上。オーケストラ系の楽曲には必須と言えるので、効果は大きい
・高域がナチュラルに伸びている。楽曲としての説得力が連動して向上
余韻の表現が繊細になったことで打ち込みとはいえ、オーケストラらしさが格段にアップしている



前半はここまで!


後半はDISC3~4にあたる楽曲をお届けします。

コメントで「この曲を書いて欲しい!」というリクエストを受け付けます。
思いついたらぜひどうぞ。


以上です。

いかがでしたか?

これは私の主観的な感想ですので、全ての人に「このように感じられるはずだ」というモノではありません。
じっくりと聞き込み、確かに感じたことのみを記事にしています。
日々精進中の身ですので、一つの参考意見として捉えてもらえたらと思います。


ともあれ、ハイレゾ音楽の面白さが伝われば嬉しいです。


ハイレゾ再生は、対応ネットワークオーディオプレイヤーからはじまり、
ネットワーク対応のミニコンポ、専用ポータブルプレイヤー、対応AVアンプなどドンドン広がっています。
スマホにいくつか機材をくっつけることでそのクオリティーを手軽に楽しめるようにもなりました。対応スマホも続々発表されています。

パソコンにUSB-DACを付けてヘッドフォンやスピーカーで聴くというスタンダードな方法から、やはりオーディオはオーディオとして独立させたいという願いにも答えることができます。

ぜひ、音高音質音源の再生にチャレンジしてみてくださいね!
音楽生活がもっと豊かに楽しくなることでしょう。


ちなみにPCで聴くためのオススメソフトは、X-アプリです。
オーディオインターフェースやUSB-DACを付けたらWASAPI排他やASIOを「オーディオ出力設定」から忘れずに設定してくださいね!